神津恭介短編マラソン(2)

高木彬光の「神津恭介もの」短編作品を刊行順に読んでいこう、というお玉さんの試みの第2弾です。第2部では、『首を買う女』『鼠の贄』『恐ろしき馬鹿』『血塗られた薔薇』『鎖』『湖上に散りぬ』『モデル殺人事件』『出獄』『紫の恐怖』『私は殺される』『天誅』『罪なき罪人』の12作分を収録しています。
6
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

むむっ、神津恭介短編マラソン其の13『首を買う女』 古道具屋で芝居につかう人形の首を探す女性を松下研三は見かける。ちょうど世間では、とある元俳優の首切り殺人が話題となっていた。切られた首の部分には、代わりに芝居で使う首が置かれていたのだ……

2012-11-04 02:00:51
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『首を買う女』 まぁ、これもすごいプロットだ。こういうことを考えつく当時の高木彬光の力量は全く戦慄すべきだよ。 ただ、このプロットで本格探偵小説が書けるかといったら、別の話になってしまうのだよ……

2012-11-04 02:04:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『首を買う女』 首を買う女。それを追いかける女。首芝居の首を集める首を買う女の旦那。集められた首の中にある事件で使われた首と同じような首。首には隠された秘密。 この材料を活かすには、尾行と調査、恫喝すら交えた駆け引きが必須であり、それは神津の領分から外れるのだ。あゝ、大前田英策〜

2012-11-04 02:10:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『首を買う女』 だが、首を切った理由(これがまたなかなかすごいアイディアである)を明確にするための推理は、神津恭介の口からでないと説得力が出ないくらい複雑なのだ。

2012-11-04 02:13:46
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『首を買う女』 この短編の事件解明は、神津恭介の推理ではなく、犯人を力づくで捕まえた警察からの報告といったカタチで説明されているのよ 事件進行の複雑な流れにクラクラするんだけど……、神津恭介はハッタリをかましただけなのよ。

2012-11-04 02:19:55
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『首を買う女』 これもアイディアとしては長編向けなんだよね。 真鍋記者あたりをアクションパートに配置して情報を集めさせ、神津恭介に分析をさせる。 物語中のW尾行も、真鍋、松下研三の二人で行えば、キチンと絵として立ち上がってくるよね。

2012-11-04 02:24:10
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

高木彬光、1950年は神津恭介の長編一本(『魔弾の射手』)と短編十一本書いているわけなんだよ。 この量をこなして前年の作品同様、一本、一本に密度の濃いトリックを投下してるわけだから、物語の脇はあまくなってしまうよね。トリックも未熟成のまま、作品に落とされてしまってる印象が……

2012-11-04 02:33:28
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

今日も元気に。神津恭介短編マラソン其の14『鼠の贄』 鼠が嫌いな男がいた。彼が鼠の幻覚に悩まされる日記を残して失踪した。彼の家を神津恭介は探索する。天井裏に鼠によって白骨化された死体が隠されていた。

2012-11-04 22:45:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『鼠の贄』 うわーっ、この短編、すごい穴があるよ。 真犯人が目的を果たすためには、法廷に出て鼠のことを絶対、証言しなければならないんじゃないのΣ(゚д゚lll) とある理由があるから、衆人環視の前に真犯人は出られないんじゃないのぉ⁉

2012-11-04 22:49:43
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『鼠の贄』 いや、前半の鼠の幻に精神を病んでいく男の日記はすごく迫力あるよなぁ……。その後の展開も悪くないんだけど、やっぱり犯罪の内容をよく考えると迂遠なんだ。

2012-11-04 22:53:17
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『鼠の贄』 あっ、そうか。殺されたのは恐喝者か……。その死体を利用した犯罪と考えると……、ダメだぁ、これ、衝動的な殺人じゃないよー。大量の鼠の手配が、ネックじゃん。すごく計画的犯罪です…… 計画的

2012-11-04 22:56:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『鼠の贄』 オカルトなのだけど、『魔笛』みたいな怪談や怪奇現象そのものをベースに描いているのではなく、どちらかといえばスーパーナチュラル、より現代的なホラー作品になっているんだよなぁ。これはかっこいい( ´ ▽ ` )ノ

