『バ・カ・ン・トの7月11日の静かな道程』作:古川日出男
2010年7月11日にVACANTで行われた『ワンコインからワンドリップ』 CDリリースセレモニーで古川日出男さんが2時間でカップに書き下ろした物語。
thecoffeegroup
@1C21D
75.だから合唱したんだし、合唱させるんだ。こんなにも静かに。僕は空っぽのバカントから静かな歌声の、1万のブレンドで世界を満たす。(完) #1C21D
2010-07-11 17:58:04
thecoffeegroup
@1C21D
66.そして7月11日。これは何回めの会社設立記念日だろう。いよいよ僕は32歳になる。なぜかそれが、僕バカントの大切な日だとわかった。 #1C21D
2010-07-11 17:47:00
thecoffeegroup
@1C21D
64.それは手で書かれる歌詩だから、ここには書き写さない。それは皆で合唱する社歌だから、歌詩は宙にとかす。 #1C21D
2010-07-11 17:45:33
thecoffeegroup
@1C21D
57.それは普通だったら呪いのはずだけれど、僕バカントのそれは祝福だった。なにしろ空っぽを満杯にしたものを世界に与え直してるんだから。 #1C21D
2010-07-11 17:35:36
thecoffeegroup
@1C21D
56.軌道に乗った。僕は24歳になるし、25歳になるし、もう26歳だ。会社の壁と床に、僕は時々手や、裸足の足裏をつけて、コーヒーを塗る。コーヒーに彩らせる。 #1C21D
2010-07-11 17:34:30
thecoffeegroup
@1C21D
55.バカント・インク。それが僕の会社の名前で、株式会社で、従業員数は11名。11人もいたんだ。そして設立記念日は7月11日。軌道に乗る。 #1C21D
2010-07-11 17:32:52
thecoffeegroup
@1C21D
54.僕は他人に使われるのをやめて、起業することにした。(あの楽隊のメロディが、そんな決断の背中を押した。) #1C21D
2010-07-11 17:31:40
thecoffeegroup
@1C21D
52.耳はどうだろう。僕の柔らかい右や左の耳をテーブルにつけると。ああ。卓上にコーヒーの跡だ。そして、音符だ。 #1C21D
2010-07-11 17:30:23
thecoffeegroup
@1C21D
51.その20歳の2日めから23歳までの間に僕は、両の手の平をガラスに付けてもコーヒーがにじむことを発見した。やっとこの事実に気づいたんだ。やっと。 #1C21D
2010-07-11 17:23:50