「人に勧めるには注意を要するミステリ」作家別シリーズ

mysteryEQ様の「人に勧めるには注意を要するミステリ」シリーズを まとめさせていただきました。意外な視点からの作家別レビューです。 特別ゲストの参加もあり。 <2010年7月~2012年11月までに取り上げられた作家> 続きを読む
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麻里邑圭人 @mysteryEQ

以上三作品。それと上では取り上げなかったが「南極(人)」もまた「どすこい」系列の作品なので激しく人を選ぶこと請け合いである。ただし同作に収録されている「ぬらりひょんの褌」だけは個人的に傑作だと思っている。因みに自分の好きな京極作品三作は「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」「絡新婦の理」。

2010-08-14 14:00:38
麻里邑圭人 @mysteryEQ

世の中には麻耶雄嵩や友成純一のように全作品取り扱い注意という作家もいるが、それはこの人も同様である。……というわけで人に勧めるには注意が必要な作品シリーズ第14回・飛鳥部勝則編である。すみません、TL上のやり取りを見てたらどうしてもやりたくなったもので(汗)。

2010-08-15 14:57:23
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その1「ラミア虐殺」/本作は一応吹雪の山荘物に属する作品ではあるが、通常のクローズド・サークルを扱ったミステリと同じものを求めるのは大間違いである。それは「犯人を突きとめられないなら、全部殺してしまえばいい」という内容紹介を見れば明らかだが、本作は更にその斜め上をいく作品である。

2010-08-15 14:58:31
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その2「N・Aの扉」/正直、本作の粗筋は非常に説明しづらい。ミステリのようであり幻想小説のようでもあり、はたまた私小説のようでもある。そして解説が井上雅彦氏とくればピンとくる人もいるだろう。ただ一つだけはっきりとしているのは本作が人によっては偏愛すべき作品になるということだろう。

2010-08-15 14:59:37
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その3「鏡陥穽」/本作は飛鳥部勝則という作家を形成するミステリ以外の要素を凝縮して煮詰めたような作品である。故にこれがあなたと飛鳥部作品との相性を測るリトマス紙と言っても過言ではない。もしあなたがこれを読んでハマったのであれば、あなたには充分飛鳥部ファンになる素質があるだろう。

2010-08-15 15:00:37
麻里邑圭人 @mysteryEQ

以上三作品。ちなみに飛鳥部作品で人に勧められる作品はあるのかと問われたら、自分は怖ず怖ずと「殉教カテリナ車輪」を差し出すだろう。というか、それ以外に万人向けのものはないかもしれない(汗)。そして恒例の自分の好きな飛鳥部作品三作はというと「鏡陥穽」「ラミア虐殺」「堕天使拷問刑」。

2010-08-15 15:01:45
麻里邑圭人 @mysteryEQ

福井が生んだ二つの才能と言えば(メフィスト賞的には)舞城王太郎とこの人しかいない。というわけで人に勧めるには注意が必要な作品シリーズ第15回・殊能将之編である。だがそれに入る前にまずやっておきたいことがある。「殊能はしゅのうと読むんじゃないんだが(略)」(中略)「ことによく?」

2010-08-19 21:13:27
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その1「子どもの王様」/子供に読ませたくないジュブナイル作品と聞いてミステリファンなら真っ先に「神様ゲーム」が浮かぶと思うが、それは本作もまた同様である。ただし非現実的な設定だった前者と違い本作は極めて現実的な物語で読者を打ちのめす。残酷な現実の前にあなたは何を思うだろうか。

2010-08-19 21:14:19
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その2「鏡の中は日曜日」/新本格十五周年記念作品と銘打たれた本作は新本格の象徴とも言うべき館シリーズのパロディー作品である。だがそれと同時に本作はミステリのお約束をトコトンこき下ろしている。ハッピーエンドを迎えた事件関係者たちのその後に爆笑するか眉を顰めるかはあなた次第である。

2010-08-19 21:16:01
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その3「黒い仏」/まず最初にお断りしておくが本作の評価は驚天動地か壁本かの二つに一つしかない。評価の分かれ目は二つ。一つは本作の元ネタを知っているか否か。そしてもう一つはあの問題に対してどんな考えを持っているか。そういう意味では本作を読むことは読者にとって試練なのかもしれない。

2010-08-19 21:17:37
麻里邑圭人 @mysteryEQ

以上三作品。どれも一癖も二癖もある捻くれた作品ばかりだが、それこそが殊能作品の特徴とも言える。「美濃牛」→「黒い仏」→「鏡の中は日曜日」と読んで「前回のアレは何だったんだよ!」とツッコミを入れたのは多分自分だけではないだろう(苦笑)。

2010-08-19 21:19:40
麻里邑圭人 @mysteryEQ

そんな殊能作品で自分の好きな作品三作は「黒い仏」「鏡の中は日曜日」「キマイラの新しい城」。そして人に勧めるなら間違いなく「ハサミ男」だろう。ただし、くれぐれも間違って映画版を勧めないようにご注意を(爆)。

