歴史和解と歴史研究

直接対話していない人のツイートも入っていますから、必ずしも会話ではありません。少し時系列をいじっています。
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小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

.@jyonaha どうもありがとうございます。もしかすると、「既存の和解」はいとも容易くそのかたちを得たと思われてしまうのかも。でも、そんなことは、ぜ ん ぜ ん な い ん で す よ ね。 書き出すと長くなるので稿を改めます(笑)。

2012-08-27 00:27:59
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

@jyonaha 1点だけ。「真の和解」とは何かという問いかけは、非常に真摯なものに感じられるかもしれませんが、現在おこなわれている「和解」への取組を、「偽りの和解」として退けるディスコースにもなります。むろん前後の文脈しだいなのですが。経験的にですが、おもしろいのは、続

2012-08-27 00:45:19
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

@jyonaha 「真の和解」という問いかけを頻繁にするのは、学者間では、日・中・韓の研究者に集中しています。あくまでも経験的にですが、欧米(英・独・仏・米)の研究者は、とくに英独仏は、こういう問いかけの前に「和解」への実践がすでにあります。経験論ですが、非常に興味深く、続

2012-08-27 00:49:23
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

@jyonaha かつ、たとえば日独の過去との取組についての対照年表を作成してみると(参考 『過ぎ去らぬ過去との取り組み』岩波書店・巻末年表)、それが顕著にあらわれてきます。興味深いです。

2012-08-27 00:52:15
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

@jyonaha 以上、私の経験からの印象を述べました。「学者間では」という限定フレーズを、最後に強調させてください。被害を受けたかたは、「和解」にさいして、つねに「和解とは何か」という問いかけを、自他をとわず真摯になさっておられるからです。あくまでこれも経験論ですが。

2012-08-27 01:02:41
與那覇潤(Yonaha Jun) @jyonaha

ご丁寧なご教示恐縮です。学者に限らず「応援団」が選手より熱くなって試合を壊してしまうような現象、避けたいですがこの地域では起きがちとの念を強くしました。領土問題も同様の構図と思います。RT @nobuko_kosuge 「学者間では」という限定フレーズを、最後に強調させてください

2012-08-27 09:39:21
Ninja DAO | CryptoNinja @CryptoNlnjaNFT

「真の和解」って、何だろう?国家間のみならず、個人間でも想定し難いような気がするけど。

2012-08-27 09:43:11
與那覇潤(Yonaha Jun) @jyonaha

個人的には、「1 互いの認識の相違」や「2 和解することによって得られる実利への打算」が1%でも混じるとダメ、という含意で使われる気がします。 @nobuko_kosuge RT @kankimura 「真の和解」って、何だろう?国家間のみならず、個人間でも想定し難い気がするけど

2012-08-27 09:54:06
ryo @issengorin

「戦争責任」系の研究者はだいたい「政治的和解」の動きに批判的なわけだけど、それは恐らく「和解の主体」としての日本政府の態度を全く信頼していないからだろう。実際、「和解」と称して、これまでに明らかになった史実を無視もしくは否定したり、被害を極端に過小評価したりする可能性が高い。

2012-08-27 11:08:28
ryo @issengorin

なので、政府の思惑とは無関係に、国際政治の分析として「和解」の道筋を論じている論者についても、「裏の意図」や「政治的に利用される恐れ」を見てしまうところはあるだろう。本当は区別すべきなのだろうが、現実にはうまくいっていない。

2012-08-27 11:13:36
ryo @issengorin

ただ、「和解」論を受け止める場合に、当該問題に関する歴史研究やジャーナリズムとは一線を画した「政治的な物語の創造」であるという意識は必要だろう。「和解の物語」が、歴史研究や報道の自由を制限する圧力になってはならない。

2012-08-27 11:18:17
ryo @issengorin

「戦争責任」系の歴史研究者の場合、「アジア女性基金」の惨劇を想起してしまうところがある。大沼さんたちの初発の意図はわかるのだが、現実の「和解」ラインがあまりに日本政府寄りで、慰安婦の募集や売春強制の実態認識が学術的に正確かどうかも怪しかったわけで。

2012-08-27 11:23:42
ryo @issengorin

なお、ここでいう「学術的」には、つくる会などの修正主義的プロパガンダや、秦さんの新潮選書などでの見解は含まない。前者は論外として、後者は学術的に見て史料解釈の手続きや客観性に問題が多く、日本側を免責するための「結論ありき」の研究と見なされる。

