外来語のアクセント規則

日本語は外来語を、どのようなアクセントで取り入れるのか。これは今まで多くの研究者がいろいろな立場で論じているが、いまだに結論が出ていない難問である。
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まつーらとしお @yearman

(3)あと,促音がモーラとしての自立性が低いというのもある。というより,日本語だと特殊モーラの自立性として,二重母音>長音>撥音>促音という序列がある(上野1984?)。外来語に関してはやはり田中真一さんがだいぶやっていて,LHLのアクセントの振る舞いを見たとき,

2012-11-07 15:44:32
Soya Mori @SL_at_IDE

この論文見てみたいです。題名教えて頂けますか?RT @yearman: (3)あと,促音がモーラとしての自立性が低いというのもある。というより,日本語だと特殊モーラの自立性として,二重母音>長音>撥音>促音という序列がある(上野1984?)。…

2012-11-07 16:16:39
まつーらとしお @yearman

入手容易なのは田中真一『リズム・アクセントの「ゆれ」と音韻・形態構造』くろしお出版の第2章,第5章ですね。あと,上野善道 「地方アクセントの研究のために」加藤正信(編)『新しい方言研究』pp.47-64,至文堂ですRT @SL_at_IDE: 題名教えて頂けますか?

2012-11-07 18:45:53
まつーらとしお @yearman

(4)Hにアクセントが来る割合を見ると,二重母音>長音>撥音>促音という傾向がある。この傾向は5モーラでもあったように思う(これは僕の集計の印象だけど)。

2012-11-07 15:46:47
まつーらとしお @yearman

(5)次に,原語の影響については,篠原茂子さんがJEALに論文を書いているのが示唆的。英語学習者に英語を聞かせて「日本語で」どう発音するかを聞くと英語のアクセントを保持するのに対して,フランス語学習者にフランス語を聞かせて同じことをやると前進型を取る傾向にある。

2012-11-07 15:48:38
まつーらとしお @yearman

(6)さて,あとやっかいな問題としてあるのは,化石化だと思う。ひとくちに外来語と言ってもなじみ度(親密度)は様々。揺れがあるとか,音節構造の規則に合わないのは言ってしまえば個人レベルの親密度の違いなんじゃないかと思ってる。

2012-11-07 15:51:00
まつーらとしお @yearman

(7) 中村さんのこのツイートに関して補足 http://t.co/VQvMcAd8 自然言語処理研究で外来語アクセントについては確かによく研究されている。ちょっと古典的だけど,佐藤さんのと併せて押さえておきたいものとして佐藤滋ほか「日本語における外来語のアクセント付加モデル」

2012-11-07 15:58:02
まつーらとしお @yearman

(8)がある。これは電子ジャーナルになってる http://t.co/TT6wjTY2 これは音節構造や分節音の情報なんかも含めた規則をアルゴリズムで示していて,ちょっと複雑なんだけど,アクセント辞典にある単語の92%が説明できる(サンプルは奇数ページだけだったような)。

2012-11-07 16:00:26
まつーらとしお @yearman

(9)ちなみに佐藤大和さんの疑似複合語分析だと94.4%の推定率という報告がある(音響学会論文集,98年)。こういう外来語を疑似複合語と見なす(長い場合)分析は最近だと国語研の儀利古さんが積極的にやっていた記憶がある。

2012-11-07 16:05:31
まつーらとしお @yearman

(10)さっき言った外来語アクセントの化石化について,無意味語で確かめればいいんじゃないか?という指摘が考えられる(し,僕もそう考えていた)のだけど,人間の類推能力はなめてはいけなくて,ある程度英語っぽい音連鎖だったらやっぱり英語的なアクセントになるってことは十分にあり得る

2012-11-07 16:07:54
まつーらとしお @yearman

(11)そうすると,無意味語を用いる場合でもけっこう慎重に単語を作らないといけない。この「英語的な単語」を定義する研究はきちんとやられてない印象があるので誰かやりませんか?卒論〜修論にいかがでしょうか。

2012-11-07 16:09:22
学食のカレー @i51re

@yearman これ、自分も考えていたことがあります。既知の単語に影響されますよね。自然言語処理の分野の方なんかと組んで、ランダムにカタカナの文字列を生成するシステムを使ってうんたらかんたら出来たら楽しそうかな~と考えたりします。

