かおるさとーさんの『氷菓』#20 解説

6
かおるさとー @kaoru_sato

かほさんが廊下を行ったり来たりしています。話を聞いてみると、なんでもアルバイトの子が誤って鍋をひっくり返してしまい、甘酒やら団子汁やら作り直しになってしまったとか。手伝いを申し出ると、着物姿なので料理の手伝いは断られますが、代わりに簡単なお遣いを頼まれます。またお遣いです。

2012-09-08 22:54:49
かおるさとー @kaoru_sato

蔵から酒粕を取ってきてほしいとのことで、奉太郎は稲荷の傍にある納屋へと向かいます。閂には特に鍵はかけられていないようで、あっさり外して中へと入りますが、酒粕らしきものは見当たりません。明かりもついていないので、物を探すのには骨が折れます。

2012-09-08 22:56:16
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんの言葉を受けて、ようやく自分の勘違いに奉太郎は気づきます。ここは「納屋」で、目的の場所は「蔵」。社務所を出るときからずっと勘違いしたまま来てしまったのですが、寒さに気を取られて思考停止に陥っていたのかもしれません。

2012-09-08 22:56:33
かおるさとー @kaoru_sato

そのとき、不意に外から「開いてるぞ」と声がして、次の瞬間嫌な予感のする音が。奉太郎がドアを揺らしますがびくともしません。巡回中の氏子さんによって、閂をかけられてしまったみたいです。閉じ込められてしまった2人。さあ、どうやって脱出したものでしょうか。

2012-09-08 22:57:33
かおるさとー @kaoru_sato

大声で助けを呼ぼうとすると、千反田さんに止められてしまいます。今誰かが助けにきたら、自分たちはどう見られるだろうかと言うのです。助けに来るとしたら氏子さんたちでしょう。その氏子さんたちは千反田さんのことを知っています。そして彼女は、誤解されるわけにはいかない立場です。

2012-09-08 22:58:12
かおるさとー @kaoru_sato

この場面、少し説明がわかりにくかったように思いますので、もうちょっと詳しく説明します。

2012-09-08 22:58:22
かおるさとー @kaoru_sato

千反田さんは、父の名代として荒楠神社にやってきました。名目のようなものですが、一応こちらがメインの用事です。なので相手先の神社で問題を起こすわけには行かない立場です。千反田家と十文字家は神山市でも有数の名家ですから、なおさらです。

2012-09-08 23:01:10
かおるさとー @kaoru_sato

誤解というのが「千反田の娘さんが彼氏を連れてやってきた」というものなら構わないのです。しかし納屋で男女2人きりでいるところを見られてしまい、「千反田の娘が荒楠神社の納屋で彼氏といかがわしいことをしていた」と見られるのはさすがにまずいのです。

2012-09-08 23:02:04
かおるさとー @kaoru_sato

事情を説明すればいいと思うかもしれませんが、氏子さんたちは千反田さんのことを「千反田家のご息女」であるという程度にしか知りません。千反田さんの人となりを知らないのです。普通、納屋と蔵は間違えませんから、事情を話してもそれをまっとうに受け取ってもらえるかどうかはあやしいところです。

2012-09-08 23:02:31
かおるさとー @kaoru_sato

摩耶花やかほさんのように、千反田さんのことを個人的に知っている人間なら、もちろん事情をわかってくれます。しかしそれは千反田さんの人となりを知っていて、そういうことをする人間ではないとわかっているからこそなのです。そして、噂というものは尾ひれがつくものです。

2012-09-08 23:02:51
かおるさとー @kaoru_sato

ましてや、奉太郎と千反田さんの関係を知っている人間は、学外にはほとんどいません。「千反田の娘が見たことのない男と暗がりに2人きりでいる」ところを見られたら、変な想像をする人間は少なからずいるでしょう。千反田さん自身は平気でも、千反田家としては困る話なのです。

2012-09-08 23:03:33
かおるさとー @kaoru_sato

それが果たして正しい心配なのかどうか、奉太郎にはわかりません。奉太郎はそういう責任を負ったことがない立場の人間ですから。「わからん世界だ」というのは奉太郎の率直な思いでしょう。しかしわからないのなら、迂闊に判断はできないと奉太郎は考えます。

