@gontaaya さんの「 #平清盛 全話Re-viewマラソン」まとめ

2012年大河ドラマ「平清盛」を第1回から振り返りレビューする。 <もう一度(Re)見る(View)レビュー(批評)> gontaayaさんの呟きをまとめました(随時更新いたします)。
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ごんたあや @gontaaya

この回は全体の流れとしては第三回だが、演出としてはまたゼロからのスタートということで、前回までと違うVersionの清盛が動いている印象がある。ぐっと腹にこめる芝居が印象的だった第二回の高平太-清盛よりも、第三回第四回の清盛は、直接的な表現が多い分、幼い。 #平清盛 (3話)

2013-02-19 23:33:59
ごんたあや @gontaaya

京に戻った清盛が元服前と同じ高平太装束を身につけるのは身体的かつ象徴的な意味でも時間を巻き戻されたかのようで、洗っておいた筈なのに汚れているのは何故という無用なツッコミを招く上に、清盛の悩みは質的に変化しているにもかかわらず視覚としては堂々巡り感を与えている。 #平清盛 (3話)

2013-02-19 23:39:48
ごんたあや @gontaaya

文学的な読みが可能な第三回。それが演出されているかといえば決してそうではない。だからウェットな心理表現に陥らず、躍動的な映像となったという見方もできる。けれどそれゆえに清盛の痛み哀しみが観る側に共感を広げず、いわゆる中二なるものに映ってしまったのも事実である。 #平清盛 (3話)

2013-02-19 23:45:05
ごんたあや @gontaaya

【第三回まとめ】義朝が生きている、しかもきらきらと輝いている…。それだけで胸が熱くなる回。主人公の苦難はまだ続く。

2013-02-19 23:55:11
ごんたあや @gontaaya

松山ケンイチさん『敗者』。これだけの内容を吐き出さないと次へ進めなかったのかもしれないと思うと、『平清盛』とは、観ているひとたちだけでなく、演じるひとまで激しく巻き込む程の凄まじい力を持つ作品だったのだと感じる。それを改めて実感できて、恐くて、幸せだ。 #平清盛 #hai_sha

2013-03-02 22:38:28
ごんたあや @gontaaya

こうありたいと願う姿と、こうあらねばと考える姿と、そうしかできない姿と、そうなった姿が混じり合って映し出された事を知る。清盛のブレは悩める役者のブレであり、役者のブレは悩める清盛のブレとして一体となっていた。松山さんだから清盛を生き尽くせたのだと思う。 #平清盛 #hai_sha

2013-03-02 22:59:49
ごんたあや @gontaaya

第三回の清盛が第二回の石清水臨時祭の場面より幼く見えたのは、先に撮ったからなのだと納得した。なんて生々しい。演出や編集を超えて、役者の試行錯誤と葛藤と進化の過程がさらけ出されていた。撮影順に場面を並べると、松山さん自身のドキュメンタリーになるのだろう。 #平清盛 #hai_sha

2013-03-02 23:16:53
ごんたあや @gontaaya

捉え切れてないと自省するその迷いが、清盛の迷いに重なり、一つになる。棟梁になった時の不安と焦りは、松山ケンイチさんのもので清盛のものでもあった。それで、表現として成立している。役を生きるという意味が文から滲み出てくる。時子の口を閉める仕草、好きでした。 #平清盛 #hai_sha

2013-03-03 10:06:51
ごんたあや @gontaaya

自分にないものは演じられないと悩み、自分の記憶をたどる行為を繰り返し、理解しようとする。その一方で、共演者の芝居を受けることで生まれてくるものがある。特に松田翔太さんとの話は胸打たれた。あれこそ俳優同士の魂が切り結ぶナマの現場だったことがわかったから。 #平清盛 #hai_sha

2013-03-03 10:33:10
ごんたあや @gontaaya

この本は、「微笑む」という言葉の意味が分からない、自分の中にはないと身をこわばらせるひとが、周囲のひとや、誰に教わらずとも柔らかく微笑む我が子との出逢いを通して、心を開いて世界に微笑みかけるまでの物語、一つの言葉をめぐるとても繊細でシンプルな物語としても読める。 #hai_sha

2013-03-03 10:54:11
ごんたあや @gontaaya

第四回『殿上の闇討ち』

2013-03-14 18:23:28
ごんたあや @gontaaya

『平家物語』冒頭の有名な話を逆の視点から描く。このような視点こそがドラマの醍醐味だと実感できる回。『平家物語』では内裏(ウチ)からの視点、排除の論理で忠盛を侵入者と捉える。ドラマではこれまでの確かな積み重ねで、忠盛が昇殿せねばならない必要性と説得力が生まれている。 #平清盛(4)

2013-03-14 18:23:45
ごんたあや @gontaaya

忠盛が本心を明かすことで、為義と清盛がみじめな屈辱感の中でかみしめた「誇り」という言葉が、にわかに輝きを帯び始める。清盛に対しても「軸」が語られる。銀箔太刀の話に絡めて二重三重に仕掛けられた伏線がここで初めて帰結し、清盛と共に観る者の心もほどけていく見事な展開。 #平清盛(4)

