「チェルノブイリの雲の下で〜第十章 反原発運動の分断策〜第十二章 食物をめぐるたたかい」を中心に

田代ヤネス和温著(出版:技術と人間)「チェルノブイリの雲の下で」から、主に「第十章 反原発運動の分断策」の引用をまとめました。 関連先行まとめ 読書録まとめ http://togetter.com/li/234104 引用まとめ http://togetter.com/li/301960 続きを読む
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CAVU @cavu311

oO( ベクレル派の登場と主張、批判、反原発運動の様子を描いた第十章に続くのは、東西陣営の典型的対応、そして妊婦、子供が(おもに精神的な面で)受けた影響を描く、第十一章「生命に立ち向かって」。ごく一部を引用しています。 #チ雲 )

2013-01-11 04:13:19
CAVU @cavu311

「大衆消費社会のおこぼれにあずかってきた暮らしてきたせいか、原子力社会に生きていながら、チェルノブイリ事故の発生を予期できず、私たちは不意打ちを食った。悪い予想はなるべく遠ざけて、楽観的に生活するのは、人間に深く根を下ろした本能のように見える。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:03:00
CAVU @cavu311

「自助精神を基盤にして、長期的な被ばくを回避するための活動に市民の多数が参加し、原子力国家に対する反撃を開始する時がきっとくることを、少しも疑っていなかった。同じような考えを持つ者があちこちにいる。しかし、実際にシンボル的な枠を越えて効果をおさめたところはわずかだった」 #チ雲

2013-01-11 04:09:59
CAVU @cavu311

「妊婦や幼児を守るための地域組織を作ったり、土壌の表土を削ったり、汚染された草を刈って処分したりすることは、運動の形をとるにいたらなかった。そのような提案は『非政治的だ』と批判されただけでなく『子どもじみた臆病者のパニック』といった中傷さえも投げかけられるありさまであった」#チ雲

2013-01-10 04:58:58
CAVU @cavu311

「後何年で原発から降りることができるか、またそれが電気代、失業率、経済成長にどのようにひびくのかを、丹念に計算してみせる専門家たちも、時代の重大な転換に気づいていない。チェルノブイリ以降、二度と同じ平和は帰ってこない。私たちの側にも新しい形の抵抗が必要とされている。」 #チ雲

2013-01-10 05:04:04
CAVU @cavu311

「大人が子どもにむかってすべて大丈夫とごまかせばごまかすほど、子どもの幻覚は大きくなる。子どもは、お母さんが自分に言えないほどのすさまじいことが起こったのだと受けとる。しかし、聞き返すだけの勇気がないので、恐怖感にたった一人で耐えなければならない」チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:15:13
CAVU @cavu311

「子どもたちの知識は私たちが予想するよりも大きく、子どもたちの予知能力は私たち大人の知識をうわまわる。私は何度も何度もこの事実にぶつかっている。私はこの経験から学んだ。真実こそが最良のアドバイザーだ。子どもにとって唯一のアドバイザーだ。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:17:50

プチメモ、そして、第十二章 食物をめぐるたたかい、に続く(*ν_ν)

CAVU @cavu311

以上、1986年の西ドイツにおける反原発運動(武闘派、政治派、ベクレル派)から、今の日本が学べそうな部分(?)を「チェルノブイリの雲の下で」から引用。3.11後の日本と同じ部分、違う部分、いろいろあって参考になると思います。なぜ今、この本のこの部分を中心に引用したかというと、

2013-01-10 05:07:35
CAVU @cavu311

昨年の官邸前抗議からの流れ、民主党から自民党への政権交代、そして2年弱が経った放射能汚染へ対応等、反原発運動も一つの分岐点というか大事な局面にあるのかなと、ふと思ったからです。もちろん「チェルノブイリの雲の下で」に書かれていることは長期的にも常に参考になることがたくさんあります。

2013-01-10 05:10:38

第十二章 食物をめぐるたたかい

CAVU @cavu311

oO( 続いて、第十二章「食物をめぐるたたかい」では、安全な食品をめぐる騒動、そしてインチキ商法など、3.11後の日本で起きたことに類似したことが、26年前の西ドイツ(ヨーロッパ)で起きていたことが描かれています。 #チ雲 )

