薬学たんの解熱鎮痛剤講座(?)

薬学たんが解熱鎮痛剤について行った講座(?)です ざっくりと解熱鎮痛剤を三つに分け、それぞれについて説明を加えています
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

夜も深まったところで、解熱鎮痛剤についての講座(?)を始めますね 需要、あるといいんですが…… というか、フォロワーさん1000超のプレッシャーと緊張が……すーはー……頑張ります

2013-03-22 00:40:35
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

解熱鎮痛剤というのは、痛みや熱を感じないようにするものですが、そもそも体が痛むとか、熱があるというのは、その部分が炎症を起こしているということになります では、炎症とはなんでしょう?

2013-03-22 00:43:26
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

炎症は、もちろん自己防衛のシステムの一つで、傷ついた部位の修復に当たるためのものです 病気の場合は、病原菌をやっつけるシステムといってもいいかもしれません

2013-03-22 00:46:59
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

”病原菌をやっつけるシステム”といえば、白血球ですね 炎症には、白血球も大きく関わります 体が刺激を受けると、Tリンパ球や、マクロファージ、好中球といった白血球たちや、マスト細胞などの血液中の細胞たちが、起炎物質というものを放出します

2013-03-22 00:49:52
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

起炎物質には、血管を一旦収縮させ、拡張する血管反応などいくつか機能がありますが、その中に「発痛物質や発熱物質の生成」があります このことによって、痛みや熱が来るんですね

2013-03-22 00:54:59
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

(あ、講座は翌朝ちゃんとまとめておきますし、質問は随時受け付けますよ!)

2013-03-22 00:56:54
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

起炎物質の例としては、有名なのはプロスタグランジン、それから花粉症の時も出てきたヒスタミンサイトカインロイコトリエンなんていうのもよく聞きますね 中でも、主に痛みや熱に関わるのは、プロスタグランジンです

2013-03-22 00:57:49
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

では、どう治療するかといえば ①プロスタグランジンの生成を抑える ②痛みの伝達自体を抑える(鎮痛作用のみ) この2パターンが考えられます

2013-03-22 01:01:26
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

とりあえずまずは、非ステロイド系解熱鎮痛薬からですね このお薬はプロスタグランジンの生成を抑えてくれます 解熱鎮痛剤して処方されるのは、ほとんどがこの「非ステロイド系解熱鎮痛薬(NSAID)」です

2013-03-22 01:05:09
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このNSAIDの例を挙げるなら、アスピリン、ロキソニン、アセトアミノフェン、イブプロフェンですかね どうでしょう、きっとお馴染みの名前ですよね

2013-03-22 01:08:23
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

プロスタグランジンは、アラキドン酸という物質から、COX(本名はシクロオキシゲナーゼ)という媒介者のもとで作られます 言うなれば、アラキドン酸は原COXは工場プロスタグランジンは製品という具合ですね

2013-03-22 01:13:04
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

非ステロイド系の解熱鎮痛薬は、基本的にこのCOXに働きかけ、プロスタグランジンの生成を抑えます だから、痛みや熱が和らぐという仕組みなんですね

2013-03-22 01:17:37
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

しかしながら副作用も当然ございます 中でも非常にありがちなのは胃腸炎です これは、プロスタグランジンに胃腸の保護など、生体に必要な他の役割も備わっているからなんですね

2013-03-22 01:23:47
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

他にも、アレルギーや腎障害、肝機能障害、喘息患者にはアスピリン喘息、骨折の治癒の阻害、一部抗菌剤との併用でけいれんなどのリスクもあります もちろん薬であるからには「副作用<薬効」なのは間違いないのですが、使いすぎはよくないですね

2013-03-22 01:28:12
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

次はステロイド剤についてです このお薬は一応花粉症の時に触れているので、説明は軽くにしますね こちらも、プロスタグランジンの生成を抑えてくれます ですが、その仕組みが違うんですね

2013-03-22 01:34:39
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このお薬は、原料であるアラキドン酸 の生成に関わっている、ホスホリパーゼAという物質を阻害してしまいます また、免疫に関わるサイトカインという起炎物質の生成も抑えます

2013-03-22 01:38:29
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

つまり、パン(プロスタグランジン)を作るのを止めたい時、パン工場(COX)に働きかけるのが非ステロイド系原料の小麦(アラキドン酸)を作っている農家(ホスホリパーゼA)に働きかけるのがステロイド系です どうでしょう、分かりやすいですかね?

2013-03-22 01:49:13
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

ステロイド系のお薬は、非常にたくさんの作用があるので、一生に一度は飲むのではないかと思いますが、副作用も多いです くれぐれもお医者さんか薬剤師さんの指示に従ってくださいね!

2013-03-22 01:54:08
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

最後は、麻薬(または麻薬性の薬)です 「ダメ、絶対」の麻薬と同じです 主に使われるのはモルヒネです 医薬品として使うこともあるんですね 大抵使われるのはガンの時の痛み止めで、それ以外で使うとしたら相当強い痛みなんだと思います

2013-03-22 02:01:01
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

(ちょっと休憩)構造式botさんのツイートから、モルヒネを探してまいりました こんな形なんですねぇ

2013-03-22 02:07:15
構造式bot @CTaro_structure

モルヒネ。ケシの実からとれるアルカロイドの一種。中枢神経に作用して、鎮痛・鎮静作用を示します。 http://t.co/2mMinTA1jt

2013-03-21 03:58:03
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薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このお薬は、脳に直接作用して痛みの伝達を弱めます 脳のどこに作用するかというと、オピオイド受容体というところですね モルヒネはその中でも、μ受容体というところに作用します

2013-03-22 02:08:16
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

このμ受容体、体内の物質では、快感物質と言われるβエンドルフィンも作用するところです このことから、βエンドルフィンは脳内麻薬とも言いますね

2013-03-22 02:12:12
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

μ受容体は痛いと感じるプロセスの一部にあるので、モルヒネがこのμ受容体に結合すると、痛みの伝達が抑えられるという仕組みになっています

2013-03-22 02:15:43
薬たんでした@卒業済 @Yakugakutan

しかし、このμ受容体は他にもいくつか機能があるため、モルヒネを服用すると、副作用としてその機能が抑えられてしまいます 例えば、呼吸や腸の運動の抑制ですね

2013-03-22 02:21:52