2012年日本科学史学会の模様まとめ
- Cristoforou
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パドヴァやボローニャの自然主義が霊魂の物質化を行い、それが科学革命を準備しまたベイコンらの唯物論的自然哲学に結びついたという考えはある意味正しいのだろうけど、メランヒトンとかパラケルスス主義に関する研究をみると、何だか違和感もある。
2012-05-26 15:43:29生命現象の説明における物質の役割を強化する流れはイタリアだけで生まれたわけではないし、皆がアリストテレスの自然主義的解釈からその考えに至ったわけでもなさそうだ。16世紀を貫くもう少し深い何らかの潮流があるような気もする。
2012-05-26 15:45:44まぁそもそも @kunisakamoto さんの今日の発表の核心はそういう唯物論的な自然哲学ではない、非物質的なものにある程度の説明原理を帰する思想が科学革命の一つのソースとなっていた、ということなんだけど。
2012-05-26 15:48:12今、科学史学会の会場では原発の歴史のシンポジウムをやっているが、大勢の人の中で原発の話を聞くのがちと辛いので、三重大のキャンパスをブラブラしている。
2012-05-26 16:47:26科学史学会の懇親会。フカヒレの姿煮なんて、この学会では初めて出たんじゃないか?w ご老体が多い会なので、一生分とも思えるほどのフカヒレを堪能させていただきました (・o・)ゞ
2012-05-26 20:45:17伝書とは。個人的な執筆というイメージではとらえられない。個人的な筆録や講義録が編集されて・・・・執筆、筆録、編集の繰りかえし。テキストの生成過程での可変性が極めて高い。要点をきした要約集をつくるとそこに弟子の解釈が入ったりする。この可変段階がおわると権威化、固定化する。芸事。
2012-05-27 10:31:13実例がやばい。テキストが世代を経て拡大していっている。北条流の軍学署の例。一方権威化すると筆写が固定化されて、乱丁箇所まで保存。
2012-05-27 10:34:05特徴的なテキストの壊れから写本系統を割り出す作業の話。contaminationの話。[contaminationの現場ってわかるんだな、江戸近世。〕
2012-05-27 10:43:50昨日の科学史学会での杉本剛さんの報告は面白かった。プリンキピア第三篇にある月の理論に見られる数値の謎を、現代の理論も援用しながら解明しようとしたもの。トゥルーズデルが指摘する『プリンキピア』の威力をまざまざと見せつけられた思いだった。
2012-05-27 13:22:28泉水さんの発表から。George P. Murdoch(人類学者)とHarold J. Coolidge(動物学者)が主催したPacific Science Conference。マードックが行っていた戦争中の軍学連携を戦後も継続しようという狙い。
2012-05-27 14:06:26Cimaという調査が南洋群島で行われる。この延長で行われた沖縄での調査がある。SIRIという調査プログラム。1951年から2年の沖縄調査。医療分野のウェイトが多い。意義を強調するためか。資金の投入は、スキャップ指令に基づいて戦前の水準にまで沖縄を戻すことに限られる。
2012-05-27 14:10:49肺結核の調査。Pesquera(自らもかつて肺結核に罹患していた)が担当。1951年10月に沖縄に来て1年ほどで帰国。当時沖縄には1948年にできた保養院がひとつだけあった。本土で行っていたBCCの効果を測るために沖縄を対照群として、公衆介護型の治療を施していた。
2012-05-27 14:17:03戦後の沖縄の結核対策にかかわったひと。戦前のにほんの医療体制の周辺部にいた人がペスケラの調査に協力するという構造が見られる。
2012-05-27 14:18:44にほんの医療の周辺部にいたからこそ、開業に走ることもできることができない。そこにアメリカの調査がはいって、本土とは全く違う結核医療の世界が沖縄に構築された。
2012-05-27 14:19:57