2013-01-11 04:20:32
CAVU @cavu311

「食物をめぐる日々のたたかいは、都会では主にスーパーマーケットでくり広げられる。チェルノブイリ以後、食品の汚染に気を配る生活は、新鮮な野菜や牛乳を避け、冷凍食品、缶詰、ロングライフミルクなどを買いあさることで終わったわけではなかった。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:21:57
CAVU @cavu311

「ヨウ素131が消えた後は長寿命のセシウムやストロンチウムが問題になった。このたたかいの場では、事故の影響をできるだけ速やかに忘れさせ、それをなかったことにしようとする原発社会と、原発社会の存在自体を疑い、それを否定しようとする母親たちが、真っ向から対決した。」 #チ雲

2013-01-11 04:23:24
CAVU @cavu311

「けれども、このたたかいはとくに心配症の人びとや子どもをもつ母親に限られた問題だと矮小化され、反原発運動のなかでさえ、『ベクレル派』だけの関心事だと軽蔑をこめて呼ばれることが多かった。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:25:15
CAVU @cavu311

「『ベクレル派』を見下す立場と『ベクレル派』の立場を、日常生活の場でとらえてみると、とくにその相違が明確に浮かび上がってくる。前者は西ドイツでの第二のチェルノブイリを防ごうと、原発反対運動への参加を熱心に呼びかけながら、(略)相変わらず昔と同じように買い物をしていく。」 #チ雲

2013-01-11 04:27:00
CAVU @cavu311

「後者(ベクレル派)は、買い物にいくたびにチェルノブイリが頭に浮かび、『食品汚染や危険派ない』という原発推進派の大宣伝に、こみあげる不信と怒りをかみしめる。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:28:25
CAVU @cavu311

「確かに科学者たちは、被ばくによるガンの発生率や死亡率を計算している。だがそれてもいまは単なる数字にすぎず、一人びとりの病気の苦しみや死の悲しみとはちがうものだ。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:31:03
CAVU @cavu311

「チェルノブイリ後、消費者の選好の変化に対応して、スーパーマーケット側でもいち早く商法を変えた。たとえば、新鮮な牛乳の値段を50%下げるかわりに、ロングライフミルクを1.3マルク以上も値上げした店が多かった。これまでとはまるで逆さまの自体が出現したのだ。」 #チ雲

2013-01-11 04:32:49
CAVU @cavu311

「この程度の便乗商法はまだ許されるにしても、商人のなかには表示に記入された保存期間を短くするという悪知恵を働かせる者がいた。保存期間を勝手に延ばすのは違法だが、それを短縮することは禁じられていないという法のウラを悪用するやり方である。」チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:34:53
CAVU @cavu311

「ある日西ベルリンで、4月26日以前に製造されたはずの粉ミルクから、多量の放射能が測定された。それを聞いて怒った母親たちは販売代理店に押しかけ、(略)代理店側はわざと製造年月日をごまかしたのではないと言って詫び、品物を取り換えることを約束した。」 #チ雲

2013-01-11 04:36:55
CAVU @cavu311

「スーパーマーケットの店頭から、それまでほこりをかぶっていた缶詰類が急に姿を消していった。乳幼児をかかえる母親たちの間で引っぱりだこになったのは、ECが放出した粉ミルクだった。〜けれども、この粉ミルクの一部からサルモネラ菌が発見され、親たちに大きな衝撃をあたえた。」 #チ雲

2013-01-11 04:39:16
CAVU @cavu311

「もともと60度くらいで殺菌できるのだから、この殺菌法が知られてさえいれば、別に大さわぎをするほどのことではなかった。『放射能のかわりにサルモネラ菌』といった見出しで新聞が書きたて、原発推進派の政治家たちがそれに悪のりした。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:40:56
CAVU @cavu311

「サルモネラ菌事件は、所詮放射能から逃れることはできないのか、という無力感を人びとにあたえ、子どもの健康を守る運動を続けてきた親たちには深刻な打撃となった。ある種の政治家たちは、それ見たことか、放射能ヒステリーの『自業自得さ』と嘲笑した。」 チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:44:36
CAVU @cavu311

「漁夫の利を得たのは乳児食品メーカーだった。そのほか放射能被ばくに効く特効薬として、微量金属物質セレンの錠剤が登場したのをはじめ、ビタミン剤、カルシウム剤、マグネシウム剤が放射線障害の対抗剤として宣伝された。」チェルノブイリの雲の下で #チ雲

2013-01-11 04:46:56