テニプリでDQパロ～導かれし者たち２～

煌＠ＤＱ11ネタバレ注意 @kou_DQ

俺は親友たちと今外にある馬車で旅をしていた。気のおけない仲間との気ままな旅は本当に楽しかった。ある時、世界で一番大切なものが隠されているという洞窟の噂を聞いた俺たちは、それを探しに洞窟を訪れた。だけどその時…アイツが突然、俺を裏切ったんだ…！ #テニプリＤＱパロ

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本当にいきなり、アイツは俺に斬りかかってきた。驚いて抵抗できなかった俺に、何度も剣を振り下ろして…。やめろと叫んでも、アイツはただ愉快そうに笑っただけだった。何とか逃げ出した俺は洞窟の入口で気を失って…気づいたらあの馬が、俺をここまで連れてきてくれていたんだ。 #テニプリＤＱパロ

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「親友だと、思ってたのに…畜生…」シウが辛そうに呟くと、顔を手で覆いました。「……わかっただろう。俺はもう、誰も信じない。帰ってくれ」そう言ったっきりシウは背中を向けてしまいました。リョーマは何か言いたげに口を開きましたが、アツシに促されて部屋を後にします。 #テニプリＤＱパロ

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「そう、だったのか…」リョーマたちの話を聞いた店主は深くため息をつきました。「シウとその親友のキースは本当に仲が良くてね…まさかそんなことがあったなんて…」「何か、彼の人間不信を治す方法はないかな」「あの子たちが向かった洞窟は恐らく、ここから東にある洞窟です」 #テニプリＤＱパロ

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「俺たちもその洞窟に行ってみたらどうかな」「どういうことだよ、リョーマ」「その洞窟の宝を探す途中に何かが起こったんなら、洞窟に行けば手がかりがあるのかもしれないじゃん」「なるほど…」「他に方法もないし、行ってみるか！」三人は早速東の洞窟を目指して出発しました。 #テニプリＤＱパロ

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長い道のりを経てやってきた東の洞窟は大きな石の壁に塞がれていましたが、三人で触れた瞬間、石は粉々に砕け散りました。「今のは？」「たぶん、魔法をかけた石だったんだと思うよ」「こんな簡単に壊れるなんて、変な壁だな」一行は用心深く進みます。 #テニプリＤＱパロ

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「なんか…魔物も見当たらないし、道も一本道だし全然大したことないな」リョウが期待はずれと言いたげに肩をすくめます。「この先何があるのかわからないから、油断しないで」「はいはい」「リョーマ、大丈夫？」「ッス。ちょっとここから狭いですけど…」 #テニプリＤＱパロ

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人ひとり通るのがやっとの狭い道を、三人は一列に並んで通ります。「あ、階段が」ある。と先頭のリョーマが呟いたその時でした。カシャン、と何かが動く音がして、足元から床を踏み締める感覚が突如消え去りました。「！？」リョーマは反射的に前に飛びます。 #テニプリＤＱパロ

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「なっ！？」「うわぁ！」なんとか前方に着地したと同時に背後から悲鳴が聞こえました。振り返った先には誰の姿もありません。「リョウ、アツシ！？」声をかけても返事がなく、リョーマの目に飛び込んできたのはゆっくりと閉じていく床の穴だけでした。二人が落ちたのは明白です。 #テニプリＤＱパロ

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「なんだこれっ…」リョーマはさっきまで穴だった部分を踏んだり叩いたりしてみましたが、びくともしません。ふと視線をあげると先ほど通ったはずの場所にあの石の壁がありました。リョーマひとりの力では押しても何も起こりません。「とにかく…二人と合流しなきゃ」 #テニプリＤＱパロ

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リョーマは寸前に見つけた階段で地下に降ります。地下は妙にはりつめた空気が漂っていました。念のために剣を構え、慎重に歩いていきます。と、視界の先になにやら人影が映りました。「リョウ？アツシ…？」その後ろ姿は確かに、二人のものです。「リョウ！アツシ！」 #テニプリＤＱパロ

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リョーマが叫びますが、二人は気づかなかったのかそのまま先へ進んでいきます。リョーマは慌てて二人の後を追いかけました。やがて袋小路で二人に追い付きます。「あ、助けにきてくれたんだ」リョウが明るく手をあげました。「僕たち待ってたんだよ」アツシも笑みを浮かべます。 #テニプリＤＱパロ

