世界ウイグル会議の靖国神社昇殿参拝について
- lunatisluna
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以前自分のツイートで、イスラーム法との兼ね合いではどうなんでしょう、というような幼稚な発言をしたことを悔いる。これはイスラームの話というよりは「彼らの信仰」の問題で、正しく自分がいま科研費をいただいているトピック(新疆イスラーム聖地に関する基礎的研究)の問題だったんだね。
2012-05-30 05:12:34翻って考えると、少なくともラビヤ・カーディルやその周辺のウイグル人の「ムスリム」や「イスラーム」、「信仰」という言葉も、いくぶんコンテクストを読み替えて理解したほうが正しい理解にたどり着けるのではないか。
2012-05-30 05:19:52ただこの考察でひとつ確認が必要なのは、歴史的にかれらが集団であれ個人であれ、政治的必要から相手方に敬意を表すため異教徒の聖地に参詣したことがあったかどうか、ということ。
2012-05-30 05:35:16その事例ですぐに思い出すのはホージャ・アーファークのケース。まあ彼自身は完全な「ウイグル人」とは言い難いけれども、あまたある聖者伝で「ジュンガルとの結託」はどう説明されていただろう。確か仏像を拝んだ、というような記事はなかったように思うけど。
2012-05-30 05:38:14清朝期のベグたちが、清朝の儀礼にどれほど「積極的」に参加していたかというのも一定の参照価値があるかもしれない。たぶんこれは十二分に確認ができるだろう(でも大変なのでやらない)。
2012-05-30 05:42:33以上、今朝のつたない考察終わり。勝手な希望としては、なぜ靖国に行きたいと思ったのか、それぞれの参加者に「ウイグル人の習慣」との兼ね合いで言葉を尽くして語ってもらいたい。
2012-05-30 05:58:13初歩的な質問ですみません。彼のダライラマの親書を持ってジュンガルにという話は、対面して受け取ったということになっているのでしょうか? RT @junsugawara: その事例ですぐに思い出すのはホージャ・アーファークのケース。「ジュンガルとの結託」はどう説明されていただろう。
2012-05-30 08:21:23またこのことについては黒山党側の資料でしか触れられてないと理解していますが、これで宜しいでしょうか。もともと悪意があって造られた話なのかも、とも思うのですが、それならば仏像を拝んだのような内容が入っているのもあり得るかと思いました。 RT @junsugawara
2012-05-30 08:44:50返信どうも。ええと、私が言いたかったのは「仏像を拝んでいたら、それはそれで納得するな」と言うお話なのですが。拝んだという話は聖者伝の各テキスト(網羅的では全然ない)を読んだ記憶の許す限りにおいてはありません。異本とかにあっても驚かない、と言う意味です。@spinel_jp99
2012-05-30 09:05:55追記。その点は興味深いので調べてみますね。もう少しお待ちください。言っておきますが、これは史実と言うよりは伝承・言説上のお話ですよ。@spinel_jp99 彼のダライラマの親書を持ってジュンガルにという話は、対面して受け取ったということになっているのでしょうか?
2012-05-30 09:07:28追記2.どうでしょう。記憶では、ご指摘の「黒山党側の資料」(これ、たぶんTazkira-i azizanですね)以外の聖者伝(アーファーク・ホージャ伝)にも書かれていたような気がします。これも面白いので調べてみます。@spinel_jp99
2012-05-30 09:24:39お答え1.どうもChuと言う土地の「ブラフマンたちBrahmanlar」に対して奇跡を見せたとはありますが、ダライラマと言う名前は出てきませんね。これはご指摘の史料の英抄訳、写本(今日は伯林Ms.4-1313, 82s参照)に共通しています@spinel_jp99
2012-05-30 10:06:47お答え2.ただ記憶ではそのBurahmanの代わりにDalay Lamaと言う言葉が乗っている異本がひとつだけあったような気がします。今俄かにそのコピーが出てきません。済みませんが(他にもやることがあるので)、今日はこれでお許し下さい。@spinel_jp99
2012-05-30 10:10:42お答え2.たいへん史料としては使いにくい、聖者伝(Hagiography)のなかでも同様のエピソードはありました。ただしそこでもダライラマは出てきませんが(Lund大JarringコレクションProv.48, fol.33r-34r)。【つづく】@spinel_jp99
2012-05-30 10:20:44お答え2(つづき)。ただこの作業で確認できたのは、アーファークのジュンガルとの結びつきをめぐる記事がおおむね(当然ながら)、アーファークの聖性にひれ伏すような形で異教徒たちが「ぜひやらせてください」と申し出るような書かれ方をしているということですね。@spinel_jp99
2012-05-30 10:23:14お答え2(つづきのつづき)。だから異教の様式で礼拝するなんて記事は出てこないのでした。まあ当たり前と言えば当たり前ですが、こういう確認ができてよかったです。勉強の機会をお与えくださりありがとうございました。@spinel_jp99
2012-05-30 10:25:06余談。いささか気になるのは、ラビヤさんはじめ東京に来た方々ご自身、あるいは後世の語り部たちが、今回の東京訪問のことを、聖者伝同様にドラマティック(というか奇跡譚的?)に語り継いだりするかどうかということですね。現象として興味津々ではあります。@spinel_jp99
2012-05-30 10:31:00補足。一方史実としてのアーファークとジュンガルの話は、近年新史料(ターリーヒ・ラシーディ補編)が発掘・出版されて、ジュンガルの東トルキスタン征服の時期が下がる可能性が指摘され、その信憑性がかなり疑わしくなってきたような気がします。なお再検討が必要ですね。@spinel_jp99
2012-05-30 10:38:50ジュンガルとアーファークのところは個人的にも興味があったことであり、突然の質問で申し訳ありませんでした。お調べ頂き、また詳しくご解説頂きありがとうございます。やはりこの経緯についての話は面白いなあと思わされました。 @junsugawara
2012-05-30 12:23:24靖国神社訪問については、異教の神に対しての礼拝ではなく、あくまでも表敬訪問としてプランを立てられていました。今回の第四回代表大会準備委員会や、世界ウイグル会議代表者から、特に反対の声は出なかったようで、自由参加の昇殿には結局全員参加していました。 @junsugawara
2012-05-30 12:29:45クムル出身のイリハムさんの捉え方として、普段から行う墓参りと同じように、日本に対して敬意を示すなら、ということで報告されていますが、他のウイグル人がどうであったかについては、期間中が忙しかったこともありほとんど聞くことはできませんでした。 @junsugawara
2012-05-30 12:31:38ただ、中国が反発する靖国神社についてはとても関心が高く、もともと一度は観光として行ってみたいと思っていた方はいたようです。僕は直接その話を聞いていないのですが。 @junsugawara
2012-05-30 12:38:22靖国訪問がメディアで取り上げられることは予想していたようですが、中国の反応や、日本のメディアの関心がそこに集中することは予想以上だったようで、それで揚げ足取りを気にしてちょっと過敏になっていたようではあります。これは読みの甘さがあったのだと思います。 @junsugawara
2012-05-30 12:50:27今回の靖国神社訪問についてはおそらくドラマティックな話の展開にはならないかと思います。それよりも、なぜ日本の支援者がここまでウイグルのために動いてくれるのか、というウイグル人代表者らの驚きの声が大きかったです。http://t.co/zpJRauG9 @junsugawara
2012-05-30 12:55:03