矢野浩一さんによるリフレーション政策メモ(2012.6.17)
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[最後に(その3)]それとよくある誤解の一つして「リフレ派は単純な貨幣数量方程式を仮定している」というものもあります。が、「昭和恐慌の研究」には、デフレ脱却(政策レジーム変更)時には「単純な貨幣数量方程式が成り立たない」とはっきり書かれています。
2012-06-17 13:06:49さて、久しぶりに「リフレーション政策」もしくは「リフレ派」について書いてみました。これから外出するので、今日はここまでです。次は火曜日の夕方に少し時間があるはずです。
2012-06-17 13:20:37追加:高橋さんより
@koiti_yano 量的緩和と長国オペはほとんど同じ。負債サイドでみれば量的緩和、資産サイドで見れば長国オペ。ともにマネタリーベースを増やすということ。MBがインフレ予想に働くということは「デフレをとめよ」に書いてある。資産として国債のほかに手がないことも書いてある
2012-06-17 16:11:37@koiti_yano 私はリフレ派とあまりいわなのは、そうした人たちの中で「構造改革」が嫌いな人たちがいるから、遠慮しているだけ。構造改革といっても不良債権処理や民営化、規制緩和なんだけどね。これらは私は当たり前と思っているけど、金融政策とは独立と思っているけど
2012-06-17 16:15:46矢野さんによる、2012.6.19 の追加
矢野浩一さんによるリフレーション政策メモ(2012.6.17) http://t.co/CTQoqYNt の続きをつぶやきます。時間があまりないので、中途半端になったらすみません。
2012-06-19 17:23:07[貨幣とインフレーション]
[貨幣とインフレーション] まず、リフレ派に対するよくある誤解の一つが「リフレ派は単純な貨幣数量方程式を前提としている」というものがあります。(続く)
2012-06-19 17:24:10(続き)まず、基本的には「長期においては貨幣量の増加は物価水準を上昇させる」ことが知らています。つまり、貨幣成長率はインフレーションを引き起こすということです。これは非常に多くの先行研究で知られています。(続く)
2012-06-19 17:26:54(続き)McCandless and Weber, 1995. "Some monetary facts,"http://www.mpls.frb.org/research/qr/qr1931.pdf にまとまっているので、ご参照下さい。(続く)
2012-06-19 17:27:57[四大インフレーションの終焉]
[四大インフレーションの終焉] 2011年のノーベル経済学賞受賞者であるトマス・サージェント教授の1982年の論文「四大インフレーションの終焉」にそのこと(短期においてはインフレ率を貨幣成長率が比例しない場合がある)が述べられています。
2012-06-19 17:31:02(続き)「四大インフレーションの終焉」はオーストリア・ハンガリー・ドイツ・ポーランドのハイパーインフレーションについて述べた論文です。その中でサージェント教授は(1)ハイパーインフレーションは過度の通貨発行が引き起こしたこと、
2012-06-19 17:32:28(2)ハイパーインフレーションは突如として終了したことなどを述べています。そして、とても重要な指摘として(3)ハイパーインフレーションが終了した後も、貨幣成長はしばらく増え続けたことを述べています。
2012-06-19 17:33:51(続き)つまり、「短期においては貨幣成長率とインフレ率が連動しない場合がある」訳です。なぜならハイパーインフレーションが終わって物価が落ち着いたにも関わらず貨幣成長は続いた訳ですから。(続き)
2012-06-19 17:35:09(続き)では、「何がハイパーインフレーションを終焉させたのか?」が問題です。サージェントはそれを「政策レジームの変更」と「インフレ期待の変化」であるとしています。
2012-06-19 17:36:54(続き)つまり、貨幣成長が急激に続いていた(←ここ重要)にも関わらず、ハイパーインフレーション自体は突如として終了したのは「政策レジームの変更」と「インフレ期待の変化」であるということです。(続き)
2012-06-19 17:38:25(続き)政策レジームの変更とは、政策を形作るルールや政策の枠組み自体の変更ということです。そして、その政策レジームの変更がインフレ期待を変化させ、結果として(貨幣成長が続いているにも関わらず)ハイパーインフレーションが終了したことになります。(続く)
2012-06-19 17:40:27(続き)このサージェントの「四大インフレーションの終焉」は「政策レジーム」や「インフレ期待」の重要性を示したもので、「現代マクロ経済学の基本的文献」になっています。
2012-06-19 17:41:41[昭和恐慌の研究]