2012-11-07 16:20:56
まつーらとしお @yearman

(12)これはアクセントに限らないのだけど,個人の内省はさっきも言ったような「化石化」とでも呼ぶべき現象が起こっているので,それをなるべく少なくするために,サンプルを増やすのと,例えば知覚から攻めるとか,そういう研究が必要なんじゃないかなあ。これもやりたい研究。

2012-11-07 16:12:21
まつーらとしお @yearman

(13)知覚でってのはひとつにラ]ズベリーとラズ]ベリーとラズベ]リーを提示して,どれがいいですか?と強制選択させてもいいし,それぞれの妥当性を5段階ぐらいで判断させてもいい。5段階評定はNTTがやってましたね。僕も博論でちょっとそれを使いました(未公刊)。

2012-11-07 16:14:45
まつーらとしお @yearman

(14)あと,さっきも言ったけど,原語の影響はある。その中で,中学以降(今は小学校か)の英語教育は無視できない気がする。そうすると,小学3年ぐらいと中学生,高校生でアクセントを確かめる,中高では英語の成績との相関を見るなんてやってみても面白いかもね。

2012-11-07 16:16:22
まつーらとしお @yearman

(15)まあこんなところでしょうか。結構やられてる感あるけどまだまだ外来語アクセントでやることありますね。(了)

2012-11-07 16:17:29

非英語からの借用語

SwingingUvula @swinginguvula

ヒンディ語→日本語:チャ]パティ。ナ](ー)ン。ガ[ラムマ]サラ。サ]ブジ。パ]ラタ。ラッ]シー。ガ]ンジャ。ガ[ネ]ーシュ。パ[ニ]ール。バ[スマティ。ア[チャ]ール。プ](ー)リ(ー)。サ](ー)グ。ビ[リヤニ。チャ]イ。ハ]ルワ。ク[シャト]リヤ。@nkmr_aki

2012-11-07 17:01:58
SwingingUvula @swinginguvula

ヒンディ語→日本語(続き):アッ]タ。ヒ[ンドゥス]タン。デーヴァナ]ーガリー。ク]ルフィ。ブ[ラ]フマン。シ[タ]ール。タ]ブラ。アーユルベ]ーダ。ナ[マス]テ。サ]リー。ビ]ンディー。リク]シャ。オ]ム。ラク]シュミー。マ[ハラジャ。ラーマ]ーヤナ。@nkmr_aki

2012-11-07 17:04:30
SwingingUvula @swinginguvula

チベット語→日本語:ダ[ライラ]マ。ラ]サ。モ]モ。ソ[ンツェンガ]ンポ。ツァ]ンパ。チャ]ン。トゥ]クパ。ヤ]ク。テ]ントゥク。タ]ンカ。ポ]タラ。カ]タ(ー)。ル]ンタ。シャ]バレ(ー)。タ]ルチョ。カ]プセ。@nkmr_aki

2012-11-07 17:44:03
SwingingUvula @swinginguvula

ヒンディ語系の語もチベット語系のそれも音声情報よりも文字情報からアクセントを予測する日本語話者が圧倒的に多いと思われます。@nkmr_aki

2012-11-07 17:48:08
oɹɪɥɪʞ∀ ɐɹnɯɐʞɐN @nkmr_aki

@swinginguvula なるほど、 バスマティ= ビリヤニ= ナマス]テ リク]シャ ラク]シュミー マハラジャ= ダライラ]マ 以外は-3でいけそうですね。とはいえ バス]マティ ビリ]ヤニ ナマ]ステ リ]クシャ は-3でもいけそうな。

2012-11-07 18:28:28
oɹɪɥɪʞ∀ ɐɹnɯɐʞɐN @nkmr_aki

@swinginguvula ダライラ]マ はダライ+ラマだからっぽいですね。 ラク]シュミー マハラジャ= はややこしいです。

2012-11-07 18:28:38
SwingingUvula @swinginguvula

@swinginguvula @nkmr_aki 原語のピッチパターンの影響を受けているアクセントと、文字情報のみから予測したアクセントでは結果が違ってくる筈なので結構ややこしいですね。新しく借用された語と以前から知られて定着しているものでも違いますし、個人差もあると思います。

2012-11-07 18:57:01
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