「不気味の谷」と認知、情動、記憶と知覚

「不気味の谷」現象の発見に端を発した、認知、情動、記憶と知覚などに関する細馬宏通さんの考察を中心に。
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細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

意識が跳躍して少し前のできごとを参照する。しかもその間、注意は音から離れない。音楽は耳で聞く手品のようなものかもしれない。

2013-01-05 16:15:38
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan 音楽や音質の認知って記憶と切り離せないですよね。

2013-01-05 16:17:51
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

あることに気づくということは、そのことに対する注意が欠如していた、と気づくこと。

2013-01-05 16:18:54
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan 知覚の本質は注意である,ということはたしかウィリアム・ジェームズも言っていることです。これはギブソンにも受け継がれていくプラグマチズムの伝統。

2013-01-05 16:20:40
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 ギブソニアンの言う不変項の抽出を考えるには、注意の空間/時間単位にレイヤーのようなものを考える必要があるかもしれないな、と思っています。ざっくり注意しながら細かく注意、というような。

2013-01-05 16:29:23
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 音楽構造の中で起こる短い時間単位の想起が、もう少し長い時間単位の個人による想起を釣り上げるような経験は、情動を強く動かすような気がします。

2013-01-05 16:32:56
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan 「すべては入れ子の構造になっている」とギブソンが言うのはそこですね。

2013-01-05 16:37:32
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan 感情も時間的なものだと思います。なにしろ時間は大事だし,心理学がその大切な時間を無視したり統制したりばかりしてきたことは反省しないといけない。

2013-01-05 16:38:39
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 反応時間を鍵のひとつとして扱ってきた心理学は、いわば、注意の跳躍点をずっと利用してきたのかもしれないですね。そして、跳躍点だけでなく、跳躍の構成が実は重要だったりする。

2013-01-05 16:41:46
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan 心理学の面白さも限界も「実験心理学の歴史」を見るとよくわかります。

2013-01-05 16:44:38
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

十数年前、心理学会で下條信輔さんが、記憶は知覚によって歪むというより、そもそも記憶は知覚によって随時更新されるいわば「弱い知覚」なのだ、といった話をしていた。あれ以来、記憶=弱い知覚、というアイディアは頭にこびりついている。注意のナヴィゲーションは、その更新過程に関わるだろう。

2013-01-05 17:06:38
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 心理学史の講義は、少しでも心理に関わる学科にはあったほうがいいですね。勤務校の問題として、ちょっと考え中。

2013-01-05 17:11:13
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan ただ「そのが学生にわかるような心理学史の講義」をするのはさぞかし難しいでしょう。授業のある大学でもたいていは「不人気授業」ですね。

2013-01-05 17:12:22
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 ううむ、そうですか。「心理学に興味があるんです」という学生の「興味」をどこまで裏切りながらひきつけるか、むずかしいところかもしれないですね。

2013-01-05 17:19:41
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan なんでもそうですが歴史に興味をもてるのはそのことについてある程度知ってからなんですよね。最初に歴史の話をされたらたまらない。ちなみに私が心理学史という授業を初めて受けたのは大学院のときで,これは面白かったです。

2013-01-05 17:23:09
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 大学院の講義にする、というのはアイディアですね。スターウォーズはまずエピソード4から。

2013-01-05 17:51:02
渡邊芳之 @ynabe39

@kaerusan 私たちの教科書では「教科書的な順番を壊して読者が興味のありそうなものから先に書いていく」という形をとっています。

2013-01-05 17:51:58
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@ynabe39 実は未読だったのです。さっそく読みます。『心理学・入門 -- 心理学はこんなに面白い』 http://t.co/IpiVOs65

2013-01-05 18:12:31
リンク t.co 心理学・入門 | 有斐閣 日常の心の動きや対人関係には,多くの不思議が詰まっている。概念や理論のありきたりな説明ではなく,自分が身近に感じたこと,興味をもったことから始める「面白い」入門書。噛み砕いた解説とともに,豊富な図表・
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@kaerusan @ynabe39 映画の記憶のいい加減さは、後から知識や願望で変えられているのかなと思ったり。ラストが記憶と全く違っていたりしてびっくりする。同じことが日常生活でも起こっているんだろうと思うと(映画は確認できるけど)、ちょっと怖いです。

2013-01-05 17:37:10
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

@rkishy 何かAを想起するときに、別のできごとBもその想起とリンクされて、それがリンクだけでは済まずにBの改変や補間にまで関わっちゃって、あとでBを想起するときに効いてくる、てなことがありそうですね。

2013-01-05 18:00:50
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

ある想起が意識にのぼるとき、それはすでにサブリミナルな注意による記憶のアップデートがさんざん行われたあとかもしれない。しかし、そのアップデートが、想起に足る状態になるのはいつか。そして想起がなされたとき、それはどのような事物への注意(気づき)と結びつけられるか。

2013-01-05 17:37:12
細馬宏通(『フキダシ論』) @kaerusan

それは氷山の一角にすぎない、と言うとき、氷山の下も重要だが、なぜその一角だけが見えているのかも重要。とくにダイナミックな氷山では。

2013-01-05 18:16:42
佐藤 直樹 @naokisatoasyl

@kaerusan 記憶=弱い知覚説すごく面白いんですけど、その場合、どの機関によって何が知覚されているんでしょう。知覚というのはある特定の受容器によって外的情報を取り込むものだと思っていたのですが、そこからして、違っているんでしょうか?

2013-01-05 18:52:14
佐藤 直樹 @naokisatoasyl

@kaerusan 機関ではなく器官でした。いやむしろ機関なのか?

2013-01-05 18:53:30