評論同人誌 『セカンドアフター』
さきほどのセカンドアフター公式ust、内容の紹介、宣伝という部分が少し弱いように感じたので補足したいのですが、てらまっとさんの『ほしのこえ』論は、素晴らしい文章だと思います。僕は読み終えて感動すら覚えましたし、藤津亮太氏の論を引用しつつ一歩その考察を推し進めたようにも思いました。
2012-08-12 01:40:40《音楽対談》 「セカイの終わりのあとに聴こえたもの――『もののけ姫』が鳴らした崩壊と再生」 (兎男×PIANONAIQ) について……
評論同人誌『セカンドアフター vol.2』には『もののけ姫』(久石譲)の音楽について徹底分析した対談を載せていただいた(PV http://t.co/DoXTBKXY)。内容はともかくとして、一アニメ作品の(劇伴)音楽についてここまで語ったものはないのではないか、とは思っている。
2012-09-28 21:35:04兎男さんの当時の一連の発言を拾い上げてみました。
震災後の文脈を読解するサブカル批評誌「セカンドアフター vol.2」に 『もののけ姫』の主に音楽について書いた。題して「セカイの終わりのあとに聴こえたものーもののけ姫が鳴らした崩壊と再生」。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-08 02:49:44もののけ姫はやや高低差と遠望視点が乏しいのが後半の閉塞感につながってる気がする。世界の広がりというものが前半までしか感じられない。
2012-05-08 15:46:54『もののけ姫』はメッセージ性=意味性の強い作品だと言われるが、そうした表層の物語構造よりも最も強靭なのは、人々の始原感情に訴えかけるようなトラック「黄泉の世界」での非意味にまで増幅した破局の凄まじさにある。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 01:57:33かつその極みにおいて意味づいてくる終章での解放感ある長調の響きだ。この此岸の究極において、もののけ姫の音楽はついに「善悪の彼岸」を奏でる。
2012-05-09 02:02:13「もののけ姫」の重要な表象は深層構造にあり、音楽は画面の裏から有機的に機能するアノテーションとなりコノテーションとなる(これをあの手この手と言う)。しかし『もののけ姫』が作品として「成功」しているかと言えばそうではない、それはまた別問題だ。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 02:06:44今度の『もののけ姫』論では宮崎久石が主に80年代ー90年代を通じて生み出してきたイマージュの起源を問い、我々の文脈をどのように規定してきたのか明らかにするような歴史研究まで至らなかった。サブカル批評の基礎研究としては最も大事なとこなのだが。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 02:11:22ちなみにナウシカもラピュタもED曲は独特な陰影と階調を備えた短調だが、コダマの復活が示されるEDのもののけ姫だけがアシタカとサンという長調で終局する。
2012-05-09 02:17:10セカンドアフターから引用。「カタストロフの残響の中から聴こえてくるここでの「アシタカとサン」は、そうした終わりゆくものを鎮魂しつつ、新たな始まりを奏でる」。『セカイの終わりのあとに聴こえたものーもののけ姫が鳴らした崩壊と再生』http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 02:20:53『もののけ姫』。アシタカとナウシカは同じ辺境の英雄だが、決定的な違いは、アシタカが人間存在としても個人としても理不尽な定めを負って生きるアウトキャスト(余計者)であること。つまり貧乏くじ引いた若者。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 02:28:34セカンドアフター『もののけ姫』論。ライトモティーフについて。ベルリオーズの「固定楽想」などを経て、楽劇において特定の楽曲主題や動機を組織的に用いることで、物語進行や登場人物の感情に注釈を与える一種の「音楽的照明」が発達してきた。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 22:36:32例えばワーグナーは長大な楽劇による神話劇『ニーベルングの指環』の最終作「神々の黄昏」のラストで、世界の終焉とヴァルハラ炎上を描く北欧神話由来のカタストロフを豊饒なモチーフ群を駆使して描出してる。もののけ姫のシシ神の森のカオスは五音階のミニマルモチーフのモザイクによって描写される。
2012-05-09 22:41:09セカンドアフター『もののけ姫』論。五音階メロを久石は長野五輪テーマ曲でも使った。NHK人形三国志の細野晴臣による主題歌はAメロ「時のな〜がれる夜〜」が完全に五音階で秀逸に構築されてて素晴らしいが、久石もののけ姫は上手く西洋音階と融合を図っていて、アシタカとサンは絶妙な案配である。
2012-05-09 22:50:02ニーチェはワーグナーの楽劇を「概念形態によらない巨大なシステム」としたというが、もののけ姫の神話的構造も音楽の多義性によって、世界像が多様に開かれているように思える。その音楽がシステマティックであることはセカンドアフターに書いたとおり。http://t.co/GBmrQubR
2012-05-09 23:52:02先日セカンドアフターやっと到着した。文フリらしからぬ分厚さにユリイカかと思った。もののけ論はフラッグシップの論考ではないけれど無駄にボリュームある対談です笑 http://t.co/ASt4mwuf
2012-05-15 01:15:14