2012-08-27 11:30:06
ryo @issengorin

あの当時の空気として、吉見さんたちの学術的な見解がプロパガンダ呼ばわりされて、秦さんたちのほうが学術的・客観的であるかのような空気が流れていたわけで、そんな中で「和解」に乗れるわけがない。

2012-08-27 11:35:42
ryo @issengorin

歴史問題に関するマスメディアや一部政治家・官僚の姿勢が当時と大して変わっていないなかで、「政治的和解」の試みにどこまで期待できるかというと、正直疑問だろう。想定される「和解の物語としての歴史」と「学術的な物語としての歴史」のギャップが大きすぎるのだ。

2012-08-27 11:39:04
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

.@jyonaha @kankimura 木村先生が示唆なさっているように、和解はもともと個人の内面にかかわる問題で、そうでありながらなお困難なものです。ある人が自分に悪いことをした、でも別離ではなく、一緒にいることを選ぶ/選ばざるをえない時、渋々でもしなくてはならないものです。

2012-08-27 11:43:04
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

@jyonaha @kankimura 和解はもともと個人の内面の感情にかかわる問題です。しかし、現代社会においては、それが国家・国民・民族といった集団の営為としても取り組まざるをえないがゆえに、よりいっそう困難で複雑な課題になりうるんですよね。続

2012-08-27 11:46:23
ryo @issengorin

ドイツのように、政府が「戦争責任」や「人道に対する罪」について修正主義に走らないという信頼感があれば、「政治的和解」への印象もだいぶ変わって来るんだがな。

2012-08-27 11:49:51
ryo @issengorin

「竹島」問題についても、韓国側の背後にある「日本の植民地責任を問う」という問題意識に、日本政府が向き合えなければうまくいかないだろうし、個人的にもそこを欠いた「和解」を支持する気にならない、というところはある。

2012-08-27 11:54:05
Ninja DAO | CryptoNinja @CryptoNlnjaNFT

一部から「韓国の竹島/独島教育について詳細に教えて欲しい」という依頼が。でも、残念ながら「竹島/独島教育の全般」について知っているわけではないので、対応できないよなぁ。こういうのは、韓国の人に実際に聞いてみたほうが良いと思う。教育の現場がわからないとわからないことも多いからね。

2012-08-27 11:55:43
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

.@jyonaha @kankimura 個人と個人(あるいは集団)の和解の問題への取り組みと、集団と集団間の和解の問題は、ゆるす主体が異なるわけですから、本来、あきらかに、解法が異なってくるはずなのです。しかし現実世界では、與那覇先生が示唆なさったように主体そのものにゆらぎが…

2012-08-27 11:56:46
ryo @issengorin

植民地責任の問題と帰属の問題が切り離せない以上、帰属の部分だけの「解決」や「和解」は不可能だと思う。「植民地責任」についての政府レベルでの明確な「韓国側が納得できる和解ヴィジョン」が不可欠。国内のコンセンサス作りが大変だが、そこで「英断」できない限り、和解は長続きしまい。

2012-08-27 11:58:37
ryo @issengorin

戦争責任系の論者も、民衆レベルでの「和解」の動きを否定はしないだろう。ただ、特定の「和解の物語」だけが政治的に利用される可能性や、政府や一部政治家、マスメディアが「和解」をブチ壊してきた歴史を踏まえれば、政府レベルでの「和解」がマトモなものになり得るかを焦点化せざるを得ない。

2012-08-27 12:05:08
小菅 信子 Nobuko M KOSUGE @nobuko_kosuge

.@jyonaha @kankimura たとえば「慰安婦」問題にあきらかなように思うのですが、ゆるす主体がどこにあるのか(誰にあるのか、でもいいです)、私は問いたいです。それほど強く、「慰安婦」問題は、いくつかの「物語」のなかに囲いこまれているのではないでしょうか。続

2012-08-27 12:25:34
Ninja DAO | CryptoNinja @CryptoNlnjaNFT

「許す主体」と「許してもらう主体」ですね。QT @nobuko_kosuge: .@jyonaha たとえば「慰安婦」問題にあきらかなように思うのですが、ゆるす主体がどこにあるのか(誰にあるのか、でもいいです)、私は問いたいです。

2012-08-27 12:30:01