ヒッグス関連私的ノート

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🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

これはどうしてかというと、力を伝えているグルーオンとか光子とかが短時間、短距離のあいだに粒子反粒子に変わる効果で力が遮蔽されたり強められたりするから。

2012-07-07 11:39:32
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

素粒子の相互作用は低いエネルギーで調べると、何の規則性もないようにみえるけど、高いエネルギーで調べるとお互いの間の関係がみえてきて、「ゲージ対称性」がみえてくる。ほんとの素粒子の相互作用は高い対称性をもっているんだけど、低いエネルギー(つまり遠くから)眺めているとわからない。

2012-07-07 11:43:06
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

一方で、僕らが実験でみているヒッグス粒子の質量変数って 100 GeV 程度のもの. するともしもGUT scale の 10^15GeV の量のものが100 GeV(つまり 10^-11 % 動いただけで、素粒子の世界が全くちがったものになってしまう。

2012-07-07 14:08:34
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

神様がGUT スケールのパラメーターをちょっとだけ動かしたら、粒子の姿がまるで変わってしまうというのは理論的にはとても不気味なことで、ある人はこれを朝おきたら鉛筆がすました顔で机の上にとんがったほうを下にして立っているような状態、と表現した。(Nature だったかな。)

2012-07-07 14:10:17
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

もちろん鉛筆は短いあいだったったら逆さま向けにたってられるかもしれないけど、朝教室にどたどた入ってきたら鉛筆が逆さにたっていて近づいていっても倒れなかったらかなり不気味だ。

2012-07-07 14:11:53
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

まともな人だと、これはなんか仕掛けがあると思うーーつまり、僕らの扱えるエネルギースケールで実験して得た結果から組み立てた素粒子標準模型というのは「なんかおかしいところが」があって、これをなんとかしてくれるような新しい相互作用とか理論とかあるはずだっつう。

2012-07-07 14:13:36
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

GUT ってさっきかいちゃったけど、力が一つになるスケール「大統一理論」(GUT=Grand Unified Theory) が実現されるスケールのことね。

2012-07-07 14:14:55
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

(GUT を信じなくても重力が強くなるスケール 10^19 GeV が本当の理論と思って計算をしても結果は同じ。業界向け:2次発散は引けばという人がいるが、超対称性という2次発散がない理論にまずいって、そこでSUSY scale を大きくとると2次発散がちゃんとみえるので)

2012-07-07 14:18:46
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

で、何がいいたいかというと、ヒッグスが見つかったらおしまいというわけじゃなくて、ヒッグスがある理論って何かおかしいところがあって、まだ他の素粒子があるんじゃないかな、LHC でそれが探せるんじゃないかな、って期待しているっていうこと。

2012-07-07 14:21:02
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

ヒッグス粒子ってのは普通の粒子で粒子同士が衝突すると作られるし、作られると崩壊するよ。実験的に探すことができる。RT @tsatie: 基本的な事かもしれないけど、ヒッグス粒子って粒子自体は時間が変わっても変化しないの?位置は変化するの?

2012-07-07 14:22:12
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

ヒックス粒子が質量をつくるっていう一般的にやる説明がよくなくて、粒子に質量をうみだしているのは真空期待値。@tsatie さんなら数学でいっちゃっても大丈夫だからいっちゃうと 普通の素粒子が運動量 p をもってると exp (-ipx ) っていう波動関数になるんだけど、

2012-07-07 14:24:01
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

Higgs 粒子ってのはまず真空期待値 v っていう時間が変わっても変化しない数があって、ヒッグス粒子というのはそのv についてる揺らぎ。つまりHIggs 粒子に対応するHIggs 場ってのは v+ exp(-ipx ) みたいな @tsatie

2012-07-07 14:26:09
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

で素粒子の質量 m ってのは湯川結合 y と higgs の真空期待値に比例するの m= y v @tsatie

2012-07-07 14:26:54
前野[いろもの物理学者]昌弘 @irobutsu

ヒッグス「粒子」の方だと普通に「粒子」なんで位置も運動量も変化するわけですが、「質量を与える」だの「ゲージ不変性を破る」だのをしているのはヒッグス「場」の真空期待値で、こっちは(すくなくとも今の宇宙では)場所にもよらず時間変化もしてない、と考えていいと思います。@tsatie

2012-07-07 17:20:46
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

いや、質量はどの粒子にもあるけど、ヒッグスの真空期待値でコントロールされてる。真空期待値が0だと0"@spiral_f1: ヒッグス粒子だけに質量があるという発想がよく理解できません。現代物理も練金術時代に戻った感があります

2012-07-07 18:55:35
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

量子力学って、何でも確率になっちゃうじゃないですか。「ここにいる」かどうかは確率でしか決まらない。「このスピードで走ってる」かどうかも確率。それじゃ,今どういうエネルギーもってるの、って聞かれたら,えらいすみせん、確率は分かってるんで、今期待値だしますね、って @Yam_eye

2012-07-07 20:10:07
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

で、ヒグス場の期待値を「なにもない真空」で計算したのが真空期待値。ヒッグス場の真空期待値が0でないっていうのは、ようするに何も粒子がなくてもヒッグスはその値ってこと。もちろん、他の粒子があってもその値。@Yam_eye

2012-07-07 20:12:29
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

標準模型だと、質量はヒッグス場xなんかの数(粒子の種類ごとに決まっている)なんだけど、それの期待値を計算すると、<ヒッグス場の期待値x数> になる。なんかつまんないこういうの?@Yam_eye

2012-07-07 20:15:18
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

ヒッグス場の運動方程式を調べると、場の0のところは不安定で一番低いところは0じゃないところにある。この図の右みたいな感じ。こういう場所にビー玉おいたら、一番低いところに落ちるよね。http://t.co/BmNSqDj0 @Yam_eye

2012-07-07 20:17:44
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

あ、この図で横軸はヒグスの値ね。縦軸はポテンシャル(位置エネルギーみたいなもん)ほんとは、2次元なのでこんな形になる。ワインの瓶の底。0 のところに置いとくと落ちるよね、普通は。http://t.co/7JKjo6dJ

2012-07-07 20:20:13
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

ヒッグスさんは重たいものが好きでそれにくっつくから重くなるとかいうのは、説明としては一番最低で、(まあテレビだったらしょうがねーかみたいな)ヒッグス場はどんな粒子がきても値は決まっているし、密度の偏りとかもできない。だいたい動いたりしない。どこにいっても鉄板で同じ値。

2012-07-07 20:23:22
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

測れる量は「期待値」だけど、値がふらつかない「決まった値になる期待値」もあって質量は普通はきちんと決まる量。ヒッグスの真空期待値もちゃんときまります。。RT @Yam_eye: 質量や電荷そのものも確率的にしか表現できないってことですか?

2012-07-07 20:34:02
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

逆に期待値だから、真空の相転移(ヒッグス粒子がポテンシャルの一番低いところに落ち着くこと) がおこる前は0だったりするわけですね。温度が高いときはポテンシャルの形が違うので真空期待値は場の値が0のところにある。@Yam_eye

2012-07-07 21:08:48
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

(そりゃ場の4次より上は繰り込み不可能だからと思ったがそれを説明するには大学院の授業で2回分必要なのであった。。)

2012-07-07 21:24:09
🐱野尻美保子(1) @Mihoko_Nojiri

うーんと全うな理論だとそういう高次の項っていうのはすごく大きな量で割り算されてないといかんのです。RT @ken_kusaka: @Mihoko_Nojiri 高次の成分は先ほどのグラフの形に大きく寄与していないということでよいのですか?

2012-07-07 21:30:53
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