- 3006springfield
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さすがにまだ完読はしていませんが、だいたい3分の1くらいしか読み終わりました。現段階で、この『銃器大百科』は良作か駄作かと問われれば、良作の部類であると思います
2012-11-12 20:57:14銃器大百科の著者である大塚一軌は、「銃で撃たれるというのはどういうことか」に主題を置き、法医学や物理学の側面から銃器について考察した『銃器使用マニュアル』の著者でもあり、銃器使用マニュアルと同じく、かなり専門的な内容となっています
2012-11-12 20:57:46銃器大百科はよくある銃の写真をたくさん載せた図鑑的なものとは違い、投石や弓などの初期の遠距離武器からはじまり、火薬の誕生からの突火槍、マドファ、ハンドキャノンなどの黎明期の火器、ライフリング、金属薬莢、そして連発銃の誕生と現代的な歩兵火器までの発展史について解説した本です
2012-11-12 20:59:01同種の本として岩堂憲人の『世界銃砲史』がありますが、これと比べてみると、明らかに銃器大百科の方が分りやすくよくまとめてあると思います。定価も世界銃砲史よりも安く、ページ数的にはやや少ないですがサイズも小さいので収納に便
2012-11-12 21:00:39世界銃砲史は、投石や弓矢から解説を始めるのは同じですが、内容的にはWW2前後までの解説しかありませんし、小火器だけでなく、艦載砲などの大型のものも包括していて、小火器に関する記述は実際の半分程度しかありません
2012-11-12 21:02:02その点、銃器大百科は21世紀以降の銃器についても述べており、また章や項を区切りよく分けて、要点をまとめ、比較的、理解しやすいようにできています(あくまでも個人的な感想
2012-11-12 21:02:49肝心の内容ですが、大きく分けて軍用ライフル、アサルトライフル、スナイパーライフル、ハンドガン、マシンガン、PDW、ショットガン、グレネードランチャーとアンチタンクウェポンという風に章が立てられています
2012-11-12 21:03:54まず軍用ライフルの章。最初に、スムーズボアとライフルの違い、前装式と後装式の違いを述べ、次いで「軍用ライフル」の定義づけを行い、軍用ライフルの発展の歴史をフェーズ1とフェーズ2の2段階に分けられると説明しています
2012-11-12 21:05:57大塚一軌の考えでは、軍用ライフルとは「ハイパワーカートリッジないしはミディアムカートリッジを用いる一国の統制のとれた軍隊が制式採用した小銃」のこと。まぁそのまんまですね
2012-11-12 21:06:33発展の段階としては、滑腔銃身前装銃から施条銃身後装銃までがフェーズ1、金属薬莢の誕生から各種マニュアルローダー、自動銃の発明、セレクティブファイア化と脱着弾倉化までがフェース2とのこと。章の冒頭でこのあたりに軽く解説を入れてから本題に入ります
2012-11-12 21:08:39本題は冒頭で説明した発展の段階を、より細かく見ていったものと思えばいいです。内容はそれなりに細かく、写真や図なども、そこそこに豊富かと思います。オールモノクロですが
2012-11-12 21:11:33軍用ライフルの章の最期は、自動小銃の話で締めくくられます。要約すると、世界初の軍用自動小銃であるモンドラゴンからドイツ、ロシアの自動小銃開発、そしてアメリカのM1ガーランドの開発と採用、実戦投入、そして戦後に誕生したFAL、G3、M14の3挺についての解説です
2012-11-12 21:12:37大塚一軌はFAL、G3、M14をアサルトライフルでないとしています。個人的にもその考えに同意です。本来、アサルトライフルは中間弾薬を使用するということが前提であり、これら3挺のような西側の戦後第一世代の自動小銃は本来アサルトライフルに含みがたい存在です
2012-11-12 21:13:52次はアサルトライフルの章になるのですが、まず、アサルトライフル誕生以前(サブマシンガンと軽機関銃の時代)の総括から、アサルトライフルたる重要な要素である中間弾薬に関する解説が来ます。
2012-11-12 21:17:05そこから、アサルトライフルの祖先たるフェデロフM1916からMP43(StG44)とAK-47の誕生、M16誕生までの経緯、短小弾から小口径高速弾への移行、ブルパップの発達、そしてOICWとXM8と国や時代別にまとめています
2012-11-12 21:18:42もっと章の細かい内容までツイートしようかと思ったのですが、面倒だし、あんまり意味はないので、かっ飛ばしました。アサルトラフルの章は、だいたい100ページほどですね。
2012-11-12 21:19:54個人的に、アサルトライフルの章で評価したいのは、アサルトライフルの祖先としてフェデロフM1916だけでなく、イタリアの「セイ・リゴッティ自動小銃」にも言及したこと
2012-11-12 21:20:27セイ・リゴッティはガス圧作動式のショートストロークピストンで、セミ/バーストのセレクティブファイアと、1900年完成にしてはだいぶ現代的な自動小銃です(フェデロフは1906年に開発開始)。使用弾薬も6.5mm×52と、6.5mm×50SRのフェデロフとサイズ的には大して変わらない
2012-11-12 21:22:38セイ・リゴッティ自動小銃について解説した日本語文献はほとんどないので、これだけでもこの本の価値はあるでしょうね(大した記述量じゃないですけど)。私が知る限りだと、他は床井雅美の『世界の銃器』(1979年、ごま書房 ※廉価版じゃない方)くらいでしょうし
2012-11-12 21:24:05ちゃんと読み込んだのここまでで、あとは流し読み程度なのですが、これだけでも1万円と言う値に見合うだけの資料であると思います。断言はできませんが。そんな売れるとも思えませんし、少しすれば絶版になると思われるので、興味あれば手に入るうちに買っておいた方がいいでしょうね
2012-11-12 21:26:09@Mitsuteru_M M1カービンはどのカテゴリで扱ってますかハァハァ(これで購入がマジで決まる可能性あり
2012-11-12 21:23:22@Geroko 第4章のカービンという章に、M1カービンの独立した項がありますね~ M1カービンの開発経緯、各種ばりえーしょん30カービンの威力検証などの記述があります。まだ読んでないですが…
2012-11-12 21:29:23