ローマ、フランク、イスラーム #roma #islam

古代末期から初期中世における宗教と国家―ローマ・フランク・イスラーム― http://www.tscc.tohoku-gakuin.ac.jp/~euroorc/data/lecture_100703/index.html
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Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

今日の13:30から、東北学院大学で公開講演会「古代末期から初期中世における宗教と国家―ローマ・フランク・イスラーム―」が開かれます。面白そうなので私も参加します。http://bit.ly/cqOpBP #rekisinews

2010-07-03 11:54:15
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

今日は東北学院大学の公開講演会「古代末期から初期中世における宗教と国家―ローマ・フランク・イスラーム―」に行ってきました。しばらく、学会や講演会に行く機会がなかったので楽しかったです。

2010-07-04 00:06:01
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

長谷川宜之さんは、古代末期の司教アウグスティヌスが行った司教裁判を通じて、当時のローマ帝国では司教がローマ法に則り裁判を行っていたこと、元老院議員はアウグスティヌスを修辞学者として見ており、彼の宗教的権威など気にしていなかったことを示していました。

2010-07-04 00:10:49
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

それを通じて、司教や教会が古代末期のローマ帝国の行政の一部を肩代わりする従属的な立場にあったこと、ローマ帝国の行政は相応に機能していたと、旧来のローマ衰亡論に修正を促すと同時に、中世を通じて英雄視されたアウグスティヌスは、当時のローマでは「素朴な」人物だったと指摘しました。

2010-07-04 00:15:05
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

津田拓郎さんは、カロリング朝フランク王国では、世俗の全国組織が機能していなかったため、教会や司教が霊的な司牧だけでなく、世俗の業務にも携わっていた、つまりフランク王国は、教会国家、あるいは教会そのものだったと指摘していました。

2010-07-04 00:18:21
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

そして、カール大帝が、臣民を正しい信仰に従って生きるよう導くよう神から義務づけられているという理念を抱いており、王国全土で教会改革を行った。その実行は、皇帝から司教に出された勅令を通じて、全国組織である教会が担ったとのことでした。

2010-07-04 00:22:52
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

幼児洗礼や主日・祝日のミサ、四旬節の断食、十分の一税支払い、貧者への施しなどの宗教的ルーチンや大司教区-司教区-小教区などの教会組織も、この教会改革の頃から整備されていったそうです。

2010-07-04 00:25:25
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

異教的慣行はまだ残っていたとのことでしたが、近世でもこれをを排除しようと言う動きは一貫してありましたし、おそらく19・20世紀まで連綿と続いた試みだと思います。為政者が臣民の信仰や福利に責任を持つという理念も近世まで受け継がれますし、色々な原点がフランク王国にあると実感しました。

2010-07-04 00:30:13
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

亀谷学さんは、7-9世紀のウマイヤ朝時代にカリフという用語がいかに使われたかを精査し、カリフとは第一に「信徒の長」であったが、その他様々な称号が時々の政治的・宗教的状況に合わせて採用されていったことを示していました。、

2010-07-04 00:34:34
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

また、イスラーム法の主な法源はクルアーンやスンナといったムハンマドの死の時点で固定されており、原則的に立法の余地がないが、カリフなどムハンマド以外の人物の慣行もハディース集に残されていたようです。

2010-07-04 00:41:25
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

また、裁判権はウラマーから選ばれるカーディー(裁判官)が持っていたが、カリフが裁定を行った例も史料に見られるそうです。そのため、カリフは一定の裁判権を持っていたのことでした。

2010-07-04 00:42:23
くら @neurosnowblind

@saisenreiha 法にも順序があるんですよね、確か。

2010-07-04 00:44:03
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

全体を通じては、古代末期のローマ、初期中世のフランク王国、ウマイヤ朝のイスラーム世界では、聖俗ははっきり分かれておらず、政教分離が行われる国家形態は歴史的には自明ではないという事が繰り返し強調されていました。

2010-07-04 00:44:36
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

講演会が終わった後亀谷さんと少しお話しさせていただいたのですが、イスラーム研究は独特の大変さがあるとか、イスラーム研究ではまだ聖書学で行われているような文献学的な研究が十分進んでいないとか、イスラームは宗教改革をこれから行うのではないか等々、面白い話を色々伺うことが出来ました。

2010-07-04 00:48:12
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

古代衰亡論見直しはピーター・ブラウンから始まったようです。古代史では既にブラウンの説が主流になっており、最近その揺り戻しが起きているようです。昨年の昨年西洋史研究会大会でこのテーマのシンポジウムがあったので、秋に出る「西洋史研究」に載るはずです。 @NijiKarainbow

2010-07-04 01:05:39
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@neurosnowblind 順序は分かりませんが、最高の権威を持つ法源であるクルアーン、スンナ、イジュマー、キヤースという四つの法源があるようです。

2010-07-04 01:07:03
くら @neurosnowblind

@saisenreiha シャリーアはクルアーンとムハンマドの言行(ハディース)を慣行にしたスンナでしたか。キサースやハッド、タズィールは刑法でしたよね。

2010-07-04 01:15:56
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

東北学院大学のオープンリサーチセンターの公開講演会は、毎回色々なテーマで行われるのですが、一般の人向けなので、自分の専門とは違う話を聞きに行っても分かりやすいです。今日は気鋭の若手の方3人が報告と言うことで特に面白かったです。 @Hasesaki

2010-07-04 01:16:48
Tetsuya Nagamoto @saisenreiha

@neurosnowblind 今日の話ではそこまで突っ込んだ話はでてきませんでした。でも、利子が禁止なのに利子的なものを仕えるようにするためのヒアル(トリック・奸計)というテクニックがあると聞いて、面白いなと思いました。

2010-07-04 01:23:31
くら @neurosnowblind

@saisenreiha あ、イスラム銀行でしたっけ? 解釈に従ってはいるという。売春にも確か世俗結婚をさせて終った後で離婚をすると言うようなのがあった気が……。

2010-07-04 01:27:59