Twitter漫画夜話 〜漫画家育成にかかる手間とコストについて〜

漫画家の松田未来氏が、2012/07/10(火)24:00からニコニコ生放送で流された「徹底討論 <出版物に関する権​利>は是か非か」 ( http://t.co/bLtNMlol ) の視聴中にTwitter上で「本当の意味で新人育成に手間とコストをかけている出版社ってどれだけあるんだろう…」と呟いたことから議論が始まりました。
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松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

徹底討論 <出版物に関する権​利>は是か非か http://t.co/bLtNMlol まだ始まってないので今のうちに入場を(笑)

2012-07-11 00:07:19
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

本当の意味で新人育成に手間とコストをかけてる出版社ってどれだけあるんだろう…単に編集さんがネームを見るってことだけが育成なのかな?

2012-07-11 01:28:49
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

会社にできるのは賞金額アップとデビュー人数枠の拡大、増刊の発行。数千万では足りません。育成は個人の名人芸です。 RT @macchiMC72: 本当の意味で新人育成に手間とコストをかけてる出版社ってどれだけあるんだろう…単に編集さんがネームを見るってことだけが育成なのかな?

2012-07-11 01:51:06
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

チョット補足。例えば、新人がデビューしても書く枠がないと飼い殺しになるので、増刊を作る。本誌が好調なら、5万部から10万部に部数を積めるとして、年に4回の季刊雑誌とする。定価はワンコイン500円といきたいが、薄くても辛い。雑誌は基本赤字なので、制作原価が2500万~5000万円。

2012-07-11 02:04:36
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)季刊なので年に4回の発行だから、年間1億から2億の金が必要。で、新人中心の増刊とはいえ、読者を呼び込むベテランや中堅の看板作家が必要で、これらの連載が単行本になって利益を生むのは1年後。掲載した新人が好評で、連載抜擢しても単行本化はだいたい増刊の創刊から2年後。

2012-07-11 02:08:47
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)これはすごく良く回って、という注釈がつく。季刊の増刊は目立たないし、少なくとも隔月の増刊にして回さないといけないが、そうなると必要経費は1.5倍に。よほど余裕がある出版社でないと、体力的にキツイことがわかるだろう。中堅・弱小は勢い、編集個人の危機感と情熱に頼るしかない。

2012-07-11 02:11:55
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)賞金額アップも望めない、投稿者の絶対数が大手の10分の1とか30分の1の出版社は、編集個人が投稿してきた作品の、わずかな可能性を汲み取って、声をかけネームを見てアドバイス。そんなの当たり前だと思うかもしれないが、投稿者を全く見なくても給料は変わらないのだ。

2012-07-11 02:16:41
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)そうやって、投稿者を辛抱強く面倒見て、残業して、育てても、会社はそんな評価はしない。同期のやつより残業代が多いじゃないか、減らせと編集長にお叱りが。組合を脱退することで編集長になったようなクズ野郎がトップだと、お怒りごもっともと、会社に尻尾をブンブン振る…らしい(笑)。

2012-07-11 02:20:12
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)けっきょく情熱のある編集は、自宅の電話で地方にいる投稿者と打ち合わせして、電話料が月に10万円を超えるような事をして、ようやく担当についた20人ぐらいの中から、一人か二人、デビューとなる。運が良くても4人ぐらいか。でも、その中でヒットを飛ばすのは更に少数。

2012-07-11 02:23:38
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)運良く、弱小出版社にしては中ヒットに恵まれると、ある日「いやぁ、実は●●社から声をかけられまして」と言われる。そこで「裏切り者め」「あんたに育ててもらった覚えはない」と大喧嘩になるか、キミにもチャンスだからと快く送り出すか。後者なら送り出した編集は、干される。

2012-07-11 02:28:54
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)当たり前だ、会社に利益をもたらす金の卵を送り出しちゃったんだから。下手したら左遷。最初からウチはB級雑誌で、発掘した新人がよそで飛躍して、たまに里帰りしてくれればいいという鷹揚な雑誌は、そんなに多くない。ここら辺はの内情は、鈴木みそ先生の『銭』の奥村編集長の話も参照の事。

