神津恭介短編マラソン(2)
『鎖』 ああ、探偵に夜歩く首なし女性の死体を見せることがトリックの大いなる一端になっているのね。 神津恭介が、犯人の想定していた推理力以上の冴えを持っていたのが敗因なのかぁ。 うわー、メタだー。 法月綸太郎だったら、この題材で500ページは書くだろうなぁ……
2012-11-05 21:41:52長編のときも呟いたが、高木彬光の神津恭介シリーズは、後期クイーン問題の語る上で、とてもよいテキストだと思うんだよね。 この『鎖』も……、構図で考えると、エライことになってるなぁ
2012-11-05 21:44:33そのまま神津恭介短編マラソン其の18『湖上に散りぬ』 かっての婚約者、戦災によって身体が不具状態になってしまった昔の恋人より、手紙が届けられた。 それは湖畔を舞台に繰り広げられる連続殺人の幕開けだった。
2012-11-05 21:52:04『湖上に散りぬ』 きゃっほーい。こんなのを待っていたのよねワタクシ。 発表する作品、作品が、かなりの本格愛に満ち満ちた意義のある内容ばかりじゃ、……ないんだよ。 時間と締め切りに追われて、手を抜きまくった作品なんかも、絶対、あるってもんなんだ。 これは酷い完成度だ
2012-11-05 21:56:34『湖上に散りぬ』 ボートの上の死体には、鋭利な尖ったような刃物で貫かれた傷があった。しかし、まわりには誰の姿もない。銃殺? しかし、弾丸は体内に残っていない。 一体、このトリックは? って、また魔弾使っている〜Σ(゚д゚lll)
2012-11-05 22:00:00神津恭介短編短編マラソン。今までの1から18で、1949年、50年に発表された全ての短編を読了したわけだ。 高木彬光といえば、いろんなジャンルを制覇した作家というイメージなのだが、こと本格探偵小説だけに絞っても、いろいろなことを試してるんだなぁ〜、ということがよくわかる。
2012-11-05 22:14:53既存のトリックを、自分なりの見せ方で料理する。既存の趣向に今まで使われていなかった捻りを加えて使用してみる。 デビュー直後、おそらく本格探偵小説マニアであった高木彬光の書くものには、常に驚きがあった。 というか、凄いクオリティだ〜Σ(゚д゚lll)
2012-11-05 22:21:03ただ、生産する量にちょっとどころでないムリが……\(´Д` ) すごいトリックとすごいプロットが、小説として還元しきれてない作品が18作のうちに何本も……。 たぶん、締め切りに追われて、簡単なシノプシスだけの見切り発車も多かったんだろうねぇ。惜しい。惜しい、特に『首を買う女』とか
2012-11-05 22:31:29やあ。神津恭介短編マラソン其の19『モデル殺人事件』だよ。 絵のモデルが殺されたので、神津恭介が犯人を暴き出す。そんな犯人あて懸賞小説。 一等の商品は自転車。さぁ、犯人を見つけ出すことができるかな〜?
2012-11-06 01:50:11『モデル殺人事件』 問題編の分量に対して、回答編が神津恭介からの手紙という形式をとっているので、とにかく枚数が少なくアッサリしている、というのが……。 しかも、解答に至るまでの物的証拠がないわけで……、神津恭介の想像の範疇でしかない。
2012-11-06 01:54:18『モデル殺人事件』 しかも、一番重要なファクターである三万円泥棒のくだりは、松下研三自身が家の説明を問題編で行っており、神津恭介の解答では腑に落ちないのが、すでに立証されているのだ。 この前提がクリアできていなければ、あの解答は出せないはずじゃなかろうか?
2012-11-06 01:59:21『モデル殺人事件』 犯人あてなのに、他の容疑者たちが独自の動きを見せているのも難。三万円泥棒のみの柱だけで、充分犯人あて小説として戦えるのに….…。絵画泥棒の件は、犯人あて小説の形式で考えると雑味だなぁ
2012-11-06 02:03:06『モデル殺人事件』 この作品の三万円泥棒のトリックは、後の短編で磨かれて再利用され、もっと洗練されたカタチで長編『悪魔の嘲笑』で使用されますよ( ´ ▽ ` )ノ
2012-11-06 02:06:46よっしゃー。神津恭介短編マラソン其の20『出獄』でも。 無実の罪で十年間収監されていた男。出獄した彼を待っていたのは、見も知らぬ女性だった。女性の晩酌を受ける男性。目が覚めたとき見知らぬ場所だった。身なりも良いものが与えられ、二十万の金が持たされていた……
2012-11-06 23:11:55『出獄』 わーっ、これは評価が難しい。プロットとトリックもいい。かなりの完成度なんだよね。本格探偵小説としては、かなり面白いんだ〜。 けど、ああ、倫理的な側面で、この話をあまり肯定したくないんよ。 この作品の神津恭介、少し気をきかせれば助けられた女性を、むざむざ殺させているんだ
2012-11-06 23:15:17『出獄』 『冥府の使者』でも同様に助けることのできた人物を見殺しにしてるんだけど、あっちはいきなりだったので、まぁどうしようもない面があったのだが、『出獄』の神津恭介、あんた、それはイカン
2012-11-06 23:17:37『出獄』 神津恭介が親しい隣人以外には、かなりの人でなしであることは、重々承知なのだが、この作品に関しては酷すぎる。 復讐という側面は読み取れるが……、ああ、傑作が故に勿体無いんだぁ……。
2012-11-06 23:20:53『出獄』 だから、あと10ページくらいあれば、犯人の確定が神津恭介のアレではなくて、ちょっとした推理を展開できたのだろう。 神津恭介と松下研三の最後の会話は、言い訳がましいなぁ〜
2012-11-06 23:24:16流れで神津恭介短編マラソン其の21『紫の恐怖』を とある旧家屋の一室。そこに泊まった人は必ず死んでしまう。二人の命を亡きものとしたその部屋の秘密を解くため、神津恭介と松下研三は一夜を過ごすことになった。
2012-11-06 23:28:29『紫の恐怖』 俺、あんまり読めてないけどカーの中では『赤後家の殺人』が一番好きなのよ〜( ´ ▽ ` )ノ 期待、期待 …… … … ……Σ(゚д゚lll)
2012-11-06 23:31:47