genron.etc に掲載された Chris Lowyさんの『日本語2.0』は面白い。
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今更ながらgenron etc.の日本[語]2.0を読んだ。これはエキサイティング! ただの一般日本人としてこの論考から想起されたものをつらつらツイートしてみる。
2012-10-04 01:56:39漢字について、ルビによる漢字の絵文字化は全くその通りだと思う。しかし、音読み訓読みの選択の他にもう一つの読み方がある。それは”読まない”という読み方。例えば「鏖戰」という漢字がある。これは「おうせん」と読むが読める人間は少ないだろう。
2012-10-04 02:01:00鏖戰の意味は”敵を皆殺しにするまで戦うこと"。この漢字自体は読めないが「戰」の文字があることから戦いに関する単語ということは類推できるし、もし文章の中で使われていれば前後の文脈からさらに正しい意味へ到達できるだろう。
2012-10-04 02:03:06漢字にはこのように難読漢字があって[読めない]→[読まない]→[なんとなく雰囲気で読む]という脳内変換が少なからず発生する。つまり日本語を母語とする人間は字面の印象で読むという能力を体得している。
2012-10-04 02:05:23そしてネット時代になると絵文字の普及から少し遅れて”読めない字”が出てきている。例えば「wwwwwwww」であったり「くぁwsでrftgひゅj」であったりする。これは言葉には出来ないが何を言いたいかは何となく分かる。そしてそれは母音が多い日本語とも関係している。
2012-10-04 02:08:19論理的な会話はさておき短いセンテンスの場合、話し言葉は何を言っているかよりどういう声で言っているかが重要な場合がある。「バカヤロー」と言う場合「ベッヤリョオ!」と言っても意味以外の情報量が多ければむしろ意味がなくても伝わる。
2012-10-04 02:11:39日本語に母音が多い理由については気候や風土に依る説があるが、とりあえず今現在そうなっているとして考えると、話し言葉の意味を脱色させるのが声の調子や声色だとしたら、書き言葉の意味を脱色させるのはルビの他にフォントがある。
2012-10-04 02:15:00ただ、漢字は種類が多いためアルファベットのように多種多様なフォントを作ることは出来ない。実際小説等でもせいぜいボールドやイタリックや一部だけ変えるだけであり、話し言葉のような情報量は無い。
2012-10-04 02:17:23そこで、いわゆる普通の書籍だとルビに頼ることになるが、ネット、特にニコニコ動画だと話し言葉に近いため先述の「wwww」や「あqwせd」などの文字は使われやすい。
2012-10-04 02:19:13ゆえに、「コミュニケーションの聴覚依存から視覚依存へと変遷していく」ことがどのフォーマットに則るかについては個人としてルビや絵文字ではなく、文字の並びやフォント、色といったものと思う。
2012-10-04 02:25:02そして、その視覚依存がどこかのタイミングで逆転し聴覚依存へ揺り戻す時、今までとはまったく違う日本語の話法が立ち上がるのではないか、と想像する。それがもしかしたら旧人類には理解できない話法だとしても、それを「耳にする」ことを楽しみにしたい。了。
2012-10-04 02:27:26