恋火の魔神解体ショー⑥(しかにあ)

解体というより悪ふざけになっててごめんね。 少女というのはいつだって無邪気なものなのサ   なーんちゃって。
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かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu いきます!ツィーク先生お願いします!!ざっくりシチュ→ラスボス戦終わった後。場所地上、時間は夜で。ニタミのことが気になって内心そわそわしていたらなんだか見知った気配に似た気配(※魔神の気配)を感じたので見てみたらランプが置いてあるのに気づきました。→ #シカニア

2012-08-01 21:33:10
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu →誰かが、もうひとりここにいるような気がする…。そう思って振り返ると、月明かりに輝くランプがひとつ。「こんな所にランプなんて置いてあったのか…?」不思議に思ってそのランプに手を伸ばす。 #シカニア

2012-08-01 21:33:57
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 約束が交わされた夜。少し考えたいことがあって、宮殿の外に一人にしてと頼んでいた。紺よりも深い青の世界、そこは少し物寂しくて、優しくて。ふっと気配を感じて顔をあげると、美しい銀髪の髪の青年がランプ越しにこちらを見ていた。――どこか、知っている面影。→#シカニア

2012-08-01 21:37:00
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 少し、意地悪しちゃおうかしら。そうしたい気分なのだ。思いきりランプの壁を叩き、音をたてた。どうせあちらから自分は見えない。少しくらい遊んでもらおう #シカニア

2012-08-01 21:37:43
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu ランプに手を伸ばそうとしたその時、ランプがひとりでにガタガタと揺れ始めた。「!?」つい伸ばしていた手を引いてしまう。風も無い、地も揺れていないと言うのにそのランプだけがまるで内側から誰かが叩いているかのようにガタンガタンと揺れている。→ #シカニア

2012-08-01 21:47:17
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu →「…誰か、いるのか?」普通だったらそうは思わない。けれどここ最近の不可思議な出来事の数々を思い返すと、ランプの中に『何か』がいても不思議ではないと思えてしまう。…根拠はないが。 #シカニア

2012-08-01 21:48:03
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 綺麗な顔が驚きに染まるのをみて、おもわずくすくすと声にだしてしまったが、誰だ、との声に驚いたのはこっちだった。誰、といった?「誰でしょう?――ってあなたも私の声なんて聞こえないんでしょう?」 #シカニア

2012-08-01 21:52:24
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu ランプからくすくすと笑い声が聞こえた。幻聴か?そう思った矢先、今度はより正確にランプの中から声が聞こえた。この感覚は、以前にもあった。そう、それはあの軽やかな風の魔神サブアと出会った時と同じような……。「…聞こえているよ」ランプに向かって一言 #シカニア

2012-08-01 22:01:06
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji ! しっかりとした答えに、興味がわいた。ランプの口からちらちらと火の粉を散らしながら、青年の前に姿を現す。「あらあら、面白い方ですこと」真っ直ぐに前を見据えると、どうにも、雰囲気に覚えがある顔立ちだ。「ええと、どこかでお会いしたかしら銀色さん?」 #シカニア

2012-08-01 22:06:39
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu ランプから現れたのは、鮮やかな炎のような色の髪をした美しい少女。根拠はない、けれど何故か確信めいたものはある。彼女はきっとサブアと同じ『魔神』だ。少女はじっとこちらを見る。「初めまして…かな。君と似た雰囲気を持つ知人ならばいるけれどね」 #シカニア

2012-08-01 22:13:15
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 「うふふ、あなたも魔神にあったことがあるの!最近は少なくないのね、――いろいろあったもの」銀色にさらりと流れる髪のどこかから、やわらかな風の気配を感じる。彼女だろうか。「あなたも、夜のお散歩かしら」星でも見に来たの?今日はことさら綺麗よと続ける #シカニア

2012-08-01 22:20:15
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu 「そうだな…力強い風で背を押してくれる、明るく優しい魔神にね」ころころと笑う魔神の少女に釣られてふと微笑む「ああ、無性に星が見たくなってね」 #シカニア

