岡田ぱみゅぱみゅ @kettansai さんによる『疫病と世界史』下の概要について

岡田ぱみゅぱみゅ @kettansai さんによる『疫病と世界史』下の概要についてまとめました。 前回のものは以下です。 岡田ぱみゅぱみゅ @kettansai さんによる『疫病と世界史』上の概要について http://togetter.com/li/354654
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🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

実は、こんにち「ライムジュースはオレンジとかと比べて効果薄い」と分かってるのだが、当時オレンジは供給難しく、西インド諸島産のライムが安く大量に調達できるという事情があったらしい。

2012-08-27 00:17:53
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

また、当時「軍医」は、普段は町で開業してる医師が戦時だけ召集される形だったが、これを常設の専門家にしたのがナポレオン。入隊時に新兵全員に種痘(天然痘ね)接種するなど。ゆえにフランスは、どこでも進軍できた。

2012-08-27 00:21:42
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

しかし海にはライムジュースを満載にした英国海軍が居た、ってわけだ。

2012-08-27 00:22:44
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

実は、ジェンナーさんの「種痘」、これはオリジナルの発案ではなく、トルコの民間療法として一部で実施されていた。さらに中国では、なんと11世紀の時点で「天然痘を染み込ませた綿を鼻に詰める」というワクチンが。

2012-08-27 00:26:41
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

しかし、これらには多分に呪術的解釈が付随しており、言うたら「欧州において近代医学としての手法が確立された」と。

2012-08-27 00:29:27
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

もう1つ、近代の功績と言える物が「最近感染の発見」である。顕微鏡と近代国家、体系的な近代医学の体制確立で、ようやく発見できた、人類の大いなる飛躍である。

2012-08-27 00:32:11
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

伝染病は「衛生環境が悪いから説」と「細菌が飛び交うから説」があり、衛生環境を改善すると蔓延防げたり、細菌感染にしては接点の無い奴が感染したりするんで、細菌説不利だった。

2012-08-27 00:35:58
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

今になれば「直接接点なくても、水とか蚊とかネズミとかノミとか…」と判断できるが、当時は分からんかった。

2012-08-27 00:37:34
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

でも、コッホやパスツールや北里柴三郎や滋賀潔や野口英世がいろいろ発見しちゃったから「ああ、こりゃ細菌だわ」と分かったんだ。

2012-08-27 00:40:20
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

なお、クリミア戦争では赤痢を中心とした「病死」が、「戦死」の十倍。ボーア戦争でも五倍。しかし僅か二年後、日露戦争の日本軍では「病死」は「戦死」の四分の一だった。まあ、たくさん戦死したのが一因でもあろうが、チフス、天然痘、破傷風などの予防接種を全員が受けてたのだ。

2012-08-27 00:46:30
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

ゆえに日露は、来たるべき第一次大戦への貴重な戦訓となった。集団行動をとる軍隊において伝染病を防ぐ事は、戦う以前の課題なのである。

2012-08-27 00:49:13
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

なお、マラリアに効くキニーネは、アマゾン原産の「キナ」という樹から作られ、オランダがインドネシアで生産し世界に供給してたが、第二次大戦時に産地を日本に奪われ、各国慌てまくったらしい。他の対策見つけたようだが。

2012-08-27 00:53:34
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

なお、英国では19世紀ごろ「細菌感染とか、ありえないでしょ…船の隔離検疫なんてルネサンス期の遺物。衛生環境次第なんだから隔離検疫なんて要らんし、経済活動に害悪だし、人道にも反する」な意見が有力だったそうな。

2012-08-27 00:57:38
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

あと、コレラやペストの感染記録と思われる記述を見ると、ヒンドゥーの巡礼ルート、ムスリムの巡礼ルート、英国海軍の寄港地、などで順々に拡がったりしてるそうで。エジプトが「メッカ行く奴は種痘受けろ」と義務付けて以降、そのルートでの感染記録が一気に減ってるらしい。

2012-08-27 01:08:01
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

などなど、色々ありつつ、人類が存在する限り、疫病と世界史の関係は続いていくでしょう・・・・・・・・という内容の本でした。

2012-08-27 01:08:38
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

こういう「壮大な人類史の謎に挑む系の本」にありがちな、よくわかんねぇ点も多々ある。ペストがインド発祥だとしても、モンゴル帝国以前に周辺との交流なんて沢山あったわけだし、たとえばチャンパーみたいに海上交易をバンバンやってる人らはどうだったんだとか・・・

2012-08-27 01:12:09
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

新大陸が伝染病の猛威に晒されたのは疑いようもないが、それ以前に、新大陸の農作物(家畜はゼロと見ていい)だけじゃ人口維持できず、土壌の流出や塩害も起こりまくってたようで、病気だけで屈服させたわけでもなかろうし、ローマ帝国も交通拡大で疫病に晒されはしたが崩壊の主因とは言えんやろ、等。

2012-08-27 01:16:59
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

等、ツッコミを入れつつ楽しく読めました。

2012-08-27 01:17:28
偐紫頭巾 @FalsePurpleHood

ライ病患者の様な不必要に隔離された例については言及されていませんか? @kettansai

2012-08-27 01:08:59
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

ハンセン病は「なんか知らんが、ペスト・チフス・結核などの記述が歴史書に多くなった頃から、あんまり出て来ない」との事。筆者は「ハンセン病は他の物より濃厚接触が必要。病原菌同士のシェア争いで負けたんじゃね?」的な説を唱えてました。

2012-08-27 01:21:04
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

一要素として、ペストで人口減りまくる前、人口比の樹木や毛織物が不足してたと。ところが人が死にまくり、一人頭の供給量が増大した記録があるので「毛布の共有とか、寄り添って寝るとか、そういうのが減ったんじゃね?」との事です。近代でも起きてるから、必ずしもそうと言い切れん気もするが。

2012-08-27 01:24:20
🦐岡田ぱみゅ富美男🦐 @kettansai

なんかアレらしいぞ、白人は「天然痘患者が使った毛布」をインディオに贈呈してたらしいぞ。ほっとくと全員死ぬんだってさ。

2012-08-27 01:36:15