ハートネットTV「シリーズ貧困拡大社会(4)“貧困の連鎖”は断ち切れるか」書き起こし・ほぼ完全版

NHK・eテレで放送されたものを文字起こししています。 進行:山田賢治アナ ゲスト:あさのあつこ(作家)     湯浅 誠(反貧困ネットワーク事務局長)
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とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 少年との面接を終えたセンターのスタッフが学校に向かいました。もし少年が引越しをして行き先がわからなくなってしまえば、今後支援していくのが難しくなります。

2012-05-18 08:46:47
とし @toshihiro36_sub

スタッフ:(担任に向かって)高校の近くに引っ越すとは言ってたんですけど、遠くに飛んじゃったらつかまえようがないので…まだ17歳なんでね。「必ず先生に相談してね」とは言ってるんですけど、先生からも一言かけていただければと思います。

2012-05-18 08:52:20
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 学校側との話し合いの結果、今後、少年が社会で働ける自信をつけられるようアルバイトを紹介することになりました。相談室に訪れた生徒は、この1カ月で24人に上ります。そのほとんどが経済的な問題に加え、親子関係や健康面で何らかの不安を抱えていることがわかりました。

2012-05-18 08:57:11
とし @toshihiro36_sub

スタッフ・白砂:ご家庭の状況が非常に厳しい。経済的な状態であったりというところで、彼とか彼女たち自身の生活力みたいなものも奪われてしまっているところがあったり。潜在的なニーズっていうのは、本当に多いんだろうなってことは感じましたね。

2012-05-18 09:05:50

スタジオに戻ります

とし @toshihiro36_sub

山田:いろんなものを抱えて、何とか生きていきたいという気持ち…伝わってきましたが、どう映りましたか?

2012-05-18 09:08:13
とし @toshihiro36_sub

あさの:十代って、貧困というものを抱えていなくても…すごく自分を持て余して、あるいは他者に対してうまく開いていかれない。つまり開き方を学んでいく時期だと思うんですけども。それだけでも十代っていうのは難しいというか、自分を持て余すとこではあるんですけど。

2012-05-18 09:12:53
とし @toshihiro36_sub

あさの:それに加えてギリギリのところで生きていかなければならない…さっき出たあの少年というのは、非常にしんどいだろうなっていうのはよくわかりますね。

2012-05-18 09:15:53
とし @toshihiro36_sub

山田:この生きづらさの背景というのは、どのような所にあるんでしょうか?

2012-05-18 09:18:26
とし @toshihiro36_sub

湯浅:先ほどのインタビューの中では、「何かやってもうまくいかないんじゃないか。どうせまた失敗しちゃうんじゃないか」という不安があるということを、よくカメラの前で喋ってくれたと思いますけどね。

2012-05-18 09:21:57
とし @toshihiro36_sub

湯浅:うまくいかなかった時でも、「気にするな」と言ってくれる人たちが周りにいることによって、だんだん自信をつけていく。そういうサイクルが環境としてないと、なかなか「自分なんてどうせダメなんだ。社会で生きていく価値がないんだ」と自分の価値を自分で否定してしまう。

2012-05-18 09:26:24
とし @toshihiro36_sub

湯浅:私は「自分自身からの排除」と言ったりしますけど、そういう状態に追い込まれていることが大きな「生きづらさ」と言われることの背景にあると思っているんですけどね。

2012-05-18 09:28:44
とし @toshihiro36_sub

山田:まさに高校生の時期というのは自己肯定感というのをしっかり植えつけていって、大人になるときのステップ・土台として非常に大事な時期で・・・

2012-05-22 13:57:06
とし @toshihiro36_sub

あさの:しっかりと生きれる大人になるっていう非常に大事な時で…子どもたちの未来が閉ざされるっていうことは、私たちの未来が閉ざされることでもある。子どもたちって財産なんですよね、国にとっても私たちにとっても。それをみすみす失うのは惜しいという気もありますし。

2012-05-22 14:00:31
とし @toshihiro36_sub

山田:そういった意味では学校の中に相談室があるっていうのは、非常に大きな意味があると思うんですが。

2012-05-22 14:06:50
とし @toshihiro36_sub

湯浅:そうですね。定時制高校というのは、入ってから卒業するまでに3割の、場所によっては5割の子どもたちが中退しちゃってたりするんですよね。そうすると余裕を持ってそこから先に出会うというのは、とても難しいので…やっぱり学校とつながっている間に福祉ともつながる。

2012-05-22 14:12:41
とし @toshihiro36_sub

湯浅:教育と福祉がちゃんとつながると。そういう中でああいう専門的な支援が入ってくるという…この形ですよね。この形を広げていかないといけないと思いますよね。

2012-05-22 14:14:48
とし @toshihiro36_sub

山田:こうした子どもたちの自立をどうサポートとするのかいうことで、引き続き豊中市のパーソナルサポートセンターの取り組みです。ご覧ください。

2012-05-22 14:18:36

VTRが流れます

とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> この日、パーソナルサポートセンターで緊急事態が発生していました。支援をしていた女性から、ひどくとり乱した電話があったのです。統合失調症の疑いがあるという女性は、一人で母親の介護をしてきたといいます。

2012-05-22 14:22:46
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 貯金が底をつき家賃を払えなくなったため、立ち退きを迫られ精神的に不安定になっていました。このままでは家を追われ、路頭に迷う可能性もあります。一刻も早い対応が求められるなか、スタッフからさまざまなアイデアが出されます。

2012-05-22 14:26:45
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 当座のお金を工面し立ち退きを免れる方法を提案したのは、生活保護の専門家。ホームレスの支援機関で数多くの問題処理に当たってきました。さらに医療に精通したスタッフが「精神科のある病院に行かせるべきだ」ともちかけました。

2012-05-22 14:30:49
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> 医師から就労ができないと認められれば、生活保護の申請も可能になります。このセンターは複雑な問題を抱える相談者に対して、さまざまな分野の専門家が常駐しチームワークで対応できるのが強みです。時間はすでに5時を過ぎていました。

2012-05-22 14:34:32
とし @toshihiro36_sub

<ナレーション> まもなくさまざまな事業所の窓口が閉まってしまいます。結局、女性を病院で診察させた上で、生活保護の申請手続きを勧めることにしました。

2012-05-22 14:36:30
とし @toshihiro36_sub

カウンセラー・白砂:PS(パーソナルサポート)それぞれ専門分野…これまでのキャリアとか経験のある中でつながっている人に…できるっていうのはスピードが全然違うので。たぶん今1時間かそこらしか経ってないと思うんですけど、それで一つの方向性…一応方針としては立てられてるので。

2012-05-22 14:41:25