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電子書籍の「印税」について

出版って大変だな~…… ※私はazukiglgさんのツイートをまとめただけなので、まとめ内容に関する質問などをされてもお答えできません。ご了承下さい。
経済 電子書籍
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加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
著者が1冊の本を書いて初版で得られる収入(印税とする)を100万円だとする。昔はそこらへんが大体の目処でした。業界の慣習で、著者印税は頒価の1割前後。ここでは1割とする。つまり、著者印税1割で初版分で著者に100万円渡せるくらいが、概ねの基準でした。慣習的な。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
まあ、これは、バブル期や今の出版不況期、ベテランと新人、イラスト多めのラノベ・児童書と文字きつきつの小説などでは微調整される話なので、概ねの目安だと思って下さい。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
224頁の上製本が1500円だとする。一割で著者の取り分は150円。100万円分の著者印税を確保するには、6666部必要。以前はそのくらい刷ってたと思うけど、最近の上製本は確か3000部くらいからスタートするものも珍しくないです。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
ソフトカバー、ノベルズは1000円くらいのをよく見かけます。電車男とか嫌韓流とかだいたいそのへん。これで、1割で100万を確保するには、1万部必要になります。上製本より7割くらいの安さになるけど、1.5倍程度の読者数が必要になります。安くなれば買う人がそれだけ必要になります。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
文庫本は昔はページ数少なめで単価も200円前後のものがあったけど(ミニ文庫じゃなくて、もっと大昔の話)、最近は224頁くらいで600円前後。人気BL作家だと300頁くらいで500円台なんてのもありますが、これは「規模の経済」という奴。今は初版部数が全般に減ってるのでそんな安くない
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
文庫本600円として、著者取り分は60円。初版で100万円確保するには、16666部必要、ということになります。1000円のソフトカバーより、さらに1.5~6倍。人数で+6666人。上製本と比較して+1万人の読者が余計に必要、ということになります。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
もし、電子書籍を文庫本の半額300円で出すとしたら。仮にこれが従来の慣習通り印税1割だったら、33333DL必要になります。文庫の倍の「読者」が必要、ということです。ただ、電子書籍の印税は紙の書籍より高めに設定されていることが多いです。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
AmazonDTPは確か「著者印税70%」を掲げてた気がする。最終的にどうなるかはともかくこれで計算すると300円で出したとして、著者取り分は210円。つまり、4761DLあればよい、と。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
つまり上製本1500円の1/5の値段で売っても、上製本6666人の70%くらいの売れ行きで同じ売り上げが確保できることに。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
とかいうと、「いいじゃんいいじゃん、電子書籍ウハウハじゃん!」という気がしてくるんだけど、こっからが色々難しい(^^;) まず、AmazonDTPの70%って設定は、「ただしAmazonで販売する価格は、他の類似同業各社の全ての頒価より最低の価格設定でなければいけない」。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
また、僕としてはこっちのほうが気がかりなんですが、現時点では電子書籍のDL販売数っていうのは、紙の本の販売数よりも、2桁以上売れない。例えば、1万部紙で売れてる本は、電子書籍だと100部くらいしか売れない。若干極論気味ではありますが、感覚としてはこのくらい。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
これにはいろいろ原因が考えられて、ひとつは「刊行済み電子書籍の認知度の低さ」。僕は共著も含めて既刊50冊以上は本を出してると思うんですけど、そのうちの1/3以上が電子書籍になっているにも関わらず、僕の長年の読者の方々も「電子書籍になってることそのもの」を知らないと思います。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
