バトルクエスト・クレンチ・ユア・フィスト #8

翻訳チームによるサイバーパンクニンジャ活劇小説「ニンジャスレイヤー」リアルタイム翻訳 (原作:Bradley Bond-san & Philip Ninj@ Morzez-san) 日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ 続きを読む
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムサン!今この時ばかりは、朦朧状態はキナコにとって救いであろうか!ナンシーに強く促されると、彼女は無抵抗で従い、よろけながら走り出す!二人は奥の扉を抜け、走る!走る!走れ!走るのだ!「イヤーッ!グワーッ!?」「SHHHHH!」「グワーッ!グワーッ!グワーッ!」 25

2013-02-12 23:22:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……特に申し開きは必要無し。名誉は守られる」玉座のガンダルヴァが超然と言い放つと、闇カネモチ達は熱のこもった目で、玉座の階段の下に置かれたニンジャの生首、そして、その前に白装束で正座させられた闇サラリマンを見た。27

2013-02-12 23:33:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイ……アイエエエ」震えるサラリマンの背後に立ち、腕組みして見下ろすのはオーバーウェルム。「左様。名誉ある死だ。これは。部下の不始末の責任を取り、神聖に自らの命を断つ。誇ってよい」「そんな事……本社に確認しないと」サラリマンは泣き声を出した。闇カネモチ達が嘲る。 28

2013-02-12 23:40:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何も知らないんです!こ、この生首野郎が、バロール=サンが勝手に見境なく興奮して狼藉したんでしょッ!私知らない!」「なお悪い!」オーバーウェルムが一喝!「アイエッ!」サラリマンの頭を掴み、顔を近づけた。「晩節を汚すでない。俺がしっかりとカイシャクしてやるゆえ、安心せよ」 29

2013-02-12 23:48:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アイエエエ……」「ハイクを詠みなさい」ガンダルヴァが目を細めた。サラリマンは震え声でハイクを詠んだ。「トラブルで、セプクをします、ニンジャのせい」セプク!刃を腹に押し込む手が躊躇いかけるが、「イヤーッ!」オーバーウェルムのチョップがその首を速やかに切り落とす!カイシャク! 30

2013-02-12 23:55:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

闇カネモチ達は満足げにこのゴア光景を眺める。ナムアミダブツ……まさにこれぞ暗黒秩序……新興参加者であるこのサラリマンの政治的弱体が露呈した格好だ。アコライトのスタンドプレーをジバヌチが……少なくとも今この時まで……ケジメもセプクも無しで済ませているのとは対照的である。 31

2013-02-12 23:59:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

そう、少なくとも、今この時までは……。この場において、ジバヌチもまた、白装束とまでは行かぬが、モンツキ姿の最正装である。何しろ彼はこれから自らのセプクを賭けるのだ。「いよいよ奴も年貢の納めどきか」「カラテに狂ったか」「実際見損なったわい。あのジバヌチが」ざわつく闇カネモチ。32

2013-02-13 00:06:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「さて……皆様方の重大な関心は、本日の特別神聖闘技に向けられている事と思う」ガンダルヴァは玉座から立ち上がった。「オーバーウェルム=サンのカラテと、ジバヌチ=サンの代理戦士であるアコライト=サンのカラテを戦わせ、流れる血潮によりて、邪気のさまざまを払拭しようではありませんか」33

2013-02-13 00:12:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

拍手が応える。オーバーウェルムは闇カネモチ達に向き直り、オジギをした。ドジャーン!銅鑼が打ち鳴らされた。「イヤーッ!」オーバーウェルムは回転ジャンプし、併設された四角い石の闘技舞台に着地した。先日とは別のバトルフィールドだ。巨躯のニンジャは威圧的視線を舞台の対岸に投げる。 34

2013-02-13 00:23:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

二名の護衛戦士に付き添われ連行されてきたのは、バトルカフタン風ニンジャ装束を着た片腕のボンズ。オーバーウェルムは無言で凝視する。ボンズが顔を上げる。まっすぐに見返す。そしてオジギをした。「ドーモ。オーバーウェルム=サン。アコライトです」その瞳は嵐待つ海のごとく黒く深かった。 35

2013-02-13 00:29:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。アコライト=サン。オーバーウェルムです」オーバーウェルムはアイサツを返す。そしてカラテを構えた。アコライトも同時に身体を横向け、カラテ姿勢をとる。ズシン!大地が鳴動した。地震ではない。それはアコライトが軸足で石の床を踏みしめた音である。オーバーウェルムは目を細めた。36

