#福祉対話 (対話第三弾)『福祉といえば北欧』的な日本人の感覚:日本の労働環境には何が足りないのか?元デンマーク外交官に訊いてみました2。

前回2012年末のまとめから引き続き、“キムさん”ことペーダセン氏に、北欧デンマークと日本の福祉の違いを生み出している「マインドセット」の違いは何なのかを問いかけます。ここでいう「マインドセット」とは、福島原発事故に関する2012年度国会事故調報告で使われた言葉の意味=個人の利益を優先せずに「組織の利益を最優先とする思いこみ、常識」です。 前回の対話では「労働環境の違い」に的を絞って話を進め、OECDの幸福度指標でとくに雇用に関する指標で歴代トップのデンマークの労働環境がなぜそんなに違うのか。その歴史的・制度的・心理的相違点を明らかにし、日本への改善案を提示しました。今回は労働環境の中でも労働組合に対する認識、その役割や機能、そして個人の位置付けの理解についての違いを、私だけでなく皆さんとの対話を通じて紐解いてゆきます。 対話第一弾 http://togetter.com/li/428711 (社会保障制度の違いの概説) 続きを読む
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デンマークの組合は政治から完全に独立している

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 日本とデンマークとでは労働組合というもの定義/認識がちょっと違うようですね。@dc42jkさんから日本の労働組合は政治の党との繋がりが強いというコメントがありましたが、デンマークでは最初から政治と組合は完全に切り離されています。

2013-01-06 06:14:08
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 ですから、私がこのツイートで説明する「労働組合」というものはあくまでも労働者の立場に立ち、労働者の為に労働環境改善や給与の交渉、その他の労働者の為の改善やメリットを考える組織、そして労働者の為に闘う組織の事です。政治とは完全に切り離されている組織だと考えてください。

2013-01-06 06:15:14

第三弾対話のテーマ(今度は全員参加!)

  • 1.組合の存在意義とは何か
  • 2.組合が取り組むべき問題はどのようなものか。
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 これからですが、1.組合の存在の意味とは一体なにか 2.組合が取り組むべき問題とはどのようなものなのか。この二点について考えて行きたいと思います。これはごく当たり前の質問と思われるかも知れませんが、この二点、北欧を参考に、一度一緒に考えてみませんか?

2013-01-06 06:17:01

組合の「組織率」の違い

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 デンマークでの労働組合組織率は世界でも非常に高い方です。この組織率は時代によって上がったり下がったりで、具体的な数字に拘る必要はないと思いますが、参考までにこちらを御覧下さい:http://t.co/Vo0jC75c

2013-01-06 06:17:39
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 このページで皆さんに注目して頂きたいのは日本とデンマークの組合組織率の非常に大きな差です。デンマークは8割を超え、日本は2割も行かない。この差です。この数字は日本とデンマークでは労働組合に関する考え方が大きく異なる現れでもあるでしょう。

2013-01-06 06:18:46

歴史とともに高まってきた組織率

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 デンマークでは時代によって組合組織率は変動しています。以前もお話ししましたが150年前のデンマークでは組合は存在せず、とある組合が自分達の給料上昇の為にストライキを始めると気付いた時点で一気に会員数は増え、結果は問わずストライキが終われば会員数は一気に減るという有様。

2013-01-06 06:20:20
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 初期の頃、組合の会員であるというのは雇用主には当然好まれず、労働組合は会員を匿名扱いにせざるを得ない状態だったのです。労働組合として、労働者として、決して闘いやすい状況では無かったのです。

2013-01-06 06:21:54
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 時間が経過し組合の力も増し、一般的に組合の会員である事も認められるようになり、結果も出始めた為、会員数は増えて行きました。戦後は就職すると基本的にその職場がメインとする労働組合の会員である事が義務化されて行きました。

2013-01-06 06:22:31
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 労働組合の会員を義務化したのは、あくまでも社員や組合であり、労働組合の会員である事が法律で義務化されてた訳ではありませんでした。

2013-01-06 06:23:33
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 しかし、その職場で決められた労働組合の会員じゃない人がいると、すぐにストライキが始まり、仕事は頸にさせられる(若しくは組合に加盟させられる)状態が続いた時代がありました。そのころの組合の組織率は具体的には数字はありませんが9割をはるかに超えていたのではないでしょうか。

2013-01-06 06:29:32

(90年代)逆に労組の力が強大過ぎる国に?

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 そういう時代を経て、90年代は労働組合の力があまりにも大きすぎて既に必要な労働者の労働環境、給料や休暇なども世界一を誇る国となり、もはや労働組合の存在は不要と考える人も増え、会員であるか否かは自由に選ぶべきだという考えが主流になっていきました。

2013-01-06 06:30:12
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 80年代後半、90年代前半にはそれまでは力が強かった労働組合とは異なる労働組合が発達しました。職場のメインの組合は別の組合の会員である事の権利を主張する社員を嫌いその社員を辞めさせるかメインの組合に加盟するまでストライキが続く場合が何度もありました。

2013-01-06 06:32:39

(00年代)組合の力に変化が現れる

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 2000年ごろになり、どの会社の社員であっても自由に組合を選ぶ権利が認められ、同じ職場でも複数の組合が拘るところが増えて行きました。また、組合の会員にはなりたくないという事で非会員の社員も増えて行きました。このように時代を経て会員数が増えたり減ったりしています。

2013-01-06 06:33:43
外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 労働環境が改善されたり、福祉が出来て行った時代、そして現代も含めてですが、日本の組合組織率とデンマークの組織率は全く異なります。日本の労働環境とデンマークの労働環境が天国と地獄のように異なる大きな原因のひとつ(あくまでも原因の一つに過ぎませんが)がここにあるのです。

2013-01-06 06:35:05

参考:デンマークの組合員に対する意識調査結果(2003年)

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 組織率の話は以上です。「何故デンマーク人が労働組合の会員であるのか」と聞いた最近の調査結果を少しみてみましょう。3つの労働組合が合弁すべきかを検討し、その際にとある調査会社にこの質問を会員に投げかけた調査結果がありますのでその一部を紹介します。

2013-01-06 06:38:06

いまや「存在して当たり前」な労組という存在

外人の本音 @gaijin_no_honne

#福祉対話 残念ながら「会員じゃないといけないから」といったような労働組合の役割を全く理解していない回答が多かったようです。既に労働環境が世界一のデンマーク、もはや労働組合の今までの努力と成果、自分への優れた影響を残念ながら皆さん忘れてしまったようです。

2013-01-06 06:51:28
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