ラノベ作家・榊一郎氏:ラノベ業界で一番危ないのは「ラブコメハーレムってこういうもの」と思い込む「レッテル貼り」

「今のラノベはハーレムでラブコメしか駄目なんですよね?」的な思い込みに囚われていた元教え子氏とのディスカッション
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榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

で、貴種流離譚と同じタイプなんだから旅に出る訳だが。何故? それも、カイルロッドとかうちの棄てぷりとか、大体は、追われる様に、あるいは、誰かを助ける為、とやむにやまれぬ事情である訳だが。どういう事情なら、旅に出る? カイルロッドは王国が丸ごと石化されたんだっけ。 #sousaku

2013-01-12 22:04:39
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

どうせなら、せっかく「普通はやらない」大商人の息子を主人公にした訳だから、その辺に絡んだネタにすると、より特徴の補強になるな、と。大商人っていうと、やっぱり金貨を宝箱に貯め込んでるイメージか? 少なくとも、王国の民を救うためとかだったら、商人の独自性にならん。 #sousaku

2013-01-12 22:06:28
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

悪徳商人である必要はないけど、民を救うのは本来、それこそ王侯貴族の義務だしね。まあ、暴君に対抗してとか言う設定もありはありだが、今回はちょっと脇においとく。では彼が家を出て旅する理由は?  #sousaku

2013-01-12 22:07:41
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

で――ここで先日は、たまたま遊びに来ていた有馬さんが「折角商人の息子なんだから、金貨とかに絡んだ特殊能力が云々」とかちょっと口を挟んでくれたので、「ソレダ!」的に採用。どうせなら逆方向――つまり呪いをかけられている事にしましょう。 #sousaku

2013-01-12 22:09:12
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主人公にかけられた呪い。それは、「金貨に触れると銅貨になってしまうという貧乏の呪い」――こりゃ、当然、家からたたき出されるわな! #sousaku

2013-01-12 22:10:25
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で――ここまで思いついて、ふと想った。この呪いって一体なによ? 的な。当然、話を転がす軸であり主人公にとって最も問題になる設定なので、よく作り込んでおく必要はある。で―― #sousaku

2013-01-12 22:12:06
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

これも王道だが、ファンタジーだと、呪いをそのまま武器にしちゃう戦法がよく出てくるが、これを使おう。彼の呪いは呪いであると同時に、武器にもなるのだ、と。 #sousaku

2013-01-12 22:12:49
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

更につらつら考える。金貨を銅貨にする? 金を銅に? 「おい。教え子。これで何か思いつかないか?」「へ? いや……」「思いつけよ! 錬金術の逆じゃんかよこれ!」「――あ」そんな会話をしていた訳ですがw  #sousaku

2013-01-12 22:14:30
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

そういう訳で、彼の呪いは錬金術の逆です。錬金術と言えば等価交換です(おい)。 という訳で、実は、彼の呪いは、錬金術で本来使われるエネルギーを、奪って貯め込むものである。なので、実は、適切な手段をとれば、放出も出来る。としておく。 #sousaku

2013-01-12 22:16:12
スカー(傷の男)

イシュヴァール人。本名不明。 右腕全体に「分解」の錬成陣が刻まれており、分解を行使することで、相手の肉体や装備、また周辺の物(壁や床など)を直接破壊することを得意とする。(wikipedia)

榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

SF的に認識すれば、錬金術ってのは、いわば、原子レベルでの物質変換だったりする訳だけど、乱暴に言えば、物質の違いは、原子、電子、素粒子、まあとにかくそーゆーのの配列の違いな訳で。それはつまり「情報を書き換える能力」と言えなくもないわな。 #sousaku

2013-01-12 22:17:36
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

すると主人公の呪いは、それが一番顕著に作用するだけで、金を胴に変換する際の、エネルギー落差を貯め込んでいる訳だけど、これを制御出来れば、物質の態様をそのまま変化させる能力にもならんか? と。 #sousaku

2013-01-12 22:19:09
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まあ、勿論、金と銅が「物理的に」価値の差があるかどうかはわからんので、その辺は、まあ、魔力に絡めた設定にしておくか、あるいは、水口さんの「ウィッチ・マズルカ」みたいに、「金銭的価値そのものが魔力」としてしまう事も可能。そもそも価値って人間の意識の具現だしね。 #sousaku

2013-01-12 22:20:56
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で、主人公は、実は「呪い」を受けてるのではなくて、そういう希な能力があり、それが暴走するのを防ぐと同時に、その能力でしか対抗できない何かと戦う為に、「呪い」で力を貯め込み、暴走による自滅を防いでいたのだ! 的な方向に持っていくと、何やら燃える展開に。 #sousaku

2013-01-12 22:22:40
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

まあ、ここまで考えれば、あとは敵の設定だの、主人公がどうやってその辺の能力に気付いて、これを活かすようになるか、の物語でこれはもう、オーソドックスにやるなり、何なりご随意に。ただ、この設定と世界観を見て、「どこかで見たよ。もう旧い」とか言う編集はいないと想う。 #sousaku

2013-01-12 22:25:13
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

この企画製作のキモは、あくまで「貴種流離譚の王子を大商人の息子にしてみる」事であって、それ以外は、「それで面白くする」「それでオーソドックスな流れに持っていく」為の、補強であり、設定の為の設定ではない、という事。 #sousaku

2013-01-12 22:26:33
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

ただ、その過程で、この企画らしさを出していく上で「金=魔力」的な珍しめの(他に類例が無いとは言わないが、まあ、主流ではないので目新しい)特徴がおける事。これがやはり企画提出の際には訴求出来るから、その部分は、企画書の目立つ所に書いておく。 #sousaku

2013-01-12 22:28:29
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

まあ、これは宇宙戦艦ヤマトでも可能で、これは昼にちらっとツイートしたけど、「いきてかえりし物語」だって事を考えると、実は西遊記なんかと基本構造は一緒#sousaku

2013-01-12 22:30:40
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

だから、この骨子は変えずに部品を変える。例えば田沼雄一郎氏の「GOGO! WEST」だと、基本は西遊記の筈なのに、「天竺から出発する三蔵法師」になってる時点で、「は?」となる。そりゃ気になりますよ。西遊記の基本を知ってるだけにね。 #sousaku

2013-01-12 22:33:05
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

「何処にいくのか」「何をとりにいくのか」――これを変えるだけでまた変わる。更に言えば「とりにいく」のか? 「棄てにいく」じゃだめか? ――と考えると、実は、指輪物語になる。 #sousaku

2013-01-12 22:34:19
文庫 新版 指輪物語 全10巻セット (評論社文庫)

J.R.R. トールキン,瀬田 貞二,田中 明子

榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

じゃあ、指輪物語ばりに何か棄てに行く話にしようか――となる。何を棄てに行く? 反射的にそれで思い出すのは「姥捨て山」。あれはお婆さんを棄てに行く葛藤をドラマにする訳ですが。じゃあお婆さんじゃ無くて美少女なら? #sousaku

2013-01-12 22:36:18
榊一郎@来年のスケジュールを模索中♪ @ichiro_sakaki

普通、棄てないものを棄てるから目新しいし、ドラマにもなる。指輪しかり、人間しかり。で――美少女棄ててきても、犬猫じゃあるまいし帰ってきちゃうかもしれないじゃん? と。帰ってこれない場所に棄てに行く、という話にするのも簡単だけど、この「棄てに行く」も少しいじる。 #sousaku

2013-01-12 22:37:38