- Maza_Milenaria
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解説はやたらと『インセプション』を引き合いに出しているがせいぜいが『シャッターアイランド』であって、すなわちオチが些か安易に過ぎる。このまとめ方なら時間空間の描写を目に見えてゴチャゴチャにするのは手の内を明かすようなもの。そしてラスト2Pが蛇足。 - 『完全なる首長竜の日』読了。
2012-06-14 23:15:22無駄を極限まで削ぎ落した文体は吉村昭の真骨頂と信ずるが、これはいくらなんでも削りすぎでぶつ切れに見える。同時期に書かれた『白い航跡』ではそう感じなかったので、中編を文芸誌に一挙掲載という出自のせいか。宮古湾海戦の小説は珍しいのでちと勿体ない。 - 『幕府軍艦「回天」始末』読了。
2012-06-10 23:02:57ミステリ系ラノベとして初めて読んだ本の一つであり、自分にとって評価基準にもなっている『本格推理委員会』。あれがラノベレーベルから出ていれば、デビュー作で終わる作家になってはいなかったんじゃないかなどと惜しみながらふとググれば、去年7年ぶりの第二作が出ていた。マジかよ。
2012-06-08 00:30:15最近妙にミステリ系ラノベが多くなった気がするが、「探偵・犯人」の構図が「勇者・魔王」の構図に次ぐものとして扱われ始めたということなのか。しかし『本格推理委員会』のラインに達していない作のなんと多いことか!
2012-06-08 00:24:43シリアスの中にギャグを織り交ぜたミステリ仕立てのラノベ、と。結構結構。しかしそれならばシリアスに映えギャグで輝きミステリに耐えうるキャラ造形がなくてはならないが、残念ながらそれを欠く。もっと面白くなるポテンシャルはありそうなのだが勿体ない。 - 『名探偵は推理しない』読了。
2012-06-08 00:16:53やはり「最後の最後に驚きのラスト!」と煽りながら売るのはこういう点で感心しないなと思いつつ、フィニッシングストロークがテーマと公にしながら、その最後までをきっちり読ませる力があった『儚い羊たちの祝宴』は凄かったんだなと。もちろん「読ませる」かどうかは好みに左右されるのだけども。
2012-06-03 20:21:37フィニッシングストロークの質の高さは解するが、既に作品全体の雰囲気に対して不快感が澱んでいたために「いいよ別にどういう風に終わっても」と思ってしまっており、面白さを素直に感じられず。B面開始直後の違和感からある程度ネタが読めてたのもあるけど - 『イニシエーション・ラブ』読了。
2012-06-03 20:18:34『オルキヌス 稲朽深弦の調停生活』が実質打ち切りエンドとなった寂寞の中で出会った"調停"のラノベ。趣向は異なりシリアス&大スケールだが、風呂敷広げる前に消えた小説の後には相応しい。磨けばより一層輝きそうな"青い宝石"。存分に続いてほしい。 - 『調停少女サファイア1』読了。
2012-05-26 02:15:47足りないものもあれば、無駄と思えるシーンもあり。キャラクター造形演出もいま1.5歩くらい。全体的に見て「嫌いではない」けど、「嫌いではない」以上のものではない、か。解決策はよかったけどラストはもうひとひねりほしかった。 - 『MIB』読了。
2012-05-20 22:12:50まともに事件が起こるまでに210頁、そこから探偵が真相に気づくまで80頁という点だけ見ればひどくアンバランス。でもその210頁において読者を作品世界に引きずり込む力があるのなら、アンバランスどんとこい。歪み方が徐々にクリアになってきて続きも楽しみ。 - 『まごころを、君に』読了。
2012-05-20 19:33:35自分にとって「局所解」みたいな小説で、多分どこを微小にいじってもこれより面白くないものになるのだろうと感じる。シリーズ2巻となると待ってましたとばかりに新キャラを出す手法は本来好きじゃないが、この姉妹関係は新しくて面白い。 - 『子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき』読了。
2012-05-13 14:24:22既読作が面白かったシリーズの次巻を積んでおくことの利点は、ダメな本を読んだときにすぐ口直しが期待できることである
2012-05-12 21:52:53父と幼馴染を殺した仇と対峙しているというのに驚くほどの緊迫感の無さで、これはチューリングテストしたら不合格になりそうな敵キャラの所為か。主人公には超人的記憶力があるが別に活かされているわけではない。ジャケ売りするような時代小説はやっぱりあかんか。 - 『囮なめくじ長屋』読了。
2012-05-12 21:49:35面白い面白くないではなく、「無い」としか形容できないような小説。もし味のない綿菓子というものがあればこんなものであろう。 - 『ありすさんと正義くんは無関係ですか?』読了。
2012-05-12 21:34:30トリックの質の高さを演出で損なっている気が。青砥さんがネタキャラ化していくことについては好みの問題としても。もう少しト書きでの心情描写を削って、風景だけで心理を浮かび上がらせるような描き方をしてくれればと勿体なく思う。ホラー畑の人であることだし。 - 『鍵のかかった部屋』読了。
2012-05-11 21:04:10まあマイナス点挙げれば挙げられるということだけど、割と良心的な部類の本だとは思う。『鉄道ルート形成史』とかいう2,500円の誤植の山に比べたら。
2012-05-09 02:20:36『鉄道地図 残念な歴史』の残念な点:突然口語体が割り込むことがある。「脅威」と「驚異」の取り違え。しばしば現れる「こうあるべきだった」論。鉄道会社は常に路線を廃止したいと思っているかのような書き方が一か所。何よりタイトルのつけかた。 - 『鉄道地図 残念な歴史』読了。
2012-05-09 02:17:06破局的展開が怖くて先を読むペースが鈍るシリーズもあれば、どうしたところで円満解決するのは目に見えているので購入即読みできるシリーズもある。今回は後者。どちらが良いかと訊かれても困る。どちらかしかないことは不幸せだ、としか。 - 『オール・マイ・ラビング 東京バンドワゴン』読了。
2012-05-05 12:14:54「GA文庫のミステリー系」ってだけで一定水準以上のものを期待してしまっていたのだが、その根拠は『月見月理解の探偵殺人』が面白かったというだけだと気づく。サンプル数1の予測モデルなぞ論値であるとは研究室で学んでいるはずである。サンプル数は2に増えて何の予測も立たなくなった。
2012-04-28 18:51:41これは後々面白くなるんじゃないかと思わせておいて最後まで裏切られ続けた感じ。ミステリーかと思わせておいて、人智を超えた人間がより人智を超えた人間に制圧されていくのを見るだけに終始。口直しに適した正統派なものを積み本から探す。 - 森田陽一『双子と幼なじみの四人殺し』読了。
2012-04-28 18:48:17ドラマで柴咲コウが演じた女刑事・内海薫は『容疑者Xの献身』にはまだ登場しておらず、映画版ではあまり出しゃばらないように配慮がされていた。第二長編の『聖女の救済』では最初からメインキャラクターなので映画化しやすそうだが、151pのなかなか印象的なシーンはそのままでは使えなさそうだ。
2012-04-22 10:39:42東野圭吾という作家は文章は然程上手い方ではなく(読みづらいものを書かないのは美点)、読中しばしば引っかかるところがあるが、常に一定水準を満たす東野作品の中でも特にクオリティの高いものはそれが気にならない。ガリレオシリーズの長編はいずれもこれが当てはまる。 - 『聖女の救済』読了。
2012-04-22 10:33:33