次に考えられるのは、「電子書籍を読める端末を持っているユーザーの少なさ」が大きいです。紙の本を既に持っているから電子書籍版は要らないって人も一定数以上いると思いますけども、上製本→文庫→電子書籍がそれぞれ「可処分所得の異なる別の読者層で構成されている」とするなら、
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
電子書籍のみを購入する層の中にも一定の人数がいるだろう、とは思われます。実際、全く売れてないわけでもないので。ただ、それでも現時点ではその「電子書籍でなら買う」という人数規模が文庫本よりも遙かにちっちゃいわけですよ。桁が2個違うくらいには。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
電子書籍が文庫本の1/2の価格で普及するためには、文庫の2倍の【読者の人数】が必要であるというのは、さっき雑な試算をした通り。もしくは、著者印税を引き上げる必要があります。が、これは「著者の稼ぎを確保するとしたら?」に限った話。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
従前より繰り返しているように、本というのは著者の草稿だけがあれば成立するわけではなくて、編集者や校正、デザイン、書影イラスト、挿絵、写真、営業、宣伝と色々な専門家の手を経て「製品」になるわけで。一部の携帯小説などではそれを省略することでコストダウンしてます。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
が、誤字が増える、微妙に読みにくい、その他の瑕疵と引き替えになります。そこまで瑕疵があるものだったら、お金を出す気にならないという人も増え、これまた売り上げが抑制されてしまうので、あんまり質は下げられない。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
著者が7割も取ってしまうと、そうした「草稿を製品にする、それを販売するための労力」に掛かるコストが捻出できなくなります。もちろん、著者自身が超人wで、校正もデザインもイラストも宣伝も販売も金管理も全部できるんであれば、著者が全部取ってイイと思うけどそういう人は希有(^^;)
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
そういう「周辺コスト」を贖ってるのが出版社なんだけど、出版社の取り分というのを計上していくと、紙に刷らない電子書籍の場合も、「著者の印税だけを基準に価格設定・割合設定」をするのは難しい、ということになっていく。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
著者の取り分1割で見ると、出版社の取り分は確か3割前後、印刷費が1割前後、半分が取次で、取次の取り分から小売店の売り上げ、出版社の取り分から編集経費が出る感じ。正確な内訳は各社、または本で違ったりするので省略。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
電子書籍では印刷や搬送といった取次の作業がなくなるけど、編集や宣伝が不要になるわけじゃない。また、取次と小売店を兼ねたストアサイトの取り分が結構でかいので、実は全体の価格設定としては、そんなに安くもできない気がする。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
日本には出版エージェントはほとんどいないし、ペーパーバックと文庫は色々違いますしねえ。あと、読者の人数(市場規模)も結構違う RT @reisacker:あのamazonの設定は、作家には出版エージェントがいて、レイアウトは流しこみでいいペーパバックを前提としている気がしますね。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
電子書籍を出して行くに当たって出版各社も印税率とか色々悩んでると思うけど、それらを総合して考えても現状で電子書籍が文庫より安い値段で十分な「収益性のある商品として成立する」ためには、結局「読者の母数を増やす」しかない。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
が、「多少高くても購入意欲のある人を6千人集める」のと、「安かったら買ってもいい人を3万人集める」のとだと、実は、6千人集める方が容易だったりする、という。安かったら、という人は同じ価格で別の娯楽や選択肢があったら、そっちに行っちゃう可能性が高いので(^^;)
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg
「高くても買う!」という、例えば上製本を必ず新刊で買うような上得意は、1500円が1800円でも買ってくれるけど、600円が300円になったら買ってもいいかな、という人は、実際に300円になると「100円なら買ってもいいかなあ」と言い、100円にすると「タダなら読んでもいいよ」と
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コメント

加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月11日
