イザヤベンダサン@Isaiah_BenDasanの「アメリカのセールスマンは、レジを「人間を正直にする機械です」という」
14】合理化の為の一つの機械の採用ですらそうなのだ。例えばナショナル金銭登録機という機械がある。いわゆる「レジ」である。アメリカのセールスマンに「これは一体どういう機械なのだ、一言で説明してみたまえ」といったら彼らは何と答えるか。
2013-01-29 04:58:3215】異口同音に「これは、人間を正直にする機械です」というであろう(彼らはそういう教育をうけているらしい)。この考え方は日本と逆である。
2013-01-29 05:58:3216】彼らキリスト教徒は、人は罪深いものであり、誘惑に陥りやすいものであるという前提のもとに「我等を誘惑に会わせず、悪より救いたまえ」と日夜祈ってきた民族である。これを人間関係にあてはめれば、「人が誘惑にかられやすい環境を作ることは悪」なのである。
2013-01-29 06:58:3217】従って金銭の出し入れにはベルが鳴り、出し入れした金額が表示され、かつ自動的に記録が残る機械を備え、それによって誘惑を断ち切り、人間を正直にし、罪を犯させない為、というのが最も共感を呼びやすい考え方で、従ってセールスのポイントとなるのであろう。
2013-01-29 07:58:3418】宣教師のところをたずねたら、冷蔵庫に鍵がかかっていたので、キリスト教に幻滅を感じた日本人を私は知っている。だがこれは、幻滅を感ずる方に誤解がある。では日本人は、どういう「たてまえ」でレジを備えるのか。
2013-01-29 08:58:4719】もしデパートの支配人が「お前達を正直にする為にこの機械を備える」などと言ったら、ストにならないまでも、全従業員の顰蹙を買い、管理能力はゼロを査定されて、自分がクピになるのが落ちであろう。
2013-01-29 09:58:4820】現実はどうであれ「人間教徒」なら、たてまえとしては、口が裂けてもそんな事を言ってはならない。私の知っているある商店主は実にうまい事を言った。「人間ですから間違いがあります(この間違いとは錯誤の意味であろう)。
2013-01-29 10:58:4721】その度に自分の店の者を疑ったり、相手も疑われているのではないかと思ったりするのは、人間としてまことに嫌ですし、職場の雰囲気の面でも面白くありませんし、モラールも低下させますから……」。そこでレジを備えるという。
2013-01-29 11:58:4822】一言でいえば「自分が、人にあらぬ嫌疑をかけ、相手を傷つけ、人間としてまことに嫌な状態にならぬ為だ」という。レジを備え、売上げの窃取を防いでいる(勿論それだけではないが)のは、日本もアメリカも同じである。
2013-01-29 12:58:4323】だがそこへ至るたてまえの方向は逆である。従ってレジを目にしたからといって、日本もアメリカと同じようなものだと考えてはならない。
2013-01-29 13:58:4924】また自然保護といっても、ドイツ人なら「自然に整形美容の手術」を加える行き方であり、日本人なら「静かな山ふところに抱かれる」という、人間が自然に保護される行き方であって、自然保護の「現実」の外観が同じだからといって、同じ考え方だと思ってはならないのである。
2013-01-29 14:58:4425】こんな事を書いたのは、互いに交われば相互に理解できると単純に考えている日本人が余りに多いからである。ジャンボ時代が来れば、世界はもっともっと狭くなり、お互いに肩を触れ合い、話し合う機会はますます多くなり、日常の事となるかも知れない。
2013-01-29 15:58:4726】だが、それが相互理解に通ずるなどと、絶対に安直に考えてはならない。もしそうなら、ユダヤ人はもう二千年も、西欧人と肩を触れ合って生きてきているのである。
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