2012-07-11 02:33:10
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)もちろん、ほとんどの作家さんは、損得感情よりも、編集との個人的な付き合いで執筆している人が多数派だ。だから、担当が動けば作家も動く事が多い。たとえ、自分が不利になっても。実は、そこも含めて前近代的な義理人情の世界なので、出版社と作家の関係はややこしい側面もある。

2012-07-11 02:39:07
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

承前)中国嫁日記のように、本当に徒手空拳で、作品のクオリティだけで売れたものもあるので、編集や出版社の存在意義ってあるのか、と思われる方も多いかもしれないけれど。そこらへんについては『ぽけまん』座談会でそのうち俎上に挙がりますので。 http://t.co/KQUMYLmK

2012-07-11 02:44:03
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

補足)会社に睨まれてまで、めんどくさい新人発掘するより、大手の売れっ子作家に擦り寄って土下座して、引き抜いた方が手っ取り早いし売り上げもデータからある程度は予測できる。新人の初版1万部を2万部にした編集より、50万部作家を引き抜いて10万部売った編集の方が、会社の覚えもめでたい。

2012-07-11 02:55:49
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

@mogura2001 バックアップも一種の育成と捉えることは出来ないかと考えました。新人の原稿料とか。

2012-07-11 02:00:43
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

原稿料も「慣例」印税も「慣例」…根拠の無いものが時代の変化に対応できないのはアタリマエのことだよなあ。

2012-07-11 02:10:17
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@macchiMC72 そこら編に関しては、個人的に思う事もありますが、具体的数字を出さないと語れないし、具体的数字を出すのは業界的にマズイので。ただ、これからは原稿料固定制度と印税変動制度が必要かな、とだけ。慣例を壊し、欧米のようなオプション契約が必要でしょうね、

2012-07-11 03:00:43
松田未来 コミティア146 C50b 「翼駆人アラン 第Ⅵ章」 @macchiMC72

@mogura2001 導入は難しいし、新人や立場の弱い作家さんはその恩恵に授かれそうにないですね。特に印税変動制は不利なだけになるような気がします。ところで原稿料固定制度ってどんなのでしょうか。

2012-07-11 03:03:56
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@macchiMC72 印税変動制は欧米のように12%(ここ大事)から最高36%程度まで印税を柔軟に設定。原稿料固定制度は新人もベテランも一律の原稿料に固定し、作品のジャンルや利益の形態によってオプションをつけ最低収入を確保する形態です。原稿料の相場は、中から見ても変でしたから。

2012-07-11 03:13:32
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@macchiMC72 現実問題として慣例の10%どころか、新人は8%だ6%だって中堅や弱小の出版社はゴロゴロありますからね。ただ、ベテランの高額な原稿料が負担になってるのも事実だし、原稿料が普遍性がないのも事実。ゴネる人が上がって淡白な人は据え置くとか。なら一律は選択肢かなと。

2012-07-11 03:22:39
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

ちなみに、原稿料固定制のオプションって、大相撲が意外と参考になる。十両以上の在居場所数や、地位に応じた加給、金星や銀星による加給など、細かい数字が決められている。最大差が1.5倍ぐらいの範囲に収まるような、加給のシステムはあっていいかな。まぁ、ここら辺は答えは出ないでしょうが。

2012-07-11 03:29:11
STORYBOX Comics @storybox_kr

@mogura2001 毎回勉強させていただいてます(汗)。漫画翻訳という上澄みだけを掠め取ってきた身なもので…

2012-07-11 02:20:28
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

@storybox_kr あくまでも大雑把な数字ですし、制作原価はブラックボックス化してる所も多いので、わかりやすく切りのいい数字にしてるだけですので。ひとつ言えるのは、赤松先生はケンカのやり方がとても上手い、と。自分にこの政治力があったら…。

2012-07-11 03:04:14
喜多野土竜 ⋈ @mogura2001

ん? またフォロワーがパタパタと増えてるな。昨夜のつぶやきが原因かな? でも内容的には鈴木みそ先生の『銭(正確には正字体)』1巻がよほど詳しいですよ。もちろん漫画としても面白いですし、アニメ業界のネタはいろんな意味でグッときました。 http://t.co/B0yDnI3F

2012-07-11 17:44:25