似たような話を去年も一昨年もその前もしてるんだけど、未だに「電子書籍は安くすれば売れる」とか「出版社はなくてもいける」という主張が出る。今更だけど、「紙の書籍の場合は?」という比較対象については、折に触れてしないといけない話なのかもしれなひ。
TAKAMAGAHARA @SILVER_CAP 2012年7月13日
客は常に「安くしろ」「品質を上げろ」「早く済ませろ」以外の主張はしないもんです。ネットさえ繋がればどこででも購入出来て嵩張らず、しかも端末に数百冊格納できる利点を持った電子書籍が、紙媒体よりも安くて当然という発想がそもそもおかしい気がしますが。
うにら @riafeed 2012年7月13日
クレジット以外のまともな課金方法が確立するまではネットのサービスは無料が当たり前の世界だっし、確立ている今もデータ(プログラム含む)のダウンロードだけの購入は安価なことが多いのでそういう発想になり、そういう要求がされるのはむしろ当然だと思う。実際のコストなんて客は知ったことではないし。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
.SILVER_CAP 電子書籍が紙より安くて当然の理由は「コンテンツのみなのだから」で、電子書籍に金を払いたくない理由は「コンテンツしかないのだから」。電子書籍とはいえ、媒体が変わるだけで内容(コンテンツ)の価値は変わらないはずなんだけど、値引き材料になる「見栄えや質感やデザイン」が伴わないものは無価値と言われてしまう。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
そのくせ、印税の話になると「著者の取り分だけ確保されればいいのだから、総額は安くても困らないはず」と言う。「本」というパッケージを作る見えない専門家の専門性の強い仕事や、それらを配布するためのインフラのコストは、たいがいカウントされない。つまり、インフラコストや「名前がクレジットされない仕事」に対する評価が極めて低いのが原因だと思う。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
.riafeed 「ネットのサービスは無料が当たり前だった」というのも、これも同様で「インフラコスト」に対する不理解と、「実際には支払っている」ことに気付いてないってことだと思う。そして「実際のコストなど知ったことではない」という意識の多い客しか集められないものは、産業としては魅力がなくなるので、提供者側がビジネスとして立ちゆかなくなる。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
従来、本というのはローコスト、ローリソースな娯楽の提供するものだった(日本では)。が、それらの本来のコストは高い、特に目に見えない維持コスト、インフラコストの費用が理不尽だと考える人が増えていくなら、品質が高くて安価な娯楽商品としての「本」が安定流通することは難しくなっていく。出す側も「それで食えない」ならビジネスにならないから撤退していく。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
もちろん、「ビジネスで食えない奴がいたって知ったことか。野生のプロ、プロ以上のアマチュア、手弁当のスペシャリストはいっぱいいるし、代わりなど幾らでもいる」という意識の人はいるだろうし、「提供されるものが減るなら、同じ条件でタダで遊ばせてくれる他の娯楽に移ればいい」という人も多数だろう。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
そうなるとどうなるのかというと、最終的には人件費(人を食わす)という部分にしわ寄せがいくんで、中韓印辺りの安価な娯楽を、安いという理由でチョイスし、それが当たり前という時代が来るんでないかと。もっと言えばそういう選択肢か出来ないほど可処分所得が小さい社会というのは、当然「娯楽に金を割くゆとりが内」ということなわけで、社会にお金回ってないので、我々は娯楽を選ぶ余力も資格もなくなってると思う。
加藤AZUKI@「忌」怖い話卒哭怪談 @azukiglg 2012年7月14日
実際、「一番安上がりな娯楽は、うまくやってる奴を妬んで正義の怒りで引きずり下ろすこと http://togetter.com/li/328422 」みたいな風潮は既に始まってるので、その意味では「娯楽に金を掛けない風潮」が行き着く先は、なんとなく暗喩されてるようで、ちょっとイヤン。
うにら @riafeed 2012年7月14日
いまさら客の意識を変えることなど不可能なので、そういう娯楽の行き着く先はもうなるようにしかならないと思うが、少なくとも電子書籍を書籍のバリエーションの一つまたは書籍の延長として売ろうとする限りは未来はなさそうなのはなんとなくわかる。
うにら @riafeed 2012年7月14日
なのでこんなにコストがかかるんだから高いのは当然と言ったって誰も買ってくれないので、このコンテンツはこれだけ出す価値があるんだと思わせるしかない。あるいは出してくれる少数にとことん特化するか。
quajzn @quajzn 2012年7月16日
無料で電子書籍端末配れば、大々的に普及するかもしれませんねえ。
ゲッター・ショーン @GetterShown 2013年1月19日
最後にkoboに関する予言が的中w
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