NHKハートネットTV「若者を追い詰める“ブラック企業”」2012年10月23日
49:事業場外みなし労働時間制:労働時間が法定時間内の場合、「就業基規則」に定めれば、労働基準監督署に届け出を行う必要はない。そのため、労働基準監督署が、制度と実態が合致しているかどうかチェックすることは非常に難しい。
2012-10-23 23:36:2551:湯浅「労働基準監督官という人、とてもじゃないが人数が全然足らない。国際的に見ても労働者数に比して、配置割合が低い。チェックもできない。」
2012-10-23 23:36:3953:湯浅「基本は労働組合なり労働代表が、きちんと、働く人の体を壊したり、むちゃくちゃなことがないように、使用者を監視し、交渉する、それがグローバル・スタンダード。」
2012-10-23 23:36:5055:湯浅「一般的には正規(雇用)と非正規(雇用)。『正規は安心』と一般的には言われているが、正規も非正規も一枚岩ではない。正規も中核的正社員と、子会社の正社員などの周辺的正社員に二層化している。」
2012-10-23 23:37:0457:湯浅「周辺的正社員は、実は賃金も高くない。『正規は守られている』と言われているが、結構簡単に首を切られている。そのため将来的な見通しも高くない。実は、中核的非正規と変わらない働き方をしている。」
2012-10-23 23:37:3658:湯浅「『正規だから安心』とは事実上、ありえなくなっている。だからこそ、そういう条件が周りにあるということをみんなが知っているが故に、より競争的、より淘汰型(蹴落とす)の労働市場になっている」
2012-10-23 23:37:4460:湯浅「一言で言えばグローバル競争が激しい、企業も余裕がない、ということなのだろうが、ブラック企業も含めて全部が肯定されるかというと、そうではないはず。」
2012-10-23 23:37:5561:湯浅「切り捨てられた人が貧困化して、その人がいることによって労働条件が下がる、という貧困スパイラルから抜けられなくなり、日本社会全体でデフレ状態が続いていく、そういうサイクルを日本は過去20年間たどってきた」
2012-10-23 23:38:0262:湯浅「四半期決算を黒字化するとか、自分たちの短期的な利益を追求する結果として、長期的利益を失っている。結局、自分で自分の首を絞めている。」
2012-10-23 23:38:0865:先月半ば(9月)過労死があった企業の名前を公表するよう、国に求める裁判が大阪高等裁判所で結審。原告は、夫を過労死で亡くした遺族、寺西笑子さん(全国過労死を考える家族の会代表)。
2012-10-23 23:38:2866:寺西さんは、遺族がつくる家族会の代表として、国や企業に、過労死の被害をなくしてほしいと働きかけてきた。夫を亡くして16年がたつ。生前から毎朝かかさずコーヒーを飲んでいた。毎朝、コーヒーを供えている。
2012-10-23 23:38:3467:いっこうに過労死が減らない現状。3年前、寺西さんは大阪労働局に、企業名の開示を求める請求を行った。しかし、送られてきたのは、企業名がすべて黒塗りにされた資料。大阪労働局は、過労死の原因は公開したものの、肝心の企業名は公開せず。
2012-10-23 23:38:4069:寺西「企業名を公表する意味というのを、“命を守る情報”なんだということで、ぜひ私たちに開示をして、過労死を無くす情報につなげていただきたい」
2012-10-23 23:38:5471:去年、大阪地方裁判所の一審判決では、原告の寺西さんが勝訴。裁判所は、企業名の公表は可能とし、国が企業名を不開示と判断したことは違法と判断した。しかし国はこの判決を不服とし高等裁判所に控訴。
2012-10-23 23:39:0872:二審の裁判で国は、「企業名を開示することで、亡くなった個人が特定される恐れがある」「企業の社会的地位が低下し、人材獲得に支障をきたすおそれがある」と主張。
2012-10-23 23:39:1473:寺西「過労死を出した企業名を公表する、そういう仕組みを国がとっていくことが大切という考えを、裁判所が判断してほしい。」11月にも判決が出る見込み。
2012-10-23 23:39:20