@sweets_shocho さんが語る、思春期、悩み、他者との繋がり、薬物乱用、孤立、自殺

まとめました。
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@sweets_shocho

主観の押し付けは、いかなる援助においても百害あって一利なし。

2012-08-15 17:29:13
@sweets_shocho

主観の押し付けが、善意に基づくものであればあるほど、他者の苦悩は増幅する。それは、他者に「気遣い」という行為をさらにさせてしまうことによる。

2012-08-15 17:36:45
@sweets_shocho

思春期臨床では、初診時のこどもたちに「悩みはあるか」と問いかけても、「別にないです」と即答されることが多い。これは、悩むこと自体を「恥」と思う価値観が思春期に表面化するからである。思春期のこどもたちは、悩んでいるなんて暗いと思われる、知れたら孤立するなどの思いが錯綜している。

2012-08-16 09:07:58
@sweets_shocho

「悩んでよい」という価値が置かれている場では、思春期のこどもたちは少しずつ語りだす。「明るい」ことが最も価値あることという場では、悩みを回避またはないものとみなしてしまう。最も回避したいのは「孤立」であるから。

2012-08-16 09:13:56
@sweets_shocho

悩みなどない、と診察中は一点張りだった思春期のこどもたちは、ふとした瞬間に悩みのかけらを落としていく。診察を終え、診察室から出ていく際に、私に聞いてほしいかのように「あ~あ、学校めんどくせ」と漏らしたりする。診察に来るたびに、少しずつ、ポロポロと、落としていく。

2012-08-16 09:17:31
@sweets_shocho

こどもが悩みのかけらを落としていった時には、「そっか」と返すのみにしている。ここで「○○したらどう?」と提案などすれば、思春期のこどもたちはもう、かけらを落としてくれなくなる。

2012-08-16 09:20:53
@sweets_shocho

思春期臨床は、特に初学者は、思春期特有の難しさのためか、言語能力の未成熟さや自我機能の脆弱さなどという心理学的側面にアプローチしがちになる。それよりもまず、こどもたちに「悩んでもよい」許容空間をつくってあげること。見くびってはいけない、思春期のこどもたちは結構話せ、伝えられる。

2012-08-16 09:38:58
@sweets_shocho

悩みの許容空間では、思春期のこどもたちならではのことばで、一生懸命伝えてくれる。「超うざくないっすか学校の先生って?」「友達関係めんどいんだけど・・・」耳を傾ければ次々とかけらを落としてくれる。

2012-08-16 09:41:39
@sweets_shocho

「あの人は強いよね」とか「私は強くないんで...」など時々耳にするが、このような人を強弱で評価することに、強く違和感を覚える。その基準は何ですか?弱かったら価値はないのですか?

2012-08-16 10:02:30
@sweets_shocho

思春期の若者が悩んでいる時に、相談するところは身近で気楽に行けるところがよいのは当然のこと。医療機関受診の敷居が下がったせいなのかは分からないが、失恋の相談まで医療機関に紹介されるのはちょっとヘンじゃない?

2012-08-16 14:01:50
@sweets_shocho

もちろん、相談内容が失恋であっても受けます。でも、社会生活の中で解決していってほしいと願う。逆に、今の社会は問題を未解決にしたままでも、それに慣れてしまっている。昨今はやはり「悩み事=相談機関」という風潮なのだろうか。

2012-08-16 14:05:27
@sweets_shocho

思春期になると、同年輩との親密な関係を築くことが重要になってくる。関係を築きつながり続けるための手段の手軽さ、PC,スマホなどを個々が所有する時代であり、離れていても常に繋がっている感覚を持てる。その繋がりを確認するための手段として、昨今は覚せい剤などの薬物の使用が増えている。

2012-08-16 16:53:31
@sweets_shocho

友人に勧められて始めた、という覚せい剤乱用の少年らは多い。覚せい剤使用の目的は、つらい状況からの刹那的な脱却、やせるため、など個々の理由が多かったが、最近は「断ったら嫌われる」「ハブにされるかも」「裏切れない」など、「クスリ」が他者との繋がりを保持する位置づけが目立つ。

2012-08-16 16:58:00
@sweets_shocho

「パクられるより切られる(排除される)ほうが嫌だった」とまで話す薬物乱用・依存に陥ってしまった少年らの話。常に、強烈な孤立感に押しつぶされそうであった状況を物語っている。

2012-08-16 17:00:26
@sweets_shocho

薬物に耽溺してしまった少年らに「クスリ、絶対止めようね」と説いても、そんなことは十分わかっている。違法である覚せい剤をやめなければいけない、しかし、やめるということは、仲間との繋がりを断つということでもある。薬物をやめるには「孤立すること」が条件、ということなのだろうか。

2012-08-16 17:05:09
@sweets_shocho

若者の薬物乱用の背景の一つとしては、「繋がり」と「孤立」が鍵となっているような印象を、特に最近強く感じるところである。人と人が「クスリ」で結ばれているという、悲劇的な関係性。

2012-08-16 17:10:30
@sweets_shocho

重大な過失を犯すと、その後は何を話しても伝えても信用されない。そりゃそうだろうと思った人は、見事なまでに強者の論理に巻き込まれている。

2012-08-16 19:57:27
@sweets_shocho

強者の論理とは、自らは決して裁かれることはない立場である、というのを前提としている。

2012-08-16 20:01:32
@sweets_shocho

万能感に満ちた思考に基づく行為、決定。「いいから言うことを聞けばいいんだ」強者の論理の根幹は、服従を強いる関係構築。

2012-08-16 20:03:51
@sweets_shocho

万能感とはどこから引き出されるのだろうか?人には潜在的な支配欲が存在しているようだ、ということを身にしみて感じている。いかに、自らを取り巻く環境がその欲を刺激したり、または抑制したりするのかということを日々知る。

2012-08-16 20:07:47
@sweets_shocho

中年になり突然反社会的行為が頻発したり、時に犯罪行為に至る場合は、若年性認知症発症の可能性は念頭に置いたほうがよい。

2012-08-16 20:10:48
@sweets_shocho

若者の自殺。「死にたい」というよりも「消えてなくなってしまいたい」という気持ちであること。自殺という手段をとったら、家族に絶対迷惑がかかる、死んだあとまで嫌な思いをさせたくないという気持ちで思いとどまっていたりする。

2012-08-16 20:19:42
@sweets_shocho

こどもの自殺について、消えてしまいたい衝動に駆られているこどもたちは、とにかく追い詰められていること。行き止まりにぶち当たってしまっていること。世の中に何も期待していないこと。信じることとは裏切られること。

2012-08-16 20:24:23
@sweets_shocho

「長生きしたくない」と語るこどもたち、それは、虐待、いじめなど、深刻な心の傷を負ったこどもたち。積極的に自らの寿命を縮めることはせずとも、延長は全く望んでいない。それは、やはり、この世に何も期待することがないと確信してしまっているからであろう。

2012-08-16 20:28:56
@sweets_shocho

若者の自殺については当然深刻な話だが、診療上「カラオケボックス的に、生きていくのを1年延長しても悪くはないと思う」などと伝える。「死ぬな」ではなく「生きるのをちょいと先延ばししていい」というメッセージを伝えるほうが響く。止められるより後押しするほうが、若者には響く。

2012-08-16 20:33:22