【エアミス研名物】お玉さんの生島治郎マラソン
『世紀末の殺人』 あゝ、生島治郎ってバブル下の時分、いろいろ接待を受けたり、付き合いをもったりしたのだろうなぁ……、というのが文脈から容易く読み取れるのですよ( ´ ▽ ` )ノ 送迎用のヘリコプターに関するウンチクがこの小説の一番楽しい部分ですね。
2013-01-30 23:44:54『世紀末の殺人』 あーっ、ドンペリ飲みてぇ〜。ヘリコプター乗りたい〜。バーボン飲みたい。ゴルフしてぇー。ドラックー( ´ ▽ ` )ノ ハルシオン( ´ ▽ ` )ノ ダイヤー。王冠ー。不正融資してぇ〜。 そんなバブル経済小説ですよ。
2013-01-30 23:49:27というわけで、生島治郎の志田司郎シリーズは次がラスト〜( ´ ▽ ` )ノ 『修羅の向う側 志田司郎探偵事務所』を読むよ〜☆ 短編集だよ〜☆ これだけプレミア価格だったよ\(´Д` )
2013-01-30 23:51:56さて、生島治郎マラソン・志田司郎編その10にしてラスト『修羅の向う側 志田司郎探偵事務所』読了。 1999年12月31日初刷だぁ〜( ´ ▽ ` )ノ
2013-01-31 22:00:35『修羅の向う側』 うん。普通に無難な短編集だったよ。 生島小説に数多く出て来るピストルをすぐに振り回すチンピラも……、あまり出てこないのが寂しいね。
2013-01-31 22:03:20『修羅の向う側』 もうほとんどの短編で志田司郎が傍観者なのよ。ヤクザが恋人を助けに行く。親子げんかをしている。……などという、そんな事件を横でジッと見ているだけの存在になっちゃってるんよね。 もう事件も一本調子。意外性とか構成の妙は一つもありやしない。
2013-01-31 22:06:45というわけで志田司郎シリーズ、全て読みきりました。 ……。 『追いつめる』、……ギリギリで『あの墓を掘れ』が許容範囲かなぁ。『追いつめる』のクオリティを体験した後では、全ての作品が色褪せちゃうよね。作品の密度がどんどんスカスカになっていくからねぇ〜。
2013-01-31 22:12:09志田司郎が歩けば、事件の手がかりが向こうからやってくる。 あと志田司郎、喧嘩力ありすぎ。銃や長ドスなんて全然無問題だよΣ(゚д゚lll)
2013-01-31 22:13:44さてさて、こんなカルピスを薄めまくった『修羅の向う側』で生島マラソンを終幕するのもアレなので、ラストとしてデビュー作でもある『傷痕の街』を読むよ。あと100ページくらいでお終いさ。がんばるよ〜
2013-01-31 22:17:57さて生島治郎マラソン・番外編その5『傷痕の街』読了。 1964年刊行。生島治郎のデビュー作。 やはり初期の生島治郎はスゴイ。 物語の密度が違う。ロマンがある。丁寧に構成されている。
2013-01-31 23:34:12『傷痕の街』 主人公が持つ不屈な精神を、だらだらとした説明ではなく自然にエピソードで消化している。しかも後半の伏線をばら撒きつつだ……。 後の作品と比較して、完全に別人の作品だよΣ(゚д゚lll)
2013-01-31 23:37:12『傷痕の街』 ハードボイルドでもあり、本格の要素もミックスされている。おーっ、顔無し死体。それをこうやってくるかぁ〜。これはいいトリックだぁΣ(゚д゚lll) しかもその謎の解明時に思いっきり男の感傷を描き、さらに後のトリックに繋げるための土台を作り上げている。
2013-01-31 23:40:10『傷痕の街』 ハードボイルドである。同時に社会派でもある。 もともと生島治郎は松本清張以降のミステリシーンに不満を持っており、和製ハードボイルドの確立と同時に、社会派推理小説における動機の面白味を人間ドラマに昇華できないかも考えていた。 戦後体験。その総括を印象深く表出させている
2013-01-31 23:46:29『傷痕の街』 そして、エンタメ小説でもある。 様々なジャンルをミックスさせたエンタメ要素の基礎を、もうこのデビュー作品で作り上げている。 後の『死者だけが血を流す』『追いつめる』に比べると、まだ手慣れてない感があるが、近年のエンタメミステリと比較しても遜色はないだろう。
2013-01-31 23:49:53『傷痕の街』 最後のどんでん返しはやり過ぎかなぁ〜。そう考えると、3年後の『追いつめる』はよりスタイリッシュにまとまっているよなぁ。このラストはΣ(゚д゚lll) となっちゃうよ。悪くないけど……
2013-01-31 23:55:42よく初期作品がすごいと言われている作家さんがいますけど、生島治郎はもうその代表的な一人だろう。 『黄土の奔流』は今現在読む価値はあまりないかもしれないけど、先の『傷痕の街』『死者だけが血を流す』『追いつめる』は格が違うわ。
2013-02-01 01:08:24傷痕からの追いつめるまでの作品に関しては、もう和製ハードボイルドの基礎の確立だけではなく、教科書的な一面もあるわけだ。 どういうふうにプロットを展開するか。社会が関連する事件の内容をいかに個人の問題へと還元するか。どうすれば登場人物たちを掘り下げられるか。
2013-02-01 01:08:44だけど、それら以降に関しては擁護は難しいよなぁ。一本道で起伏のないお約束の展開。『傷痕の街』で行ったトリックを何度も何度も繰り返し使用したりするわけで……
2013-02-01 01:09:30ただ考えると。直木賞受賞の『追いつめる』以降の劣化は止むを得ない一面はあるんだよな ハードボイルドを書ける作家は何人かはいたが、ハードボイルドを量産できる作家は生島治郎ただ一人しかいなかった。 作品のこだわりより、ハードボイルドというマーケットの存続のほうへシフトしていったわけで
2013-02-01 01:10:02生島治郎は締め切りを守る作家だったらしい。 睡眠薬に依存しながら、一時間五枚という執筆スピードで小説を仕上げていたわけだ。 書き散らしに近いよね。十ページの間で同じ説明が二度三度あったりすることなんて、もう生島治郎名物みたいなもんだ( ´ ▽ ` )ノ
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