朝日新聞 消費者情報 (asahi_lifestyle) さんの扶養控除と子ども手当について

朝日新聞　くらし報道 @asahi_lifestyle

杉）扶養控除の廃止が話題になっているので、扶養控除と子ども手当について、これまで取材してきたことを交えながら、書いてみたいと思います。

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手当と控除・１）民主党が当初掲げていた「控除から手当へ」という方向性について。本来は、民主党が丁寧に説明すべきだったと思いますが、必ずしも国民には伝わっていなかったと思います。

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手当と控除・２）ご存じの通り、日本の所得税（所得にかかる国の税金）は累進課税で、所得に応じて高くなり、５％～４０％まで６段階あります。所得控除は、税額を計算する前に差し引かれる金額です。

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手当と控除・３）１５歳以下の年少扶養控除は、３８万円でした。課税総所得が１９５万円超３３０万円以下の税率１０％の家庭では、年間３・８万円の「子育てへの給付」があり、課税総所得が１８００万円を超える家庭では、年間１５・２万円の「子育てへの給付」があったということになります。

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手当と控除・４）つまり、扶養控除は、高所得者に大変有利な制度だったというわけです。さらに、そもそも所得が課税ラインに届かない家庭では、扶養控除の恩恵はゼロでした。

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手当と控除５）１６歳以上２３歳未満の特定扶養控除は６３万円もありましたから、最高税率のお金持ち家庭では、年間２５・２万円の「子育てへの給付」がありました。一方、非課税世帯では、中学生以上には児童手当もありませんでしたから、「子育てへの給付」は何もありません。

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手当と控除・６）私が十数年前に社会保障の担当だったころ、国の社会保障審議会の全委員にアンケートをしました。多くの委員が、「扶養控除を廃止して児童手当を充実させること」を望んでいました。

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手当と控除・７）名前は児童手当でも子ども手当でもいいのですが、子育てに一律の手当を出すことは、控除より公平になるという長所があり、欧州でも所得制限のない子育て手当が一般的です。

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手当と控除・８）では、所得制限はどうでしょうか。子ども手当の導入が決まった時に、夫の年収が１千万円で子ども５人を育てているご家庭を取材しました。当時の児童手当は、所得制限でもらえていなかった家庭です。児童手当はありませんでしたが、子ども５人分の控除はありました。

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手当と控除・９）しかし、最終的に、扶養控除が廃止され、児童手当の所得制限が復活してしまった今、この子ども５人を育てる年収１千万円の世帯には、「子育てへの給付」がゼロになってしまいました。

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手当と控除・１０）「年収が１千万円あれば、児童手当がなくてもいいだろう」と考える人もいると思います。ただ、同じ年収１千万円で子どもがいない家庭と子ども５人を育てる家庭が、同等の税金を負担する。これが、社会的に公正だと言えるのでしょうか。今回の「子ども手当」をめぐる政争の結末です。

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杉）なぜ、こんなことになってしまったのか。ある民主党の議員によると、「民主党の中でも、女、子どもの問題に関心のある議員は少ない」とのこと。子ども手当にしても、結局、正確なことは一部の議員しか理解していなかったのではないか、と私は思います。

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ありがとうございます。本来は新聞で丁寧に書きたいのですが、税制を説明するのが行数を食ってしまうので敬遠されます。 RT @maririanne この一連のツイート読んで、やっと理解できた。　"@asahi_lifestyle: 杉）扶養控除の廃止が話題になっているので（略）