生成文法における心理言語学的証拠の扱い #gengo
生成文法に対する心理学者からの意見。「生成の人が言う併合 merge とか移動 move とか実験的な証拠がないじゃん、そんなのダメだよ」 - How seriously should we take Minimalist syntax? http://t.co/nYkbvf3Q
2012-06-19 09:41:20「例文を見て文法的に正しいか内省で判断するなんて、文法屋さんってバカなの? それともアホなの?」という批判は、しばしば見られるものです。主に、心理学者が、(伝統的な)生成文法の研究者の方法論を批判するときに使います。
2012-06-19 09:47:10「心理学者と違って、こちとら、判断が微妙な例は取り扱わないんだよ。だから内省による文法性判断で十分なんだよ。今までこれでうまくいってきたし、何か文句あっかよ」というのが、生成文法批判に対する答え方の1つ(多分)。
2012-06-19 09:51:07そもそも、心理学者がよく着目する言語現象と生成文法の研究者がよく着目する言語現象でレベルが違うことが多いために、話が行き違いになってしまう面もあるのですが。
2012-06-19 09:53:10「結局生成屋さんは心理言語学的な証拠と仲よくしたいの?それともそういうのとは別に形式的に説明的な体系を作りたいの?」というのはわりといつも気になる。前者かと聞くと後者という答えが、後者かと聞くと前者という答えが返ってくることが。
2012-06-19 09:49:56その辺りのバランスは色々ある気が。僕は後者を重点的にやってますが前者とも整合すると良いなと思うし、そっちから反論が来たらなんとかしたい。 QT @Mitchara: 結局生成屋さんは心理言語学的な証拠と仲よくしたいの?それともそういうのとは別に形式的に説明的な体系を作りたいの?…
2012-06-19 14:11:13@dlit ありがとうございます!昔ガチガチ生成のある人に尋ねたら「生成はそんなのやらないよ!お前は生成のことわかってないね!」みたいなこと言われたことがあるもので…w
2012-06-19 15:27:41@Mitchara まず、前者の形式的に説明できる体系、つまりLanguage Facultyを明らかにすることが一義的目標です。そこは揺るぎません。心理言語学的な証拠がその体系が正しいかどうか言うものだと思います。後者あっての後前者です。
2012-06-19 15:53:34@Mitchara そして、後者が十分に汎用力を持つ理論であれば、前者に基づいたものが必要になると思います。作り出したいのは後者、そして後者が出来上がったら、前者と仲良くしたいということだと思います。そして、前者と仲良くしても、結局究極目標は後者の確立になると思います
2012-06-19 15:55:45@dlit @Mitchara 後者というのはLanguage Facultyの解明にあたるんですから、一義的な目標でそれは譲れないと思います。ただ、言語というものを扱う以上、心理言語学的な証拠に相容れるはずで整合することをある程度予測しますし、反論は考慮すべきだと思います
2012-06-19 15:58:51@mn_tks つまり、心理言語学的なファクターをあまり考慮にいれずに仕事をしている人でも、究極的な目標は両者を視野に入れることなのですね。
2012-06-19 16:08:05@Mitchara その通りだと思います。ただ、まだ形式的体系が十分な汎用能力がない、もしくは心理言語学の進展の度合いにより、そこまでの証拠能力がないと思う人はいます。そういう人でも、視野に入れませんが、そういう目標などを頭に入れていると思います
2012-06-19 16:16:44@Mitchara Chomskyが新たにbiolinguisticsと言ったからというのもありますが、人によっては、bioやneuroに汎用できるぐらいの耐性を持つ形式的体系が出来上がったと考えているようです
2012-06-19 19:12:29@Mitchara 判断を待つ段階というより、bioやneuro、心理言語学への架け橋となる入口を開いたと言った方が妥当かも知れません。形式的体系が心理言語学の判断に耐えうる段階に来て、架け橋を少しずつ作って行こうという感じでしょうか。まだまだ発展途上な気もします
2012-06-19 22:30:29@Mitchara この心理的実在と生成文法の問題はBresnanが1978年にA Realistic Transformational Grammarで指摘した点で,LFGを提唱するきっかけでもあり割と根が深いのです.
2012-06-19 16:40:44@Mitchara Chomsky流の生成文法というのは心理言語学的な根拠と整合性があればいいとは思っていても,それを理由に理論的変更を行うことはないはずです.その意味では「生成はそんなことやらないよ」と言った人はその通りだと思います.この辺りがLFG, HPSGと違う点かと.
2012-06-19 16:56:19@otoguro ありがとうございます。LFG、HPSGにそんな背景もあったんですか。「整合はできればしてほしい、ただし整合しなくても理論自体は変えない」というのは、わかるような、わからないような。
2012-06-19 17:00:55@Mitchara 僕の生成文法理解も微妙なことがありますので注意してください(^^; 心理言語学的な議論の中にも色々あると思いますしどこまでを心理言語学と考えるかでも違うかも、とか思います。
2012-06-19 17:04:44