【Shunyaliana】享受論、私たちが求めた、哲学【暇と退屈のユーティリティ】

國分功一郎著「暇と退屈の倫理学」を一周し、哲学のエンタテインメントというものを実感。 同時に、そこにある哲学の一つの側面「絶えざる提案」。 提案無き分析と理論に、暗く潜む「命令」の暗躍。 私たち、いまここにて創作と享受を嗜む私たちが必要だと己に言い聞かせ感じていた(かつそれはきっと手に入らないとずっと思い続けていた)、哲学の姿すがたとは。
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難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「こうしてみてはいかがっすか」提案を結論に持ってきていることが凄く感心を憶える。批評家はよく「これこれこういう状況で、故にこういう作品はこうでこいつに対応していて、それを消費しているあいつらはああだ」って結論してしまうんですが、其れをしていないのです。それが嬉しい。

2012-06-21 21:11:45
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

岡田斗司夫の「オタク学入門」もそういう側面に溢れていると思う。あれもそうで、御宅はこうだ!という言い方はせず、御宅はそうであるがゆえにどうできうるか、と言う事を順次提示している。提案している。それ自体が、御宅という在り方の拡張に一役買っている。

2012-06-21 21:13:19
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

エフ氏の「妄想」もそうで、「御宅=What」とは語らず、「御宅はこれをしている、だからもっとこれができうる、これもできる、こうしてみてはいかが」と提案している。僕はこれこそ、「創作提供享受の原理」の倫理格率のヒントではないかと思うのです。「絶えざる提案の倫理」。

2012-06-21 21:14:30
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

これね、不思議と佐々木中氏のアナレクタ2と繋がるところがある。

2012-06-21 21:14:56
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ちょいとそいでもって佐々木中『この日々を歌い交わす』からの話。そう、多分ここに、僕が批評論文に感じる違和感と、岡田や國分やエフに感心する理由が書かれてると思う。ちょいと時間かかるけど、引用させて下しあ。

2012-06-21 21:17:40
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「この日々を~」って本は、まぁ要するに、佐々木中先生ていう人の、対談集です。この本は、音楽や言葉が、文章が、いかに素晴らしくて、「生き生きとしている」ものであるかを、いろんな音楽家や創作者とかと対談した記録なんですけど、此処で、言葉の生死の話が何度も出てくるんです。

2012-06-21 21:20:05
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

以前僕が「創作提供享受の原理に少しだけ足を~」というまとめの中で、この本を引用したときに、つまらない本が出続ける理由の話をしました。それに通じて、そういうツマラン本っていうのがどういう状況かっていう話をするような部分があるんですね。

2012-06-21 21:21:16
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

で、そこで佐々木先生らが槍玉に挙げたのが「超訳 ニーチェの言葉」。見たことある人もいるだろうけど、この本、えっと、イキナリ主観的な質問しますけど、(特にニーチェ知ってる人にはこう問いたい)ニーチェっぽさ、微塵も感じらんなかったでしょ(笑)と。?

2012-06-21 21:23:36
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

あの本は、超-要約してしまっている、と。ニーチェを意図的に誤訳要約して、利用する(何にかって、そりゃ、「売れること」にですよ!)。ニーチェを「搾取」してしまっている。

2012-06-21 21:25:03
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

『彼は孤独のまま精神病院に幽閉されて死んでいった。そんな人の言葉を不正確に訳して要約して売りさばいて「七〇万部だ」とか得々と言ってる。これはニーチェを搾取しているんですよ。やってることがナチスと同じです』(p.152)

2012-06-21 21:27:25
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

どうしようもない世の中。どうしようもないこの中で、「どうします?」と私たちに問いかけてくる佐々木&宇多丸さんら。『「命令くらいはテメーで考えろ」とは思う』…そうです。ニーチェを使って、なんか命令してやろうとするわけです。

2012-06-21 21:28:50
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

あのですね~、て、ここで佐々木先生の口調をまねするのは凄く失礼だと思うんだけど、この語りの身体じゃなきゃ説明できんから一旦借用しますけれどね、哲学者って、結論って出してないんですよ。これは結構間違われてることが多いモンでして、それは皆「提案」になっている。

2012-06-21 21:30:07
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

正に今しがた哲学者國分功一郎氏が、「こうできるよ、こうしてみてはいかが!君らにはこれが開かれている!」って言うワケですけど、これは命令じゃない。命令してたら、こりゃナチスですよ。そうじゃない、「こうしてみては」なんです。答えではない。

2012-06-21 21:30:53
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

でもなぜか世の中、答が求められてるていう状況でそれに対応して駄書を連発するわけで、そういう中に「超訳」が出てくるわけで。つまり、「ニーチェと言う偉大な有名人のファイナルアンサーだぜみんな買えよ」的なオーラ出まくりなんですよね。

2012-06-21 21:31:51
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

これは明らかに命令、搾取の意思が生み出す命令としての情報ですよ。これ、ボードリヤールに言わせればまさに、私たちの観念的行為(消費の事です)を促す意図ありまくりなものですよね。

2012-06-21 21:34:02
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

本来命令っていうのは、「責任が伴うはず」(P.153)だから、「本当の意味で「強い」」(同頁)人でないと、できない物なんですよ。そういう強い人のせっかくの言葉を、「「要約」して「情報」にする、つまり「命令」にするということが行われ求められている」(同)。そういう、そういう本。

2012-06-21 21:37:59
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

この辺読んでね、僕ね、ピーーーン、ときたのよ。「情報=命令」≠言葉。情報という名のゼログラムの無責任さ!「リアルのゆくえ」で、東先生の先輩である大塚先生がちょうど似たこと言ってて(メタ構造という話が批評家の逃げにならないか等々)ね。

2012-06-21 21:39:18
you-me @youme2525

世界という娯楽を、日本という娯楽を、もっと楽しみましょう。@L_O_Nihilum

2012-06-21 21:50:17
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

そう、以前僕も「ゴス条」批判でこんなようなことを言ってたような…「モデルを提示するのはいいが、提示するだけにして結局その手法を流行させる原因作ってんだよゴルァ!!自覚しろや!」ってことを、事実言ったことが在ります。どのまとめか忘れたけど、確かに言いました。

2012-06-21 21:54:51
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

佐々木「まったく同じ質問をされたことが在ります。その時、ぼくはこう答えた。「俺は浅原彰晃じゃないんだよ。俺が行ったらその通りにするのか?好きにしろ」って」宇多丸「そう言うしかないよね。」(P.154)

2012-06-21 21:56:36
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

おわかりいただけただろうか…。僕が今これらの言葉や本を比較した意味を…そう、批評家はまさに「情報」提示者なのです。

2012-06-21 21:57:26
you-me @youme2525

オレオレ詐欺が増えた理由に似たような話@L_O_Nihilum

2012-06-21 21:57:57
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

情報は表っ面、命令はしていないのですから(結論しかしてません)、それは誰向けに放たれたものでもない、研究用の一つに過ぎない。しかし、そのモデル提示が、例えば、出版社とか編集部の戦略のネタになっている。

2012-06-21 21:58:19