@salt_over うん、僕はこれが新しい形になっていけばと思います。本を書いたら、それで終わり、書店に並べてもらうだけ、ではなく。スポーツ選手も、ミュージシャンもやっていることを、僕たち作家だけが避けることもないかな、と。
2012-06-27 01:50:03@tsumugu_h その過去があったとしても、私は今のほんの少しだけしか知らないのかもしれませんが、私にとっては妻がいて子どもがいて、とても素敵な生活をしているように見えます。19歳、20歳なんて恐らくまだ若いほうで、人と深く関わっている経験(?)は少しうらやましい気もします。
2012-06-27 01:58:36@dormantcat 家人や子供のことを思うと、たまに怖くなります。あんなにひどい生き方をしてきた僕が……こんな光を得ていいんだろうかって。二十歳前後くらいのことは、いつか小説にするかもです。エッセイで書いたんですが、長編にしろというオファーを受けてるので。
2012-06-27 02:36:30@noserabbit_e よろしくお願いします。どんどん、言葉をかけてきてください。僕は言葉を惜しみません。隣にいる編集さんが口を押さえるまでは話します(本当にそうなりそうですが)。互いに学びましょう。小説は技術でもありますが、思いでもあります。そこを伝えられれば、と。
2012-06-27 02:38:40新刊の「ハチミツ」ですが、出版に至るまで、実に長い試行錯誤がありました。僕自身が迷っていたこともありますし、急速な社会の変化に、作品が置いていかれた部分もあります。
2012-06-27 02:39:58『ハチミツ』には、十七歳、二十七歳、三十七歳の姉妹が出てきます。杏、環、澪。世代によって、女性の生き方って、全然違ってきちゃうんですよね。たとえば就職氷河期かどうかって。
2012-06-27 02:41:20次女の環は、とても勉強ができる子で、有名大学に進学した。ただ、生き方が下手。就職時が氷河期で、しかもつまらないミスをしたものだから、優秀なのに派遣社員。
2012-06-27 02:42:40長女の澪は、上の女性総合職の頑張りすぎを見て、上手に生きている。男女関係も奔放。とても素敵な女性です。美人で、優しくて、気配りができて……けれどむなしさも感じている。こういう生き方の先に、なにがあるのか、と。
2012-06-27 02:44:49末妹の杏は、生まれたときが不況で、十七歳になった今も不況。厳しい社会が普通。だから野良猫のように生きるしかなかった。同時にタフでもある。戦場が日常(韻を踏んでみました)。
2012-06-27 02:46:56ほんの数年前まで、家族の崩壊と再構築は、文芸における主要テーマでした。ところが、そうではなくなりつつある。なぜなら、家族というものが、そもそも消えつつあるからです。
2012-06-27 02:48:51これは明日の講義でも述べると思いますが、四十才以下の未婚率は、ほぼ五十パーセント。グラフのラインは右上がりが続いている。今の状況が変わらなければ、ほんの数年以内に、親以外の家族を持たない人々が多数派になる。
2012-06-27 02:51:11都心を歩いていると、たくさんの若い人がいます。二十代から四十代。道を埋め尽くしている。けれど、その半数は結婚していないし、統計の通りに進むと、三分の一は子供を持たないままになる。
2012-06-27 02:53:45結婚しないこと、子供を持たないこと、そのような生き方を否定するつもりはありません。僕自身、ほんの少し前まで、決して結婚すまい、子供を作るまいと思ってきました。
2012-06-27 02:54:32ただ、それは少数派だから許されることです。僕は自らを異物として捉えていたし、だからイレギュラーでよかった。ところが、そのイレギュラーがレギュラーになりつつある。僕の友人の半分は、結婚していないし、子供もいません。
2012-06-27 02:56:05その問いに向かうため、『ハチミツ』を書きました。家庭の崩壊と再構築が、もはや小説のテーマにならないことはわかった。けれど、本当に人は「家族」「家庭」なくして、生きていけるのか。それが崩壊し、再構築もなされないとすれば、我々はなにをよりどころとするのか。
2012-06-27 03:01:08