茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第728回「天声人語の文体で、政治を論じるのはやめてほしい」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月27日の連続ツイート。 本日は、今朝読んだある文章について。
茂木健一郎 随筆 essay てせ 天声人語
toshihiro36 19428view 0コメント
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  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 06:50:37
    しゅりんくっ。ぷれいりーどっぐくん、おはよう!
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:12:17
    連続ツイート第728回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝読んだある文章について。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:14:31
    てせ(1)英語のessayは、日本語の「随筆」とは似て非なるものである。前者は、例えばEconomistの文章に見られるように、evidenceに基づくcritical thinkingの結晶であり、科学論文にもつながる。後者は感性に基づく主観の文章であって、曖昧さの本質がある。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:16:03
    てせ(2)もちろん、日本語の「随筆」にも美質がないわけではない。枕草子や、徒然草、漱石の「思い出す事など」は「随筆」の傑作であって、生きることの中で私たちが感じる心の揺れ、動きをとらえる。私自身も、「生きて死ぬ私」や「脳と仮想」などの随筆を書いてきた。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:17:41
    てせ(3)「随筆」の文体は、日本の一つの財産であるが、すべてのテーマを論じるのに適切ではない。例えば、政治的課題については、evidenceとcritical thinkingに基づく英語のessayの文体で論じるのがふさわしい。ところが、日本では「随筆」で政治を論じてきた。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:19:18
    てせ(4)「随筆」の文体で政治を論じることの愚、悪影響、不幸を、今朝の天声人語(http://t.co/unbYa9Ox)を読んで改めて思う。安倍晋三さんが自民党総裁になられたことを論じているが、全体として意味不明。主観や曖昧さの羅列で、何を主張しているのか一向に伝わってこない。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:20:40
    てせ(5)思いついて朝刊紙面で添削してたら、紙面が真っ赤になった。まず、「党名を変える動き」から論じることが適切だとは思わぬ。「和魂党」や「自由新党」が検討されたというが、どれくらいsignificantな動きだったのか。ニュースバリューを検討するバランス感覚がない。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:22:17
    てせ(6)「斜陽」という言葉で下野を論じているが、ナンセンス。そもそも、健全な議会制民主主義の下では野党になるのは当たり前。必ずと言っていいほど、数年後には政権に返り咲く。実際、今の流れはそうなっている。「斜陽」という感性的、主観的表現は、政治プロセスの本質にかすってもいない。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:24:16
    てせ(7)さらに、天声人語は、安倍氏の再登場を「なつメロ」と表現する。小学生でも考えつくような、陳腐な表現だ。読者に提供されるべきは、再登場の背景分析だろう。さらに、「ナショナリズムの風に、うまく乗った」という表現は失礼だ。「うまく」という言葉に、筆者の対象蔑視と低俗さが表れる。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:26:06
    てせ(8)その後の文章も、感性に流され支離滅裂。「人心を逸らさぬ程度に」は、政治的プロセスを論じる表現としては不適切である。あげくの果てが、結語の「たまさかの上げ潮に浮かれず、責任を省みてほしい」。自分を何様だと思っているのか。何を安倍氏に期待しているのか、全く伝わってこない。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:27:25
    てせ(9)今朝の天声人語の筆者には、以上の失礼をお詫びするが、考えてみていただきたいのは、朝日新聞の一面に載っている以上、天声人語には、公共性があるということである。この文体とスタンスが、日本の政治を語る時の精神風土を作る。その事の罪を、よくよく考えていただきたい。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:28:37
    てせ(10)テレビの政治討論番組でも、使われる言語が(特に政治評論家と呼ばれる方々において)感性的、情緒的であることの責任の一端は、天声人語にあるのではないか。このようなスタイルで政治を論ずることの愚に、もうそろそろ朝日新聞、および天声人語の筆者は気づいてほしい。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:30:18
    てせ(11)もちろん、天声人語にも、良い回はある。「花鳥風月」や「社会事象」を論じた回である。そのような時には、文体と対象がはまる。天声人語は、もし今のまま継続するならば、政治を論じることをやめるか、あるいは政治を論じる時には硬質な文体で議論する、第二の創業を目指してはどうか。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:31:56
    てせ(12)「脳トレ」で天声人語を書き写すという動きがあるようだが、特に政治を論じた回については、今のままではますます日本人の思考が情緒的かつ非論理的になるので、私は絶対反対である。再読、未読に耐えるような文章に、特に政治について書かれた天声人語はなっていない。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:33:47
    てせ(13)吉田兼好流の「随筆」ではなく、論理と証拠に基づく「essay」の伝統を、日本でも根付かせるしかない。新聞は、多くの読者が触れる公器として、日本の言論空間を前に進める社会的責務がある。新聞の顔である一面に、情緒的政治論を載せるのは、いい加減やめて欲しい。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:35:34
    てせ(14)最後に。橋下徹氏のツイッターでの文章は、時に論敵への烈しい言葉などがあり十分に伝わっていないかもしれぬが、日本語で政治的事象を論ずるスタイルの一つのイノベーション。冷静に読めば、論理的に緻密な構成になっていることがわかる。政治の季節は、ふさわしい言葉で語りたい。
  • 茂木健一郎 @kenichiromogi 2012-09-27 09:35:57
    以上、連続ツイート第728回「天声人語の文体で、政治を論じるのはやめてほしい」でした。

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