従属栄養農業

自分で栄養を作り出せる植物を独立栄養生物、私たち人間のように他の生物を食べなければ生きていけない生物を従属栄養生物と呼ぶ。ならば、農業は独立栄養職業、それ以外の職業は従属栄養職業と呼ぶべきだろう。ところが、化学肥料などに頼った農業は石油など化石エネルギーに依存しており、農業も「従属栄養職業」と化しているのが実態なのだ。
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shinshinohara @ShinShinohara

植物のように自力で栄養となる有機物を作れる生物を独立栄養生物といい、植物を食べることで命をつなぐ人間のような生き物を従属栄養生物という。ならば、農家は独立栄養職業、その他の職業は従属栄養職業ということになる。

2012-11-13 12:14:21
shinshinohara @ShinShinohara

しかし、現代の農業はあいにく独立栄養職業ではない。化学肥料、農薬、トラクターの燃料などは、石油などの化石燃料が不可欠。これらに依存した農業は従属栄養職業だ。石油が高騰すれば、従属栄養職業の農業は成り立たない。

2012-11-13 12:19:16
shinshinohara @ShinShinohara

現代人の深刻さは、本来独立栄養の農業でさえ従属栄養職業としてしまったことだ。化石燃料の帰趨に人類の運命を託してしまった。シェールオイル、シェールガスといった「土中から搾り取る」手段に手を着けてしまった人類は、今のうちにエネルギーに依存しない食糧生産法を確立しなければならない。

2012-11-13 12:25:11
shinshinohara @ShinShinohara

だが、人類はシェールガスなどのエネルギー革命に味を占め、「シェールガスやシェールオイルがなくなればその次が見つかるさ」という、見通しのない楽観にすがりつくだろう。さすれば、ジャレド・ダイアモンドの「文明崩壊」のように、深刻な破綻を迎えるだろう。

2012-11-13 12:28:52
shinshinohara @ShinShinohara

バーツラフ・スミルによれば、化学肥料を使わずに食糧生産した場合、地球全体で30~40億人程度の食糧しか作れないと試算されている。現在の人口の約半分。残念ながら、石油に依存しないで現在の人口を養うことは困難。「独立栄養農業」では、世界の人口を養えないのが現実。

2012-11-15 18:31:12
shinshinohara @ShinShinohara

では開き直って、石油をバンバン燃やして化学肥料を好きなだけ使って食糧を生産すればよいかというと、そうではない。現在残されている化石燃料を大切に使い、化学肥料の使用量をできる限り減らし、「独立栄養農業」にシフトしていく作業を進めなければならない。

2012-11-15 18:32:18
shinshinohara @ShinShinohara

エネルギーがまだ確保できる今のうちに、農業を「独立栄養農業」に変えていかなければならない。「まだ石油があるから」「化学肥料は便利だから」と油断していると、あるときそれが持続不可能になったとき、本来生きていけたはずの人口さえ、地球は支えられないだろう。

2012-11-15 18:33:59