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背景
(このブログは毎日1件加工食品をNaI検出器入りの簡易測定装置LB2045で測定し、装置のスクリーンショット付きで測定結果を公開するまではいいのですが、ブログ主が検出限界値の意味を全く理解せず、測定値の表示が0.0でなければたとえ検出限界値(画面左下にMDAとして表示される)より小さい値でもすべて「放射性セシウムが含まれている」と説明していて、誤りを指摘しても全く見解を変えません。
実際にはこの測定装置は、生の測定値からバックグラウンドを差し引いた結果がマイナスになった場合に実数値のかわりに「0.0」と表示しているに過ぎません)
2012年8月4日追加:「本編」と「付録」で「バックグラウンド誤差」と書いたところは単なる「誤差」と読みかえてくださるようお願いします
(理由の説明は最後の「注意」の項にあります。togetterの文字修飾には書いた字の上に横線を引いて取り消す機能がないのですみません)
本編ここから
@Mihoko_Nojiri 先生、私いまだに検出限界ってよく理解できてないんですが、このブログhttp://t.co/JGBuWtAG(LB2045使用)の検出限界未満の値の解釈ってこれでいいんでしょうか?
2012-05-26 16:35:22(↑このとき実際に話題になっていた記事はこちらhttp://amba.to/LfWCtx カップ入りアイスの測定結果でした。
総セシウム量の測定値:3.426
MDA(検出限界、画面左下に表示):6.7
誤差(±つき、画面右下に表示):2.0
単位はいずれもBq/kg)
まっさらのものをはかってもこのくらいの値は頻繁にでます。RT @m_bird_rf: 私いまだに検出限界ってよく理解できてないんですが、このブログhttp://t.co/dDQOcqt6 (LB2045使用)の検出限界未満の値の解釈ってこれでいいんでしょうか?
2012-05-26 16:42:19だいたい100回はかると2~3回は誤差の2倍でますね。これであるかもとかかかれたらたまったもんじゃないと思いますが。 @m_bird_rf
2012-05-26 16:43:41(↑誤差のプラスマイナス2倍の範囲のことを「95%信頼区間」といいます。理論上、100回測定すると95回は測定結果がこの範囲におさまるとされているところから、こんな名前がついています。はずれの5回の中には大きい方にはずれる場合と小さい方にはずれる場合が同じ数だけ存在するため、大きい方にはずれる回数は100回中2回と3回の間(200回中なら5回)ということになります)
私はこういうアプローチをセシウムおみくじと読んでいて、まあ大吉とか凶とか出る確率は少ないですが、何度も引けば必ずでる。 @m_bird_rf
2012-05-26 16:46:43@Mihoko_Nojiri 先生が以前ブログに書かれていたグラフの通りってことですよね?これ信じてるお母さんがいるので困りました。違うんじゃないかなあとは伝えましたが。私もよくわかってない部分なので説明できなくて困ります。
2012-05-26 16:48:31(↑このグラフは野尻先生のブログ記事「定量限界」http://bit.ly/vR3U7g でご覧いただけます)
この場合MDA が6ですけど、これって6 以上の数字みたらまず0 ではないですね、みたいな感じです。RT @m_bird_rf: @Mihoko_Nojiri 先生が以前ブログに書かれていたグラフの通りってことですよね?これ信じてるお母さんがいるので困りました。
2012-05-26 16:50:47@Mihoko_Nojiri すみません、ありがとうございます^_^;この場合6Bqの検出限界で不検出と出ると、6以上はないということは確実なんでしたっけ?それとも何パーセントかはすり抜けるんでしたっけ?
2012-05-26 17:00:40(検出限界ぎりぎりのものを測定すると、理論上2回に1回は検出限界割れ、2回に1回は検出限界越えすることになります)
いやそんなことないですよ。たとえば値が5で誤差が2 だったら 3~7 の間に 60% の確率であるとかそんな感じ。RT @m_bird_rf: すみません、ありがとうございます^_^;この場合6Bqの検出限界で不検出と出ると、6以上はないということは確実なんでしたっけ?
2012-05-26 17:03:16要するにぶっちゃけて言えばですよ、5Bq 以上かどうかを気にするんだったら、検出限界が2くらいの測定をしないといけないということです。気にしてるレベルと測定があっていないということ。 @m_bird_rf
2012-05-26 17:05:13@Mihoko_Nojiri ああ、なんとなくわかりました。人にうまく説明できる自信はないですが^_^;このブログ主はNaIじゃなくてGe検出器を使わなきゃいけないということですね。色々教えていただきありがとうございます。
2012-05-26 17:14:22あるいはこの測定であれば10 以上かどうか議論するとかいうんだったらいいと思いますけど、それ以下の”量”を云々しても社会的に通用しないです。@m_bird_rf
2012-05-26 17:06:330 じゃないっていう程度だったら検出限界でいいんですけどね。検出限界ってこれ以上なら0でない宣言しますってことだから。
2012-05-26 17:09:57(一般には測定値がバックグラウンド誤差の3倍を超えてはじめて検出されたと認められますが、実験物理は測定値がバックグラウンド誤差の5倍を超えてようやく検出したと認めてもらえるのが通り相場という厳しい世界。「検出限界2 Bqの時の5 Bq」の例は測定値がバックグラウンド誤差の6倍を優に超えていますから、実験物理基準でも堂々の検出認定です。
基準値越えの見落としが絶対に許されない環境分析では、規制基準値の1/10を定量下限値=バックグラウンド誤差の10倍で実現するよう分析条件を設定するのが約束事で、この場合許されるバックグラウンド誤差は規制基準値の1/100ということになります。やや大目に見るにしても規制基準値の1/10を検出限界値=バックグラウンド誤差の3倍で実現する分析条件が要求され、許されるバックグラウンド誤差は規制基準値の1/30ということになります。今年3月31日まで使われた食品の旧暫定規制値500 Bq/kgのもとではスクリーニング基準値が規制値の1/10の50Bq/kgに設定され、簡易検査には検出限界値がスクリーニング基準値未満の測定装置を使わなければならないとされていました)