2012-08-01 22:28:42
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 「あなたはすごく優しそうな目をするのね、夜が好きなの?」隣にならんで、青年の視線の先を見る。夜空に輝く無数の…「違うわね、星が好きなのね。ただ好きというより、何か思いれでもあるのかしら?」 夜にさまよいたくなるのはふわふわ考えたくなることがあるものだもの #シカニア

2012-08-01 22:31:14
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu 思い入れがあるのと聞くその瞳は炎のように鮮やかだ。炎の瞳は私が見上げる満天の空を見る。星を見ると考えるのは決まって星の輝きを持つ彼女のことだった「ああ、星を見ているとね、温かい気持ちになれるんだ」彼女の微笑みを思い出すとこちらまで温かい気持ちになる #シカニア

2012-08-01 22:40:13
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 「温かい気持ち?こんなにシカニアの夜は冷たいのに?あなたも指先が凍えてしまうのではない?」口元だけゆがめて、幸せそうな笑顔を見上げる。銀色の髪に緑の色彩、背恰好 おや、と記憶を、美しい黒髪の女性がよぎる。いや、そんなまさか…… → #シカニア

2012-08-01 22:44:33
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 「こんなに冷たくて暗い夜ですもの、ちーっぽけな星明かりなんて消し飛んでしまうこともあるんじゃなくて?」 ねえ、 #シカニア

2012-08-01 22:45:21
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu 冷たくてちっぽけな星空と魔神の少女は言う。確かに、この鮮やかな炎の前には、満天な星空も箱庭の中の小さな灯にしか見えないのかもしれない。けれど私にとっては、→ #シカニア

2012-08-01 22:53:32
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu →「…ちっぽけではないよ。どれだけ冷たい夜でも、私はこの星空が繋いでくれるものの温かさを知っているからね」この星空の下には、誰かがいる、人々の営みがある。そしてその人々の中には、きっと彼女も… #シカニア

2012-08-01 22:54:34
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji すっと、青年の手をとる。汚れていない、綺麗な手だ。これは、街ではなく、もっと上の。「たとえば」 遠くを見つめる目に映る誰か、そう、きっと誰かだろう。「この手をとって、この冷たさを温めてくれる誰かが、あなたにはいるのかしら?」 #シカニア

2012-08-01 22:58:06
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu 少女は私の手をとり問う。その手は炎のように熱いのかと思ったが、存外熱くはなかった。この手を温めてくれる誰か…とは、どういうことだろう?信頼できる仲間だろうか?「信頼できる仲間ならばいるよ」言ってふと思う。彼女は仲間だけれど、何か『特別』な気がして…? #シカニア

2012-08-01 23:07:33
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji ぷっとふきだしてけらけらと笑ってしまった「ああ、ごめんなさい。あなたは仲間と一緒に手をつないで星を見るの?面白い冗談ね」 顔をぐっと近づけて、オアシスを思わせる瞳を覗く。その奥に、何かが見えた気がしたから。→ #シカニア

2012-08-01 23:10:47
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji 「この寒さを、手をつないで、体温を分け合って、それでも大好きなそれを、一緒に見たい人がいるのでしょう……?」 #シカニア

2012-08-01 23:11:44
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu けらけらと笑い出したのを見て、漸く自分の返答が的を得ていなかったのだと気付く。その瞳に炎の輝きを宿してこちらをじっと見る魔神の少女が問いたいのは、きっと仲間がいるかどうかではない。→ #シカニア

2012-08-01 23:42:56
かのえ軟水🥳✍ @khiji

@yotsuyu 美しいと星空を、共に寄り添って見たいと思える相手…、 「共にいたいと思える…相手…?」それは独り言に近かった。問われた先にある温かい感情が何なのか、自分でもよく分からなかったのだから。 #シカニア

2012-08-01 23:45:21
ヨツユ🌸 @yotsuyu

@khiji たとえば、とさらに言葉を繋ぐ。「あなたが一緒にそれを見たい相手は、あなたより小さいのかしら、おおきいのかしら」「どんな色の色彩を持つのかしら、髪や瞳。どんな顔立ちかしら」「触れた掌の温かさは、耳にすべる声音は」 そして、どんな言葉をかわすのかしら。→ #シカニア

2012-08-01 23:50:04