読者が「混乱」する「視点の揺れ」とは何か?@榊一郎

榊一郎先生の創作講座。今回のテーマは「視点の揺れ」について。 地の文が誰の視点を代表しているのかが入れ替わると、読む側が混乱して状況を把握しにくくなるよ……というお話。 酔っ払ったコーティカルテとフォロンを例に、視点の置き方による文章の変化について解説します。 後半はリアリティについて。 続きを読む
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榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

日記的な書き方が行き着くところまでいけば、「一人称は僕、なんて言う必要無いよね」と消えてしまうのかもしれません。ある意味で論文や新聞記事の文章に近いんですが、その一方で文章に「事実に対する感想」が混じるので「で。これ誰の意見?」と混乱する。

2010-09-02 23:56:29
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

まあ視点はこんな感じで。ついでにもひとつ。リアリティの話。

2010-09-02 23:57:16
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

 なんというか、意外に多いんですが――リアリティを「どれだけ現実に即しているか」だと考えている人が多い。

2010-09-02 23:58:14
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

以前、自主製作映画を作っていた時に、仲間の一人が書いてきた脚本がありまして(戦争もの)。主人公の傭兵が、どんな場面でも延々、自動小銃を「単射」で撃つんですよね。

2010-09-02 23:59:12
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

いわゆる、マシンガンみたいなフルオートで、撃たない。絶対に。まあ、弾丸の消費とかそういう意味ではフルオートで撃つな、なんて教える部隊や軍隊が実際にありますので、それは「嘘」ではないんですがね。

2010-09-03 00:00:07
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

盛り上がりのシーンとかそういう時にはどうしても「だだだだだ!」と撃ちまくる場面欲しいじゃないですか。でも彼は頑なにフルオートの場面を拒む。で、「この主人公は英国軍の傭兵部隊の出という設定なのだ。英国の正式ライフルL1A1は、フルオートが無い。だからこれでいい」

2010-09-03 00:01:23
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「いや、そんなのこの脚本の流れでは分からないし、いらないこだわりじゃん。そもそも傭兵なんでしょ?」「だからL1A1は!」「だから普通の人はそんなのしらねえよ!」みたいな会話があったり<脚本会議で

2010-09-03 00:02:20
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

確かにリアルという意味では彼の主張は正しいのですが、元々、リアルな英国軍を描く訳でもなし(ちなみに現在は、英国軍の正式ライフルもフルオートモードのある、L85系に世代交代してます、念の為)、そこを物語のわかりやすさやら、盛り上がりと引き替えにしてまで追求する意味あるのかな、と。

2010-09-03 00:03:49
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

個人的には毎週毎週、悪代官とかを成敗していく水戸のご老公の活躍を見ていて、不安に思ったものです。

2010-09-03 00:04:50
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「このペースでいけば、日本の悪代官は、いや、ありとあらゆる代官は、壱年以内に滅亡してしまう」とw

2010-09-03 00:05:24
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「実は水戸黄門は、江戸幕府の支配体制を揺るがすテロリストなのか!?」とまではさすがに思いませんでしたがw でもリアルリアルと言い出せば、こういう話まで出かねない訳で。

2010-09-03 00:06:16
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

で、「水戸黄門はリアルじゃない!」と怒る人がいるかどうか。いたとしてもそりゃ、野暮ってもんですわなw 

2010-09-03 00:07:23
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つまりですね。現実と現実味は違うという事です。これ、意外と分かってない人がいたりします。特に小説を書き始めの人。で――一つ間違うと、自分が小説を書く上で調べてきた「現実」の情報にがんじがらめになって、何も書けなくなったり。

2010-09-03 00:08:52
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

実際にはリアリティというのは、先の「小説とは読んで貰う為云々」の話からすれば、「読者が白けない程度に求められる生々しさ」であって、それ以上のものではありません。

2010-09-03 00:09:43
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

あくまで「読者が」ですから、その白ける白けないのレベルも、作品によって変わる訳です。ぶっちゃけ、「ぎゃはははは、おもしれえええ!」と読者が喜んで見てくれるなら、別に戦国武将がロボだろうが、オーラ引いて戦おうが、指に刀挟んで戦おうが別にいい訳で。

2010-09-03 00:11:09
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

でも、架空戦記とか、いわゆる「史実の別解釈」「極めて現実に即した条件下での思考実験、もし真珠湾攻撃が――」みたいなのが売りの小説で、

2010-09-03 00:13:49
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

「ふおおお、俺の気が高まってきた! 米軍などこの一撃で葬ってくれるわ!」と山本五十六が(当然美形)オーラで空飛んで、日本刀でムスタングとかを一刀両断にしちゃったりすると、それはもう、怒られちゃう訳で。

2010-09-03 00:14:26
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

以前やった「起承転結」の起、ここで決めた世界観、リアルさ加減、そういったものの前提が読者の頭の中にあるのを理解した上で、その読者が「作者の怠慢」を感じない――キャラでいうところの「中の人が見えない」――程度の整合性がとれていればいい訳です。

2010-09-03 00:15:57
@nagaokanatsuki

話の流れに関係なくて済みません。あんな感じに成敗し続けていたら、日本人はいなくなるそうです。RT @ichiro_sakaki: 個人的には毎週毎週、悪代官とかを成敗していく水戸のご老公の活躍を見ていて、不安に思ったものです。

2010-09-03 00:06:36
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@nagaokanatsuki おおう。という事は実は水戸黄門は、江戸の日本を滅ぼす為にバテレンが送り込んだ、改造老人とそのオプションだったという事に<ならねえよ!

2010-09-03 00:17:18
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

何度も繰り返しますが。「読者に物語を楽しんで貰う」のが第一義ですから、リアリティもその目的の為に奉仕すべきであって、「これ現実だから」を言い逃れの道具に使ってはならない、と、そういう話。

2010-09-03 00:18:31
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

読者を夢中にさせる演出が充実していれば、多少の嘘書いたって、誰も気にしません。逆に言えば、いくらリアルと同じだからって、誰も楽しめない位につまらなければ、小説としての価値は無い訳で。

2010-09-03 00:19:37
三田誠@Makoto Sanda @makoto_sanda

@ichiro_sakaki 孔明の艦隊は結構売れたんじゃなかったでしたっけw 文庫落ちもしてますし。

2010-09-03 00:20:00
榊一郎@ノベライズ『サマナーズウォー』1&2発売中♪ @ichiro_sakaki

@makoto_sanda それ読んでませんが、なに、三国志の英雄が戦艦ぶったぎったりするんですか?

2010-09-03 00:20:56
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