2010-08-19 21:21:01
麻里邑圭人 @mysteryEQ

03年に鯨統一郎が一年に新作を八作品も出して話題になったことがあったが今年はそれに迫る勢いで五作品以上出しているこの人の年だろう。……というわけで人に勧めるには注意が必要な作品シリーズその16・石持浅海編である。願わくば、これからこれを読もうとしている全ての人たちに、幸あれ(爆)

2010-08-21 20:16:10
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その1「扉は閉ざされたまま」/本作は石持作品で最も評価が高い一方でその独特な倫理感故に動機が納得がいかないという声も多く聞かれる作品である。また探偵役のキャラ造形に関しても意見が真っ二つに分かれており、そういう意味では本作は石持作品との相性が測るのに適しているのかもしれない。

2010-08-21 20:17:38
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その2「心臓と左手」/本作は「月の扉」の続編的短編集ではあるが「月の扉」のようなテイストを求めると些か肩透かしを覚えるかもしれない。一応「月の扉」の後日談ともいえる話も収録されてはいるが、そこに込められているのはいい話に見せかけた毒である。故に本作を読む時はくれぐれもご注意を。

2010-08-21 20:18:44
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その3「耳をふさいで夜を走る」/石持浅海が初めてエロを全面的に取り入れた記念すべき作品……というと聞こえはいいが、その実態は読者を遥か後方に置き去りすること請け合いの暴走ミステリである。物語の展開についていけず戸惑う読者も多いと思うが安心してほしい。それが普通だから(爆)。

2010-08-21 20:20:11
麻里邑圭人 @mysteryEQ

以上三作品。人によっては「耳を~」以降は殆ど注意が必要な作品と言うかもしれないが(爆)その辺は各自エロミスであることを理解した上で読んで頂きたい。そして恒例の自分の好きな石持作品三作は「扉は閉ざされたまま」「君が望む死に方」「この国。」……すみません、碓氷優佳萌えなもので(汗)

2010-08-21 20:21:22
麻里邑圭人 @mysteryEQ

あと忘れてはならない石持エロミス推薦作は次の五作。ザーメン臭いコンビニ袋が印象的な「耳をふさいで夜を走る」失禁少女の心理描写が冴え渡る「ガーディアン」ゲロとエロの共演「君がいなくても平気」恥辱プレイ的写真が話題の「リスの窒息」幼女におしっこさせる場面が物議を醸す「まっすぐ進め

2010-08-21 20:25:45
麻里邑圭人 @mysteryEQ

かの北村薫はデビュー当時は若い女性だと思われていたそうだが、それはこの人もまたしかり。……というわけで人に勧めるには注意が必要な作品シリーズその17・乾くるみ編である。まあ、冷静に考えれば「Jの神話」で作者が男だと分かりそうなものだけど(爆)。

2010-08-27 21:26:12
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その1「マリオネット症候群」/なんという表紙詐欺……恐らく本作を読んだ大半の読者がそう思ったに違いない。本作は邪悪な作家、乾くるみの本領発揮とも言える歪んだ家族小説である。本作を読んでハッピーエンドと思える読者は間違いなくどこか歪んでいることだろう。例えば、この自分のように(爆)

2010-08-27 21:27:55
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その2「蒼林堂古書店へようこそ」/本作を一言でいうと「日常の謎」とミステリガイドの融合――なのだが、残念ながらその「日常の謎」に関してはオマケ程度のものでしかない。あくま本作のメインはミステリガイド。なので本作はちょっと変わった「日常の謎」風ミステリガイドとして読むのが吉。

2010-08-27 21:29:27
麻里邑圭人 @mysteryEQ

その3「Jの神話」/98年度ミステリ裏ベストワン、はやくも決定――それが本作に寄せられた大森望の推薦文である。大森推薦といえば、ミステリ好きの間ではアレ系ミステリの代名詞として知られている。裏ベストワン。その言葉をどう捉えるかによって、本作の評価は変わってくることだろう。

2010-08-27 21:31:15
麻里邑圭人 @mysteryEQ

以上三作品。ちなみに乾作品の代表作と言えば「イニシエーション・ラブ」なのは間違いないが、個人的には「リピート」や「スリープ」などのSF作品や「匣の中の失楽」のオマージュ作品「匣の中」の方が乾くるみらしい作品だと思っている。

2010-08-27 21:33:00
麻里邑圭人 @mysteryEQ

そんな乾作品で自分の好きな作品を三作選ぶとするなら「Jの神話」「塔の断章」「マリオネット症候群」。あと乾作品ではないが、乾くるみの別名義である市川尚吾「市川尚吾作品集」も機会があれば是非読んでみることをお勧めしたい。

2010-08-27 21:34:46
麻里邑圭人 @mysteryEQ

京極作品のエロパロ「妖怪の掟」、衝撃の出オチ小説「達也が嗤った」、西澤SF作品で起こった現象を全部詰め込んだ怪作「西澤症候群」、そしてメフィスト作家があの五十円玉二十枚の謎に挑むという設定の擬似競作「メフィスト賞作家競作・五十円玉二十枚の謎」……ある意味、乾作品より面白いですw

2010-08-27 21:36:36
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