「賭博」とは何か－あるいはギャンブル依存症の存在しない国、日本

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

「賭博」とは一体なんなんだろう?既存の解釈や制度は良しとして、これからの社会を生きる我々はそれにどのように向うべきだろう? 実は、某所から遠い目標として、そうった根っこの部分から確認し、制度面も含めた再検証・整理ができるように頑張りたいと要請を受けている。これは大きい宿題だなぁ

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

日々の活動の中で賭博専門の僕でも理解に苦しむような解釈や制度ってのはやっぱり有るんだな。例えば日本では法解釈上、宝くじとサッカーくじはギャンブルじゃないって事になってる。だから、例えばサッカーくじにはギャンブル依存症問題は存在しない、って事になってるんだな。これ文科省の公式見解よ

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

日本では宝くじはギャンブルじゃない。その根拠は刑法が賭博の禁止（185-6条）と富くじの禁止（187条）を分けて規定している、というところからスタートするんだけれど、じゃぁ何でそれを分けたのだろうか?とか、果たしてそれが正しいんだろうか?とか色々思うことがあるワケよ

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

「賭博」と「富くじ」は射幸の度合が違う、だから別物という解釈になっているのは知っている。でもね、実は今の現実の世では賭博と富くじは殆ど差が無くなって来ていて、例えば欧米で採用されているVLT(電子宝くじ販売機)なんかは、もはやカジノマシンと見分けが付かなくなってきているわけさ

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

じゃ、海外のVLTとカジノマシンを横に並べてみて、改めて「この二つの射幸性の違いを説明してみて?」と問えば、それを明確に答えられる人ってのはまず居ないんだな。だって、内部のシステム的には微妙に違うんだけれど、結果として提供されているゲームの形ってのは殆ど変わらないんだもん

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

その他にも例えば、トーナメント型のゲームって有るじゃない。特定のゲームの優勝者が賞金を総取りするタイプのもの。これって同じゲームでも、プレイヤーが参加料を払って賞金を争えば賭博。一方で、参加無料でスポンサーが賞金を出す場合は賭博ではない。

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

このケースはルールとしてはハッキリしていて判り易いんだけど、じゃぁ本質論として何が違うんだろうなぁって疑問が出てこない?プレイヤーは賞金を争ってお金の為にゲームを戦わせているのは一緒。でも片方は賭博で犯罪者あり、片方は賭博ではなく、むしろ「プロ」として社会評価を受ける

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

ちょっと前にTWしたギャンブル依存症に関して、日本の行政府の各々の主張と解釈を纏めて極論すると、日本に「ギャンブル依存症は存在しない」ってことになるんだよね。皆、知ってた?

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

宝くじとサッカーくじは、前出の通り、その射幸の度合の違いから刑法上で賭博とは別に規定され禁止されているもの。賭博じゃない→すなわちギャンブル依存も存在しない。

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

遊技に関しては、ご存知の通りあれは娯楽の範疇であって、刑法の禁ずる賭博とは別のモノというのが我が国の制度上の規定。すなわち、賭博じゃない＝ギャンブル依存ではない。

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

さぁ問題は我が国で唯一制度上「賭博」として規定されている公営競技。ただし、公営競技が規定する賭博禁止の例外として存在しうるための要件として、「公が主体となってそれをコントロールしているので問題が起きない（ハズ）」という大前提があるんだな。

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

公営競技は賭博なのだけれど「見事な公的コントロールの元で管理されているので問題は起こりえない（ハズ）」、ギャンブル依存の問題は起こらない（ハズ）という事になっている。かくして、わが国にギャンブル依存症というものは、違法賭博等の特殊な事例以外、存在しないという事になりました。噓つけ

木曽崇／Takashi Kiso @takashikiso

あ、2つ前のTW、「刑法の」が消えてた。訂正。自己RT: ただし、公営競技が【刑法の】規定する賭博禁止の例外として存在しうるための要件として[...]