今回の処刑獣キルキャットは手強い相手だ。でかくて速くて力強い。そのシンプルさが厄介だ。チナミは何度も強靭な尻尾で叩きのめされ、セリカも尖い爪で体のあちこちを切り裂かれた。 #dda第六話 35
2013-03-12 22:52:57「調子にのってんじゃねぇぞ! このクソネコが!」チナミが吠えた。総合格闘技の経験を生かして、処刑獣の前足をつかむことに成功した。そこから、ドラゴンスクリューの要領でぶん投げる。地面に叩きつけると同時に、処刑獣の足の骨を折る。 #dda第六話 36
2013-03-12 22:53:22「今だ! やっちまえ、セリカ!」とチナミ。ドラゴンスクリューによって処刑獣の動きが鈍くなった。セリカはまじかるブルーレイディスクで、処刑獣の目を狙う。切れ味するどい円盤が、比較的防御力の弱い箇所……処刑獣キルキャットの両目を切り裂く。 #dda第六話 37
2013-03-12 22:54:17「ざまあみやがれ!」と、チナミは処刑獣の目の傷口に手刀を突っ込んだ。ズブズブと脳までさしこんで、内側をかき回す。返り血で真っ赤に染まるチナミ。ビクンビクンッと痙攣する処刑獣。「脳をまぜまぜされたくらいでアヘッてんじゃねえぞコラ!」 #dda第六話 38
2013-03-12 22:54:52拷問空間内では、立場が逆転していた。拘束されたミフユ。まじかるリボルバーを構えるアヤネ。「今度はこっちの番ね」と、アヤネは魔力で弾丸を生み出す。「じゃじゃーん、拷問用の『肉食線虫弾丸』でーす。名前聞いただけでわくわくするでしょ?」 #dda第六話 39
2013-03-12 22:55:34ダメージになるところ、というのはもう本能的にわかってるからなのかな。セリカちゃん、処刑獣相手の戦い方がわかってる、っぽい? #dda第六話
2013-03-12 22:55:41どこからか飛び出してきた妖精アサエモンが言う。「『線虫(せんちゅう)』と聞いてもピンと来ない人は、グーグルとかでイメージ画像検索すればいいと思うモン! 虫系苦手な人は気をつけるモン!」 #dda第六話 40
2013-03-12 22:56:35アヤネはその弾丸を装填し拳銃の引き金を絞った。ミフユの左太ももに炸裂する。すると、ミフユの皮膚の内側から、無数の「虫」がわいてきて肉を噛み千切り始めた。細長く真っ白い糸状の虫が、大量に。痛みと生理的な嫌悪感で、ミフユはたまらず絶叫する。 #dda第六話 41
2013-03-12 22:57:05「妖精国のまじかる線虫は噛む力が特別に強いの」アヤネは言った。あっという間にミフユの大腿骨まで露出して、一定時間が経過したら肉食線虫はふっと消える。魔力のお陰でミフユの出血は最低限に抑えられているが、大怪我なのは間違いない。 #dda第六話 42
2013-03-12 22:57:39メタだなこの血まみれ妖精!?ちなみに線虫は仮に「線虫しか見えないメガネ」で大気圏外から地球を見降ろしても地球のかたちがくっきりと見えるくらい、そこらじゅうにうじゃうじゃいます(豆知識 #dda第六話
2013-03-12 22:58:36「『毎日がつまらない』とか『自分の居場所がどうとか』……いろいろと言ってたけどね、あなた」アヤネは言う。「それはね、あなたが『楽しみ方』を知らないだけよ。私は、人生の楽しみを知ってる。歯に穴を開けられるのも『楽しめる』」 #dda第六話 43
2013-03-12 22:58:49「ミフユちゃんだっけ? あなたにロシアンルーレットの作法を教えてあげる」そう言ってアヤネはまじかるリボルバーをスイングアウト。「肉食線虫弾丸」を一発だけ込めて、シリンダーを元に戻す。 #dda第六話 44
2013-03-12 22:59:25「リボルバーの種類によっては、正面から見ると弾丸の位置がわかることがある。でも、このまじかるリボルバーの構造ならそうはならない」アヤネは銃の撃鉄を指で少しだけ起こして、シリンダーをフリーにしてから回転させた。これで弾丸の位置がわからない。 #dda第六話 45
2013-03-12 22:59:55