2013-03-21 21:35:08
ごんたあや @gontaaya

「清盛、殿上は実に面白き所ぞ」という台詞がとてもいい。この忠盛の笑顔にほっとしたのを覚えている。忠盛の造型は、『平家物語』テキストの行間を埋めてなお余りある、複雑で豊かな奥行きを備えていると思う。忠盛=中井貴一さんへの尊敬と信頼が画面の枠の内と外から伝わってくる。 #平清盛(4)

2013-03-21 21:48:35
ごんたあや @gontaaya

藤原忠実が前面に出てきてドラマの世界観がぐんと広がり、各々の思惑が切先鋭くぶつかりあい大きな本筋へと繋がっていく、緊張感にみちた演出。この第四回のように、中心人物が本心を明かす所謂「もどり」的な、話の落ち着き先が見えている場合は、やはり演出も揺らぎがないと感じる。 #平清盛(4)

2013-03-21 21:52:22
ごんたあや @gontaaya

中宮璋子の外出は、寺社ではなく実家に縁のある邸への行啓で、おそらく誰か近親の見舞いにかこつけた息抜きなのだろう。身内だけの打ち解けた雰囲気だからこそ可能な、和歌の批評による璋子と堀河と佐藤義清の出会い。北面の武士のあり方と、そこから少しずつ逸脱していく清盛と義清。 #平清盛(4)

2013-03-23 23:34:12
ごんたあや @gontaaya

和歌は、個の心情を託す表現手段だが、臣下が主君に和歌を披露して一体感を高める連帯ツールにもなり、身を立てる才の一つでもある。この時代になると初心者向けマニュアル本もあり、互いの和歌を批評しあうことも行われた。和歌が再び盛り上がろうとする時代の映像化がとても嬉しい。 #平清盛(4)

2013-03-23 23:41:48
ごんたあや @gontaaya

北面の武士と中宮女房たちとのやりとり。なぜ御簾を下げないのかというツッコミがあった。絵としての作りが第一にあろうが、「ひと」とは貴族以上を意味する価値観の中で、武士をまともな人間・男と認識していないから御簾を下げる必要も感じていない事を表す、と捉えることも出来る。 #平清盛(4)

2013-03-23 23:52:37
ごんたあや @gontaaya

宮仕えとはあらゆる階層の人々に顔を見られるものなのだと清少納言が書いているように、下々の者が出入りすることは多く、しかしそれはものの数にも入らぬ者なので認識の範疇に入らぬのが宮中の生活であり彼女らの論理らしく、武士を自分と対等な会話が成立する相手とは思っていない。 #平清盛(4)

2013-03-24 00:02:00
ごんたあや @gontaaya

だからこそ堀河以上の歌才を示した佐藤義清は驚くべき存在として脚光を浴びる。『平家物語』で忠盛の歌才が語られるのもその意外性ゆえだろう。武士の歌才については、清盛五十の賀で再び取り上げられるが、こうした背景をきちんと表現しているのがこのドラマの贅沢さだと思う。 #平清盛(4)

2013-03-24 00:05:42
ごんたあや @gontaaya

そうせねばならない価値観に身を置いていても、常に御簾の内に在ることはやはり窮屈だったと思う。たまに出歩く外の世界の楽しさが書き綴られているように、女性たちは自然の光と風を求めている。行啓先で、璋子が開放的な気分になっているということもあり得ない事ではないだろう。 #平清盛(4)

2013-03-24 00:11:09
ごんたあや @gontaaya

佐藤義清と璋子の物語は、実は清盛以上に視聴者に楽しみにされていたと思う。西行好きには垣間見た璋子の美貌に義清の心が射貫かれるという展開も想定されたし、御簾越し垣間見のロマンティシズムは物語の男女の出逢いの場面につきものなのに、ここでそうならなかった所が意表を突く。 #平清盛(4)

2013-03-29 18:38:00
ごんたあや @gontaaya

北面の武士たちの思惑を語ったあと「おまえもそうか」と清盛に問われて答えずに笑みを見せる義清。世渡りのルールに通じ、俗世にどっぷり浸かった義清を藤木直人さんが軽快に演じている。のちに此岸と彼岸のはざまをたゆたい口寄せまですることになるとは。 #平清盛(4)

2013-03-29 18:44:26
ごんたあや @gontaaya

実際の所、清盛の造型と同じくらい、むしろそれ以上に、義清=西行の造型は衝撃的だった。出家したと言っても聖人になる訳ではなく、その道を選ぶことで己の欲に忠実に生きている。生臭いからこそ清盛のそばにいられる。従来の西行幻想をこっぱみじんにしたこの造型は、本当に凄かった。 #平清盛

2013-03-29 18:45:40
ごんたあや @gontaaya

第三回、佐藤義清の初登場シーン。院御所の桜の下で、義清が手のひらに花びらを受け「桜か…」。通りかかる璋子を見て「花はさかりに、咲き、誇りけり」とつぶやく。これは桜の花を璋子の美しさに見立てた句だろうと捉えていたが、そうではないかもしれない、ということに、気付いた。 #平清盛

2013-03-29 23:01:01