やるやらで考える共産主義の問題点……のプロット
やらない夫「昔の日本もそうだったが、昔のカンボジアでは学校に行ける人間ばかりじゃなかった。幼い頃から畑で働くのが『普通』で、子供が働かずに学校に行くのは『贅沢』だったりしたんだよ」 やる夫「だ、だからって……」
2013-02-26 22:05:45やらない夫「当然識字率も低い。読み書きができない人間が大勢いる。なあ、そんな中で、できる夫の勉強が理解されると思うか?」 やる夫「そういえば、死んだ婆ちゃんは戦前生まれで、SEの叔父さんが家にPCを持ち込んで、仕事をしていても『遊んでいるようにしか見えない』って……」
2013-02-26 22:06:20やらない夫「同じ理屈……いや、カンボジアはもっと酷かった。カンボジアによく行く友人が当時の状況をこう表したぜ。『眼鏡をかけている奴は殺せ』ってな。眼鏡→読書家→インテリ高学歴→(畑仕事的な意味で)働かざる者→喰うべからず→殺せ! ……という理屈さ」
2013-02-26 22:06:33やらない夫「共産主義の名誉のために言っておくと、あそこまで事態が混濁すると、最早イデオロギーの問題ではなかった部分が大きい。強盗や権力闘争、極限の状況での『自衛』のために共産主義の名前が使われただけとも言える。ただ、『働かざる者喰うべからず』という発想の危険さは認識してほしい」
2013-02-26 22:06:51やる夫「……やらない夫がソ連の話で、やけに官僚を強調していた理由がわかったよお」 やる夫「『働かざる者喰うべからず』という理屈だと、『働いているか否か』を査定する側≒官僚にとんでもない権力が集中するという事だよお」 やらない夫「ほう、わかってきたな」
2013-02-26 22:07:09やる夫「考えてみれば、『働いているか否か』って、無茶苦茶微妙だよお。非正規雇用のやる夫だって今この瞬間だけを見れば、【働かざる者】だし、NEETも明日就職が決まれば、【働く者】になる。正社員が失業すれば、【働かざる者】で、できる夫みたいな学生は勿論、主婦や幼児老人とかも…」
2013-02-26 22:07:22やる夫「ぶっちゃけ、査定する官僚の胸先三寸な気がするよお。国政調査みたいなアンケートならともかく、これで生死が決まるのは怖すぎるよお」
2013-02-26 22:07:46やらない夫「その通りだ。この『働いているか否か』の査定問題については @a_alpha_m さんがトゥゲッターで面白いまとめ( http://t.co/QhI36hBQiD http://t.co/uhWpRYvLPb 等)をしていらっしゃるから、参考にしてほしい」
2013-02-26 22:08:20やらない夫「とはいえ、これはあくまでも最悪の事例だ。他の共産主義はもっとまともだ。例えば、ソ連編なんかは中々うまくやったと思うぞ。問題も多かったがな。それでも、人類初の有人宇宙飛行を成し遂げたし、1950年代までは西側諸国よりも経済成長率は上だったんだ」
2013-02-26 22:08:45やる夫「さすがだよお! やっぱり『働かざる者喰うべからず』も馬鹿に出来ないよお」 やらない夫「……お前、共産主義は嫌いじゃなかったのか?(いるんだよなあ。徴兵制反対を訴えていたのに、徴兵制には利点が少ない事を指摘されると、何故か徴兵制導入を唱え始める奴とかさ)」
2013-02-26 22:09:06やる夫「…でも、カンボジアみたいにならなかった理由は何だったんだよお?」 やらない夫「諸条件が違い過ぎて、一言では言えんが、ここの主題に沿えば、『働いているか否か』を査定する側≒官僚がそれなりにまともだったという事だな。不正はやっても『眼鏡をかけている奴は殺せ』はしないだろ」
2013-02-26 22:09:34やる夫「確かに……」 やらない夫「欧州では遅れている方だったが、それでも官僚になる連中の教育水準は高い。読み書きができんなんて事もありえん。科学技術への理解も高いから、インテリは『基本的に』優遇される。宇宙開発も進むわけだな。それと……」
2013-02-26 22:09:54やらない夫「…なあ、やる夫、ギャル夫をどう思う?」 やる夫「また、話が変わったよお…。でも、ギャル夫は駄目な奴だよお。今も『俺はビックになる』とか『個性を活かしてクリエイティブな事がやりたい』とか言って、定職についていないよお。あれなら、非正規雇用のやる夫の方がマシだよお!」
2013-02-26 22:10:14やらない夫「…………そうか」 やる夫「ぶっちゃけ、ギャル夫みたいな奴は、強制労働で農業でもやらせればいいんだよお」 やらない夫「……うん。だから、ソ連は似た事をやったんだ。何といっても『働かざる者喰うべからず』の国だからな」
2013-02-26 22:10:33やる夫「それはいい事だよお」 やらない夫「そう思うか?」 やる夫「いい事だよお。どうせギャル夫がビック(笑)になったり、個性を活かしてクリエイティブな事(笑)をできるわけがないよお。それよりは農業やるべきだよお。ソ連の官僚は頭いいから、その指示に従っていればいいんだよお」
2013-02-26 22:10:53やらない夫「…………よく考えてみれば、お前、『刺身の上にタンポポを乗せる工場労働』者だったな」 やる夫「含みのある言い方だよお」 やらない夫「いや、主題からは逸れるんだがな。この手の共産主義は工場制手工業とは相性がいいんだ」
2013-02-26 22:11:09やらない夫「そもそも、共産主義が体系化されたマルクスやレーニンの時代は、工場制手工業の全盛期だったからな。労働と言えば、工場制手工業かさもなくば農業だ。当然、共産主義の制度も工場制手工業を前提に設計されている」
2013-02-26 22:11:25やらない夫「『刺身の上にタンポポを乗せる工場労働』なんて工場制手工業の典型例だ。お前と親和性が高いのは必然だよなあ――と思ってな」 やる夫「お前は違うのかよお」 やらない夫「……俺(≒筆者)は工場労働者になれなかったからな。右寄りなのも、そのせいかもしれないだろ」
2013-02-26 22:11:48というわけで、今日はここまで……っていうか、小説の続き書かなきゃ! 美少女が一杯出てくる学園もののラノベ作家が意外と儲けている話を聞いちゃったもんね! 私も背教者を早く終わらせて、次を書かなきゃ!
2013-02-26 22:12:16やらない夫「さて、続きだ。ソ連ではギャル夫みたいな奴に農業を強制したりしたところまで話したな」 やる夫「そうだよお。しかも、ソ連の官僚は頭よかったから、きっと適切な命令でギャル夫を正しく導いてくれるよお」 やらない夫「正しく……か」
2013-02-28 05:10:41やる夫「……ま、まさか、やっぱりカンボジアみたいに」 やらない夫「いや、そこまで酷くはなかったと……と思う。人道的には問題だらけだし、餓死者も出たんだが、何だかんだと言って、経済成長しているんだしな。カンボジアは勿論、毛沢東時代の中国よりはうまくやったと思う」
2013-02-28 05:10:55やる夫「ちょっと待つよお。なんで優秀な官僚が命令してるのに、餓死が出るんだよお」 やらない夫「あのな、いくら優秀たって、人間なんだぞ。間違いぐらい犯すさ。第一ソ連(つうかロシア)は元々豊かな国ではない。酷い話だが、共産主義の有無にかかわらず、餓死は出たと思う」
2013-02-28 05:11:11