前) 蜀の西南の山に瑕国、馬化、亦は獲猿と呼ばれるのがいる。猿に似て人間の様に歩き山中で婦人、就中美女ばかりを攫う。どこに連れ去るのか人間には決してわからなかった。男女の匂いを嗅ぎ分け女だけ攫うという。幾ら縄で互いを結びつけても無駄であった。
2010-06-26 04:28:29後) 攫われると女は女房にされ、男子を産まない女は一生帰されず、十年も経つと姿も思考も瑕国になり、ついに帰ろうととは考えなくなる。男子を産むと連れ帰されるがその子供が死ぬと女も死ぬ。だから女は必死で育てたと言う。子は皆、楊の姓を名乗るという。
2010-06-26 04:29:48この話は人魚の話のお定まりのような話ですね。涙が真珠というのは西洋にあったかどうか思い出せませんが、中国では1600年以上前からあった話ということです。
2010-06-26 04:31:56○蠱毒の中には化物がいる。種々有り、犬や豚、虫や蛇になる。蠱を使う人はそれがどんな形をしているか知らない。只それを人に向かって使うと狙われた人は悉く死ぬ。
2010-06-26 04:34:34.@neurosnowblind 蠱毒はたしか箱に入れて戦わせて一番強いのを最後に殺して念を~みたいなのをどこかで読んだような。放蟲(ファングー)とか
2010-06-26 04:39:39@ya2ca 蠱毒は数種の毒虫を餓えさせて、戦わせ、最後に生き残った虫を使うんですが、大陸では犬蠱、豚蠱というのもあるそうです。本朝の犬神の俗信に近いかもしれないですね。
2010-06-26 04:43:41@neurosnowblind 犬神も似てますよね…たしか大陸のだと…蝦蟇とかもあるとか。犬だと生き埋めにして、首だけだして飢えさせ、餌を目の前に置き首を切るだったかな…曖昧でござる。
2010-06-26 04:46:47@ya2ca 「本朝には犬の身体を埋め、餓えさせて、その恨みを使うと言うのがある」と確かに僕も見た気がする。しかし……曖昧でござる。
2010-06-26 04:49:53@neurosnowblind 先日授業で聞いた話だと、その飢えた犬の目の前に餌を置き、期待に充ち満ちた犬の首を刎ねてその無念・恨みを使うそうです。
2010-06-26 04:53:14○高陽氏のころ、兄妹で夫婦になる者あり。帝は二人を山野に追放した。二人は抱き合って死んだ。そこへ神鳥が来て不死草を被せると、七年後、一つの身体に二つの頭、四本の手足の男女が産まれた。これが蒙雙氏である。
2010-06-26 04:36:05○元帝の永昌年間、任谷という男が畑仕事の途中、一休みしていた。そこへ突然、羽衣をきた男が現れて谷を犯したと思うと消えてしまった。その後、谷は腹が大きくなって、臨月を迎えると、また羽衣の男が現れた。刀で下腹を切り開くと蛇の子を取り上げて去っていった。結果、谷は去勢されてしまった。
2010-06-26 04:39:36格別面白い話! 男性から子が産まれるというのは、どのみち陰陽のバランスが崩れて凶兆とされるようですが、それにしても……。この人は帝に訴えて保護してもらったそうです。
2010-06-26 04:41:18○羿(げい)は西王母から不死薬をもらったが、妻の嫦娥がそれを盗んで月へ逃げようとした。嫦娥は有黄に吉凶を占を頼んだ。「吉。帰妹、一人西方へ行き、途中で暗くなっても驚いてはならぬ。やがて栄えるだろう」こうして嫦娥は月に身を寄せた。これが蟾蜍(ヒキガエル)である。
2010-06-26 04:45:27○高陽氏には三人の息子があり、三人とも死んでから疫病神になった。一人は揚子江で瘧の神、一人は若水で魍魎、一人は家で夜泣きや引きつけの化物になった。だから正月には方相氏に命じて追儺をするのである。
2010-06-26 04:46:23○今の江西省に男がいた。田に七人の娘を見たが、毛の衣で人か鳥かわからない。一人の娘が脱いだ衣をそっと隠してから捕まえようとした。鳥達はみな飛び去ったが、一人だけは逃げられない。男はそれを連れ帰って女房にし、三人の娘を産ませた。やがて隠した衣を見つけて飛び去り、娘達も飛び去った。
2010-06-26 04:47:50○ある男は幽霊は存在しないと主張して来た。誰も言い負かせなかった。ある時、一人男が訪ねて来て大激論になったが、やはり言い負かした。が、客は顔色を変え「この私が幽霊なのだぞ」と言って消えた。男は苦々しい顔で黙した。一年後、この男は病で死んだ。
2010-06-26 04:53:10