2012-09-08 23:08:53
かおるさとー @kaoru_sato

しかしこのまま手をこまねいていると、誰かがやってこないとも限りません。携帯を使って助けを呼びましょうと提案する千反田さん。しかし彼女は持っていません。そして奉太郎も。記憶力がいいはずの千反田さんですが、相変わらずうっかりも多いです。

2012-09-08 23:12:17
かおるさとー @kaoru_sato

(原作の年代は西暦2000年なのでいいのですけど、アニメでは2012年(年が明けて2013年)の設定なので、携帯を持っていない高校生というのはさすがに珍しいかもしれませんね)

2012-09-08 23:12:36
かおるさとー @kaoru_sato

壁や天井を壊すわけにもいかず、ドアも外せません。閂もゆすった程度では取り外せないでしょう。しかし氏子さんたちが落とし物を拾うために巡回していることを思い出して、それを利用できないかと考えます。売店で落とし物を管理している摩耶花に届けてもらって、異変に気づいてもらえないかと。

2012-09-08 23:13:10
かおるさとー @kaoru_sato

(閂がかかっている位置にあたりをつけて、その横に穴を空けて外せばいいじゃないかと思うかもしれませんが、さすがにそんな目立つところに腕が通るほどの大きな穴を空けてしまうのはまずいと思います。隅っこならまだしも)

2012-09-08 23:13:33
かおるさとー @kaoru_sato

(そして4通りの方法で脱出する奉太郎のイメージがおもしろいです。省エネ主義と言えども必要なら地面を掘るのか)

2012-09-08 23:14:12
かおるさとー @kaoru_sato

ちょうどその頃、里志が神社にやってきました。ちょっと淡白な感じのするかほさんが苦手なようで、挨拶もそこそこに摩耶花に会いに行きます。巫女姿を見られて恥ずかしそうにする様子がかわいいですね。昼間にも見られているはずなんですが。まあ人前でコスプレをすることにもためらう摩耶花ですしね。

2012-09-08 23:15:10
かおるさとー @kaoru_sato

ハンカチでは異変に気づいてもらえなかったようで、次に奉太郎は自分の財布を落とします。幸い摩耶花は、おみくじを買ったときのことを覚えていたみたいで、それが奉太郎の財布だということには気づきました。しかしそこから「納屋まで赴く」という行動にまでは出ません。無理もありませんが。

2012-09-08 23:15:48
かおるさとー @kaoru_sato

(「落とし物を預かる」→「落とし物が2人の持ち物であることに気づく」→「どうして納屋の傍に落ちていたのか疑問に思う」→「納屋の傍で何かあったのかもしれないと不審を抱く」→「バイトの席を外す必要があるほど深刻な事態であることを察する」→「助けに向かう」という手順を踏む必要が)

2012-09-08 23:18:37
かおるさとー @kaoru_sato

来たばかりの里志にも、当然気づいてもらえません。持ち主がわかるように凶のおみくじを結び付けていましたが、それが逆に里志の興味を別の方向に引いたようで、自分もおみくじを引きます。里志のおみくじは何だったのでしょうね。

2012-09-08 23:19:18
かおるさとー @kaoru_sato

簡単なお遣いだと思っていたからか、上着も着てこなかった2人は実に寒そうです。奉太郎など、マフラーもトレンチコートも置いてきましたから、上はセーターとシャツだけです。これ以上は無理かもしれないと諦めかけたそのとき、奉太郎は千反田さんの言葉を受けて里志の存在を思い出します。

2012-09-08 23:20:56
かおるさとー @kaoru_sato

紐を探し始める奉太郎。50cmもあれば事足りると言いますが、納屋の中にそんなものは見当たりません。鼻緒は短く、靴紐もありません。巾着は使うので除外。ならばと、帯締めを提案しますが、帯が崩れてしまったら何の意味もないので、これも却下です。

2012-09-08 23:21:25