2012-11-04 23:02:49
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『初稿・刺青殺人事件』に同時収録されている短編って、『妖婦の宿』『鼠の贄』『影なき女』『白雪姫』そして『原子病患者』なんだよねー。 初稿だけでもなく買う価値あるよなぁ。大傑作短編集だよ。悪く言えば、捻りが全くないんだよなぁ……

2012-11-04 23:11:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

角川文庫では、『鼠の贄』は、短編集『わが一高時代の犯罪』に収録されているよ。 解説が斎藤栄だよ。わーっ、これ、『鼠の贄』全バレに近い解説だー。人の事言えないが、これはアカンやろ。 わぁい斎藤栄、お玉斎藤栄大好き( ´ ▽ ` )ノ

2012-11-04 23:15:17
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

神津恭介短編マラソン其の15『恐ろしき馬鹿』読了。すごいタイトルだなぁ〜。 とある男性実業家の恋人、彼女の死体が発見されたのです。松下研三とその仲間が行ったそんなエイプリルフールのドッキリ企画。しかし、ドッキリの舞台となった空き家には、その女の死体が転がっていたのであった……

2012-11-05 10:43:28
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『恐ろしき馬鹿』 おーっ、神津恭介短編はほとんどが再読で、当然、この話も一回は読んでいるはずなんだけど、うわーっ、十何年か前の自分が見逃していた拾いものだよ、コレ。 コレはすごいイイなぁ〜♪

2012-11-05 10:47:37
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『恐ろしき馬鹿』 神津恭介というか、高木彬光が犯人の炙り出しによく使う、「物的証拠が希薄な犯人を心理的においこんで次の犯罪を犯さざるを得ない方向へ誘導する」という手法に対して、さらに一歩上の段階でアプローチをかけていたりします。

2012-11-05 10:51:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『恐ろしき馬鹿』 松下研三の話から、ここまでの対策が思いつくわけなの……Σ(゚д゚lll) 神津恭介、鋭すぎるじゃん! あと今作の体験から、神津恭介と松下研三の間にあった心理的距離の幅が狭まった、そんな雰囲気も見て取れます。『成吉思汗の秘密』等のツーカーな二人は、この話からなのね

2012-11-05 10:56:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

短編マラソンの最終で、お玉さん編纂の神津恭介短編セレクトを発表するつもりですが、『恐ろしき馬鹿』は絶対入れよう( ´ ▽ ` )ノ

2012-11-05 10:58:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

短編では結構、ピストル持ったりしてはっちゃけているのね……神津先生Σ(゚д゚lll)

2012-11-05 11:00:07
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて神津恭介短編マラソン其の16『血塗られた薔薇』 深夜、神津恭介は何かから逃げている女性と出会う。事件の気配を感じた神津恭介は彼女のカバンと自分のカバンをすり替える。中には血塗られた短刀が……! 翌日、その女性の姉が植物園で死体となって発見される。

2012-11-05 21:19:43
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『血塗られた薔薇』 角川文庫で90ページ。長いのです。だけど、この分量では短いくらいの内容なのよ……\(´Д` ) たぶん、クロフツの諸作品を念頭においた、容疑者たちそれぞれの動きを追いかけるタイムテーブルものだよー。 二回読み返して、ようやく何が起こっているか分かったよ

2012-11-05 21:23:13
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『血塗られた薔薇』 この作品の「犯人がなぜ死体の移動を行ったのか?」というホワイダットがね、もうかなりステキなのよ。 必死に登場人物の行動を追って、このラストは、反則すぎる。これはグッとくる。

2012-11-05 21:30:06
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

で、神津恭介短編マラソン其の17『鎖』へ。 自転車の鎖で首を切られた女性が夜歩く。殺人の容疑で捕まった人物がそんな証言をしている。彼の妹は、神津恭介にその謎の解明を依頼した。事件の起こった名古屋に向かう神津恭介。そして神津恭介も、夜歩く首なし女性を見るのだ。ギャーギャー

2012-11-05 21:35:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『鎖』 夜歩く首なし女性の死体は鏡を使った少年探偵団チックな、あちゃーなトリックが使われてます。 はい、ネタバレ。 この作品のキモも、やはりホワイダット。何故、そんな怪奇現象を犯人は企んだのか? ここにつきる。

2012-11-05 21:38:39