2013-02-13 00:31:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フゥーム……貴様何を経たか……」オーバーウェルムの背中にカラテがこもり、にわかにパンプアップした。「来い、ボンズ」「イヤーッ!」アコライトが石の床を踏み砕き、前へ跳んだ。一瞬にして彼は蹴り間合いにまで詰めた!オーバーウェルムは鞭めいたミドルキックを繰り出す!「イヤーッ!」 37

2013-02-13 00:36:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ズシン!アコライトの軸足が霞んだ。再び踏み砕いた石床の粉塵が為である!オーバーウェルムは目を見開いた。その顔面に強烈な裏拳が叩き込まれていた。「グワーッ!」ハヤイ!オーバーウェルムは慎重にガード姿勢を取る。「イヤーッ!」ズシン!地面が鳴動する!ワン・インチ距離にアコライト! 38

2013-02-13 00:40:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ボンジャン!」アコライトの肘先がボーめいて繰り出され、オーバーウェルムのガードを打つ!「ヌウーッ!」オーバーウェルムは二歩下がった。闇カネモチがどよめく。オーバーウェルムのニューロンをニンジャアドレナリンがどよもす。まるで別人か!否!これまでと異なるのはその決断力! 39

2013-02-13 00:44:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」オーバーウェルムは右手水平チョップを構え、死角となる右から攻撃しようとした。だが彼は寸前でためらった。死角?どこに?ここにいるのは片腕を失ったニンジャではない。片腕のカラテを持つニンジャなのだ!「セイヤッサーボンジャン!イヤーッ!」「グワーッ!」 40

2013-02-13 00:53:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ズシン!アコライトの軸足が霞んだ。再び踏み砕いた石床の粉塵が為である!オーバーウェルムは目を見開いた。その顔面に強烈な裏拳が叩き込まれていた。「グワーッ!」ハヤイ!オーバーウェルムは慎重にガード姿勢を取る。「イヤーッ!」ズシン!地面が鳴動する!ワン・インチ距離にアコライト! 38

2013-02-14 17:06:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ボンジャン!」アコライトの肘先がボーめいて繰り出され、オーバーウェルムのガードを打つ!「ヌウーッ!」オーバーウェルムは二歩下がった。闇カネモチがどよめく。オーバーウェルムのニューロンをニンジャアドレナリンがどよもす。まるで別人か!否!これまでと異なるのはその決断力! 39

2013-02-14 17:08:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」オーバーウェルムは右手水平チョップを構え、死角となる右から攻撃しようとした。だが彼は寸前でためらった。死角?どこに?ここにいるのは片腕を失ったニンジャではない。片腕のカラテを持つニンジャなのだ!「セイヤッサーボンジャン!イヤーッ!」「グワーッ!」 40

2013-02-14 17:13:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

電撃的衝突の衝撃でオーバーウェルムの巨体が吹き飛び、石の床を滑った。アコライトの肩から背中にかけてを叩きつけるボンジャン・ボディチェックである!「そのままやれ!」ジバヌチが叫んだ。アコライトは後転で間合いを取るオーバーウェルムを追う。 41

2013-02-14 17:22:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」オーバーウェルムが恐るべき長リーチ蹴りを繰り出す!「イヤーッ!」アコライトは僅かに横へ身を振り、直線的な蹴りを回避した。右手を添えるようにオーバーウェルムの脚をのけると、懐へ潜り込む。ズシン!石床が破砕!そして頭突きを叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!」42

2013-02-14 17:28:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

オーバーウェルムの額が割れ、出血!その巨躯と長い手足は、極至近距離の咄嗟の打ち合いにはかえって不利であろうか?アコライトは頭突きの勢いのままに深い前傾姿勢を取り、下から斜め上、右手を振り上げる!「イヤーッ!」「イヤーッ!」オーバーウェルムは瞬時に両膝を閉じ、急所攻撃をガード!43

2013-02-14 17:39:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」上から打ち下ろすオーバーウェルムの肘がアコライトの肩甲骨を捉える。石床に叩きつけられんとするアコライトへ、さらなるオーバーウェルムのケリ・キックが襲う!「イヤーッ!」「イヤーッ!」アコライトはしかし、逆さに垂直跳躍!片手腕立て伏せめいて跳んだ! 44

2013-02-14 17:54:02