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「そうそう、どんなに待ち焦がれたことか…」「君が地獄に落ちるのをね！」言うが早いか、二人がリョーマに飛びかかります。リョーマは一瞬驚いて怯みますが、とっさに剣を振りました。「ぎゃっ！」傷を負ったリョウの体がみるみる溶けだし、魔物の姿に変わります。 #テニプリＤＱパロ

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「っ…魔物が化けてたのか…！」リョーマはアツシの姿をした方にも斬りかかりました。やはりこちらも魔物の正体を現します。「っでりゃあ！！」相手が魔物なら容赦する必要はありません。リョーマは果敢に立ち向かいました。二匹の魔物を撃ち取ります。 #テニプリＤＱパロ

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「ふぅ…本物の二人はどこに…」魔物が霧散していくのを確認したリョーマは汗をぬぐいます。その瞬間、カシャンという聞き覚えのある音が響きました。とっさに離れようとしたリョーマですが今度は部屋全体の床が消えてしまいます。「ちょ、さすがに無理っ！」 #テニプリＤＱパロ

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リョーマはそのまま下の階に墜落し、したたかに尻餅をつきました。「いったぁー…」涙目で立ち上がると、辺りを見回します。そこは大きくて広い部屋でした。そしてその片隅に、巨大なコウモリのような魔物と壁に追い詰められた人間が見えました。 #テニプリＤＱパロ

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「あれは…」追い詰められているのはリョウとアツシに見えます。ふと先ほどの偽者が頭をよぎりましたが、その間にも魔物は唸りをあげながら二人と距離をつめていたので、リョーマはとっさに駆け寄って魔物に一太刀を浴びせます。 #テニプリＤＱパロ

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魔物は悲鳴をあげて倒れました。「二人とも、大丈夫？」「もう、助けにきてくれるのが遅いよ！」「…ごめん、上で二人の偽者に襲われて」「僕たちの偽者？」「そんなのに時間を喰ってたせいで、俺たちが危うく魔物にやられるところだったじゃないか！」「ご、ごめん…」 #テニプリＤＱパロ

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突然のリョウの剣幕に、リョーマも思わず謝ります。「君がそんなだと、一緒に旅を続けるのが心配だね」「え、リョウ？」「…そうだね、君みたいに頼りない人と一緒にいたら僕たちもどんな危険な目に遭うかわからないし…」「アツシ…？」二人の言葉にリョーマは目を見開きました。 #テニプリＤＱパロ

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「よくも俺たちをこんな危険な目に遭わせやがって！その身で償え！ギラ！」「！？」リョウが言うや否やリョーマに向けて呪文を唱えます。リョーマはとっさに避けますが、僅かに炎に触れた指先がちりりと痛みました。「っ…また、偽者っ…？」その豹変ぶりにリョーマが考えます。 #テニプリＤＱパロ

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剣をかまえ、リョウに斬りかかります。「やあっ！」「痛っ！」傷を負わせると魔物が正体を現す…ことはなく、リョウの腕から血を流れます。「なっ」「何をするんだ…！」予想外の展開にリョーマが戸惑っていると、リョウが怒りの表情で睨み付けてきました。 #テニプリＤＱパロ

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傷を負わせても魔物にならないと言うことは、彼らは本物？だけど、リョーマには信じられませんでした。あんなに優しいリョウとアツシが自分に攻撃をしてくるなんて…。「痛いじゃないか！もう許さない！死んで詫びろよっ！！」リョウが再び呪文を唱えます。 #テニプリＤＱパロ

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「バギ！」アツシも呪文を唱え、二つの魔法が一気にリョーマを襲います。「くっ…」リョーマはなんとか直撃を避けたものの、かなりのダメージを負ってしまいました。「弱いね、こんな奴の仲間になんてなっても意味がないよ」「ホント、仲間なんてくだらない」 #テニプリＤＱパロ

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二人の言葉に、ふと脳裏をよぎったのは砂漠に向かう最中の会話。自分を抱き締めて、これからはずっと一緒だ、自分たちは仲間なんだからと笑ってくれた二人の姿。仲間って素敵だと、心から思った自分自身。「…違う。やっぱりお前たちは偽者だ」リョーマが立ち上がりました。 #テニプリＤＱパロ

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「俺の知ってる二人は、そんな奴じゃない…！」「君に僕たちの何がわかるのさ」「わかる！だって俺たちは仲間だから！」「ふん、だったら君のその甘い妄想を俺たちがぶち壊してやるよ！ギ…」「ぉおおお！」リョーマは呪文を唱えようとすりリョウに一直線に駆け寄ります。 #テニプリＤＱパロ