茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第628回「かえってきた、フェイスブック」

脳科学者・茂木健一郎さんの6月18日の連続ツイート。 本日は、「帰ってきたもの」について。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-06-18 04:29:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第628回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、「帰ってきたもの」について。

2012-06-18 07:03:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(1)twitterの面白さは、ある問題についてさまざまな角度からの意見や考えが得られることで、「ミーム」の淘汰、進化には適している。それに比べて、フェイスブックは、ゆるくて、まったりしていて、それが不満である、ということはこの欄でも何回か申し上げた次第。

2012-06-18 07:05:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(2)ところが、人間の気分というのは不思議なもので、丁々発止、キッタハッタの論争、泥仕合に疲れてきたな、と思う季節が訪れた。この二年くらい、twitter上でさまざまな議論をしてきたが、それだけだと人生イヤだな、と思うようになった。とりわけ、正解のない問題について。

2012-06-18 07:06:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(3)世の中には、こんな奇妙な考えをする人がいるんだ、感情の勢いをのせてしまうことがあるんだ、人を罵倒し、風刺して自分は匿名でふふふしている人がいるんだ、というのはサンプリングとしては面白いものの、それはこっちが元気なうちで、疲れてくるとうっとうしくなる。

2012-06-18 07:07:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(4)それで、二三日前から、フェイスブックで少し長めの文章を載せ始めて(http://t.co/K9jOCeDv)気づいたことがある。フェイスブックは、市場性のないもの(あるいは小さいもの)を、ゆっくりと、穏やかに、育んでいくのには適した媒体であると。

2012-06-18 07:09:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(5)もともと、フェイスブックに対する不満は、それが仲間内の写真の見せ合いや、日常のつぶやきを「イイネ!」とするゆるい場になりがちだ、という事だった。しかし、違う視点もあることに気づいた。それは、例えば、一つのコンサートの準備のプロセスについて考察すると見えてくる。

2012-06-18 07:10:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(6)コンサートという一つの「作品」をつくる際には、当然そのことに「関心」がある人たちが劇場を占める。興味もない人や、反対派や、匿名の皮肉屋がそこにいたら、創造のオーラが失われる。そして、市場性がある必要はかならずしもない。むしろ、マイナーなことでいい。

2012-06-18 07:11:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(7)自分が何をたべたとか、誰に会ったとか、そのようなことはもともと「マイナー」な私的領域である。しかし、それ以外にも私的領域はある。世間を騒がせるような大きな出来事以外にも、長い目で見ると、大切なことの種が、たくさんあって、それを育むには温かいコミュニティが必要だ。

2012-06-18 07:13:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(8)過去1年間、日本社会を分断してきたさまざまな問題は、確かに重要であり、twitter上の重要な案件であった。しかし、世界はそのようなことだけで出来ているのではない。もっとゆっくり、小さく、育んでいくべき大切なことがある。twitterを炎上させるような市場性はないけど。

2012-06-18 07:14:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

かふ(9)市場性のないことを、ゆっくりと、育んでいく。必ずしも日常生活のような私的なことではなく、むしろ文化的なこと、概念的なこと。そのようなかたちでフェイスブックを使うとしたら、有意義だということに気づいた。それはつまり、私自身がそちらの方に回帰していく兆しなのだろう。

2012-06-18 07:15:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第628回「かえってきた、フェイスブック」でした。

2012-06-18 07:15:50