クトゥルフ神話TRPGリプレイ小説"Random Jumper"Day1

マメ科の @abnorman_bean

それではクトゥルフ神話TRPGリプレイ小説"Random Jumper"Day 1-1 少しずつ書き進めます。

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翌朝、学校で、友子にせっつかれた「あんたさー、なんか隠してない？」。 ここは言いくるめる事は出来ない。正直に告白してしまう。

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それで友子は信じたらしい。私のおばあちゃんの、あの秘密の呪文の事を。 そして不適な笑みをたたえる我が友の口から、こんな冒涜的な言葉が紡がれた。 「じゃあさあ、ミドリ、使ってみよっか？その呪文」

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鬼が出るか、蛇が出るかもわからないこの呪文を、唱えろというのだ、この友人は。「一見、唱えている限りは襲われないっていうように聞こえるがね？」と一番好意的な解釈をしてくる。

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そもそも「百鬼夜行に会う為に呪文を唱える」んだから、わざわざ触らなくて良い祟りに触りにいくような物だ。そう説得したのだが、押し切られた。２人で夕方、幹線道路沿いに待つ事になった。

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道すがらも、通行人や休憩中のドライバーに聞き込みを続け、 「トラックが跳ねたのではなくて、トラック『が』跳ね飛ばされた」 など、この幹線道路沿いで最近起きている事故について教えてもらった。 「学校の新聞部なんです」などといって信頼してもらっての事だ

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そして日没。友子の責め立てるような視線を背後に、口の中でブツブツとつぶやき始める。「カタシハヤ...」１小節が終わると２小節、最後の小節が終わると最初に戻って再びやり直す。そんな行程を幾度となく繰り返し繰り返ししつづけ、ついにそれは起こった。

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気付くと、幹線道路には車通りが途絶えていた。あたりは真っ暗で、結構精神を込めて一心不乱に唱えてしまっていたのかもしれない。一瞬、静寂。 「コツン」 とそこへ、靴が地面へ触れる音が聞こえ、私はそちらへ向き直った。

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全体的に暗い印象でよく見えなかったのだが、どうも黒尽くめの服で身を隠しているらしい。ただ貌だけははっきり見えた。遠目からだが、整った形の、少年？もしくは中性的な女の子に見えるような...いずれにせよ、見覚えは無いし、何故突如、道路の真ん中に突っ立っているのか、それが一番の疑問だ

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暫く凝視していると、彼（彼女？）の口元が横一文字に開いたかと思うと、 「○○○×○×」 聞き取れなかったが、そう、確かに数文字分、動いたのだ。慌てて、何を言ったのか考えたが遅かった。

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何故なら、その瞬間に、あたり一面の街灯が突如切れ、視界が真っ暗に。そして押し寄せるこの感覚は...まるで耳元を特急電車が通過するかのような圧を感じる...目をとじ、体を伏せないとはじき飛ばされそうだ...

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10秒ほどたただろうか、屈めていた身を持ち直して目を開ける。街灯の明かりは回復しており、ちょうど友子が身を起こすのが見えた。そして肝心の...少年は居ない。あの特急列車のような圧力の主も見あたらない。一体何が、何が起きたというんだろう、今。

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「なんだかものすごいのが通っていったぽいね」友子はその点は認識しているが、少年となると駄目だ。「そんな子居たかなあ？見てなかったから何とも言えないけど」多分、今夜はこれ以上なにも起きない気がする。家路につこうとするが、来るときは無かった大穴が、道路脇の畑に空いている気がする

マメ科の @abnorman_bean

見事、友の奸計にはまって、人生初の魔法行使をしてしまった。ひょっとしたら日本の女子高生初かもしれない。そして特に役に立つ魔法でもなく、心無しか精神が消耗している。疲労感も感じるが、こっちは５時間程度寝れば回復するだろう。明日も学校だしね。

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クトゥルフ神話TRPGリプレイ風小説　”Random Jumper" Day1-1終了。

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KEEPER'S NOTE: いよいよ謎掛けの開始。実プレイ時には、まず呪文を唱えてみようという発想のプレイヤーはおらず、事態が進行しませんでした。

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プレイ開始前に、今まで物理で殴ってきたけど、呪文とか使ってみたいよねー、という話をするのも効果的でした。

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また、「カタシバヤ...の呪文はルルブにある、とある呪文なのですが、名称は不明、一回唱えてみないとSANとPOWの減少は分からない、とする事で、今後解くべき謎の一部としています。

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こういう趣旨は、早めに伝えたほうがいいですね。KPとしてやりたい事の趣旨を早め早めにプレイヤーに開示、です。もちろんシナリオの謎はネタバレしないように...

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今回、タイタス・クロウものである事と、能力値が100を超えるような探索者って、居るかもしれないよねー、という導入もしています。ぐたいてきに誰がとは明かさないですが。

マメ科の @abnorman_bean

タイタス・クロウを知っていたプレイヤーは居ませんでしたが、雰囲気を提示する、それも、含みを持たせてあやふやな言い方で、というのがホラー演出なのかと思います。

マメ科の @abnorman_bean

最終的には、協力的なNPCが呪文を使ってみるしかない、と強引に勧誘して、強制的に事態を進行させる事もしていました。

マメ科の @abnorman_bean

呪文やリアルクトゥルフ神話知識をガンガン使って事態を進めて行くスタイルは異端かもと思いますが、や・め・ま・せ・ん。だってタイタス・クロウだから。