時代性と美術館
美術館のあり方について書いたブログ記事が意外と評判だったようで嬉しい限りです。ただ、僕の記事にいくら人気が出たところで、あれを美術館に関係する人が読み行動に移してくれなければ意味はありません。もはやどの美術館であっても「民間である」という意識が問われているのです。
2012-07-05 13:17:41これは美術館に限りませんが、公営の施設が今までと同じようにやっていて許される時代はもうとっくに終わっています。事業仕分け云々にかかわらず、来場者や来館者が減少傾向にあるのは誰だって分かってたはずですし、経済が落ち込んでいるのも誰もが知っているはずなのですが・・・。
2012-07-05 13:24:21そんな中でぬくぬくと生きていられるワケがないというのは民間の感覚が少しでもあれば気付けたはずです。それがこの状況になるまで何ら対策を講じることなくきてしまったのは、それにかかわる人たちのどこかに怠慢があったからだと言わざるをえません。
2012-07-05 13:28:20美術学芸員の方々は美術のことには詳しくても、美術館運営についての知識はほとんど持っていません。本来、学芸員とはそういうものなのでしょう。しかし、1つのことに詳しいというだけで仕事になった時代はもう終わったのです。
2012-07-05 13:32:47というよりも、学芸員の解説や美術館が「つまらない」のは、まさに美術のことしか知らない人間が美術を知らない一般人を相手に「美術は素晴らしくて当然だ」という態度で美術を解説・紹介するからです。それゆえに美術館の魅力が落ちてしまっていることに気付く必要があります。
2012-07-05 13:35:26今美術館がやらなければならないのは、美術に元々興味のある人間を相手にすることではなく、美術に興味の無い人間を呼び込むことです。であるならば、そこには当然、美術に関係ないさまざまな知識が必要になってきます。なぜなら、美術に関係ない分野から美術に関心をよせてもらう必要があるからです。
2012-07-05 13:40:34それを安易にアニメやマンガで補おうというのは考えが甘すぎる。どうせやるなら、展覧会中の作者解説をマンガで分かりやすく解説するとか、最低でもそれぐらいの工夫は考えなければいけないと思います。何年にどこで生まれてどこに留学して何を学んで・・・って、一般人はそんなもんに興味ないです。
2012-07-05 13:46:13美術館内にある作者解説がウィキペディアで調べられる程度のものならば、ウィキペディアをそのまま貼っておけばいいのです。その方が余程手間もコストも省けます。でも、そんなんだったらわざわざ美術館に来る必要もない。グーグルミュージアムで十分だ、という話になるワケです。
2012-07-05 13:49:18「実物を見ることに何の意味があるのか」、「美術館に行くことに何の意味があるのか」。美術館はこの疑問に対する答えを用意していなければなりません。普通の学芸員やアーティストならこう言うでしょう。「実物を見ることであなたの感性が磨かれるのです」と。
2012-07-05 13:52:12しかし、だとしたら「感性を磨くことには興味が無い」という人には何と言えばいいのでしょう?一般人が美術館に来る理由は「感性を磨くため」なのでしょうか?もしそうだとしたら、なんで有名な画家の展覧会ばかりが人気になるのでしょう?有名画家の作品だけが感性を磨いてくれるのでしょうか?
2012-07-05 13:56:37こういうことを自問自答することによってしか、物事の本質は見えてこないのです。本当に美術の素晴らしさをみんなに伝えたいと思っているならば、美術とはまったく関係ない分野の言葉で美術を何通りにも語り分けられなければならない。それが現代という時代なのです。
2012-07-05 14:03:23ブログ更新しやしたー。『国立国際美術館「リアルジャパネスク」・「コレクション展」にて ~美術館のブランド化~』http://t.co/50BKae8M
2012-07-26 09:25:09ブログ更新しましたよー。『国立国際美術館「リアルジャパネスク」・「コレクション展」にて ~現代美術との付き合い方~』http://t.co/oTZkoegV 今回は発言が少し過激です。まあ炎上するほどじゃないと思うけど。
2012-07-27 08:52:22