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出版社視点でのコミック重版に関するお話

新潮社で漫画編集をされていたsarnin(さあにん)さんのコミック重版に関するツイートをまとめてみました。あくまでsarninさんご自身が経験した範囲での話である旨をご理解ください。 《さあにん@山本直人さんプロフィール ※Twitterより》 まんが情報誌「ぱふ」で勤務後、徳間書店「ファミマガ」「PSマガジン」などの編集長→フリー→新潮社でコミックスと電書の編集、制作→再びフリー。今はライティングやらデザイン管理やら攻略本やら作ってます。メディア大好きの毎日。ドラクエX(MJ654-912)国境なき猫もふ団、カエルアイコン在籍。 続きを読む
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さあにん@山本直人 @sarnin
コミックスの重版の話が流れていたので、ちょっと連続ツイート。あくまで私の経験している出版社側のオハナシ。(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
1)重版には売上動向は確かに大事だけれど、実際の重版には「注文対応重版」と「在庫対応重版」があって、初動が影響してくるのは「注文対応重版」になる場合が多い。これは書店が本の売れ行きを見て、出版社に注文。その数がまとまる+売上動向が良い→重版しておこう というケース。(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
2)「初動がいい!」なんていうと、発売当初から完売続出!みたいな雰囲気だけど、発売後3日とか(1週目調査とか)で4割とか売れていれば、かなり良いレベル。6割とかだと部数を決めた担当者が叱られるレベル。ただし近所の本屋で売り切れたから「完売!」っていうわけではない(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
3)ここで登場するのが日版のトリプルウィンと紀伊国屋のPOSだが、実際には加えて各出版社の特約店調査、amazonの調査などジャンルと配本ケースによって確認する場所が異なります。あとは作家さんの今までの売れ行きデータ&出版社の判断(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
4)売れ行きが良くても従来商品がロングテールでない、部数がある程度決まっている作家さんの場合は、結果「売れ行き」よりは「売上」で重版を判断する。市中在庫&倉庫在庫の適正数を判断しながら重版する流れ。これが「倉庫(在庫)重版ですな(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
5)出版社は刷られた本を全部市場に放出するわけではなく、いくらかは倉庫に注文対応用として確保している。刷り部数が多くても、少なくても。少部数のものでも500や1000単位で持っていることも珍しくない。ロングテールの本はこの倉庫在庫が徐々に減っていく(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
6)ここで出版社が「この商品はまだ少しだけれど動く」と判断すると重版がかかる。ただしこの重版は市場に出るわけでなく、倉庫に積まれる。この倉庫重版が繰り返される作品は重版までのハードルが下がるので、割と素早く重版が決まるようになります(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
7)amazonについては、他の書店と連携しない1つの販売倉庫として認識するとわかりやすいかもしれない。取次経由で入荷される本は、あくまで取次に注文が戻るが、出版社に直接取引が来るものは、出版社の倉庫からamazonの倉庫に移動するという感じ。(続く)
さあにん@山本直人 @sarnin
8)つまりは「注文」と「在庫」のバランスを「売上動向」で判断するわけなのだが、結局「注文」を入れるのは販売店や取次であったりするのが難しいところ。amazonは予約のクリックが売上動向として事前に出るので、それだけで重版が決まる…なんてこともあります(以下、雑談)
さあにん@山本直人 @sarnin
9)以前は重版というと、初版からさらに増刷!のように計算していたが、今は重版は重版で採算が取れるよう計算する。最初から重版のみで採算が取れるよう原価計算するのだ。出版社の倉庫はけっこう満杯の上、倉庫代と本自体が不良資産なので売れないと判断されると処分はけっこう早い
さあにん@山本直人 @sarnin
10)ところが処分後に、なにかのはずみで売れ行きが上向く(映像化とか)こともある。この場合は重版なんだけど、ほとんど新刊本を作るのに近い。もともと今は入稿データが直接印刷機にのる状態なので、昔のように製版代が初版と重版で大きく異なることはないと思う
さあにん@山本直人 @sarnin
コンビニやネット販売が多く目に見えるので、どうしても販売速度が速いものが「重版」がかかると思いがちだけど、速度=売れる本という判断は難しいかなぁ。ゲームの「初週だけ」ってういう売れ行きとか、極端だけどそういう「重版がかからない」のに近い。
さあにん@山本直人 @sarnin
逆に専門店とか一部書店、amazonなんかで確実に在庫を揃えてもらえる作品や作家さんは忘れたころに重版がかかったり。売り切れたっきり在庫が入らない本は、実は細かく返本されたりして、結果売り上げが悪かった…なんてことも多々あります。
さあにん@山本直人 @sarnin
調査では8割以上だったのに、実際に返本を締めてみると4割返本…なんてことはけっこうありますからねぇ…。
さあにん@山本直人 @sarnin
倉庫在庫を持つか持たないか、どれだけ持つかはその出版社の判断にもよるので、このあたりは個々で状況が多少異なると思いますがね。

コメント

伊坂一馬 @Ithaca_Chasma 2013年2月18日
出版社の倉庫からamazonの倉庫に直接移動してる本もあるんだな…
ほりさん @wdj0504 2013年2月18日
この人一緒に働いたことある。
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2013年3月2日
本が何部売れるかを見極め、増刷したりしなかったり、ほどよいところで文庫にするのは職人の芸術だった。もし、遠い将来、電子書籍に出版の大半が移行するなら、その職人芸は不要になるのかな・・・。ひとつの後押し要因にはなるのかな。
gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2013年3月2日
将来的には「ビッグデータ」でかなり正確に部数予測ができたりするのだろうか。人工知能による売り上げ予測、を研究してる人もいるそうで。(東大の松尾豊准教授) http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201302060549.html
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