《『福島民報』連載 「安全の指標 揺らいだ基準」第5回》
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第二部 (10) 安全の指標 揺らいだ基準 官邸の解釈に失望... | 東日本大震災 | 福島民報 http://t.co/dt16QUErlI @FKSminpoさんから これだと、第2部前半で取り上げていた山下俊一氏の100ミリ安全と全く矛盾するんだけど。両論併記のつもり?
2013-03-22 13:29:201 以下『福島民報』2013年3月22日朝刊掲載 「第二部 ベクレルの嘆き 放射線との戦い (10) 安全の指標 揺らいだ基準 官邸の解釈に失望 」を引用、紹介する。
2013-03-22 14:01:532 <空間放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上が測定された学校は校庭での活動を1日1時間程度に制限し、3.8マイクロシーベルト未満の学校は平常通り利用して差し支えない>
2013-03-22 14:12:383 新学期が始まってから2週間近くがたった平成23年4月19日。文部科学省は県内の小学校などの校庭利用の判断基準について、年間積算放射線量20ミリシーベルトを基に「暫定的な目安」を公表した。
2013-03-22 14:12:474 政府内で検討されていた計画的避難区域の設定基準「年間積算放射線量20ミリシーベルト」との整合性などを考慮し、事故収束後の復旧期に用いられるべき「1~20ミリシーベルト」の上限値20ミリシーベルトを採用した。
2013-03-22 14:13:095 「毎時3.8マイクロシーベルト」は「1年間毎日8時間校庭に立ち、残りの16時間は同じ校庭の木造家屋で過ごす」という仮説で20ミリシーベルトになるようはじきだした数字だった。
2013-03-22 14:13:317 原発事故直後の「緊急時被ばく状況」(年間積算放射線量20~100ミリシーベルト)、事故収束後の復旧期の「現存被ばく状況」(同1~20ミリシーベルト)、平常時の「計画的被ばく状況」(同1ミリシーベルト)に区分されていた。
2013-03-22 14:14:268 計画的避難区域は緊急時の「20~100ミリシーベルト」の下限値20ミリシーベルトを採用していた点で、復旧期で捉えた校庭利用の目安とは似て非なるものだった。
2013-03-22 14:14:479 しかし、「20ミリシーベルト」の根拠と理由が教育現場に十分に説明されなかったため、「年間20ミリシーベルトまでの被ばくなら問題ない」との誤解を一部に招いた。
2013-03-22 14:15:1212 学校生活は復旧期の「1~20ミリシーベルト」で考えるべきではないか-。ICRP勧告は復旧期の被ばくについて「汚染地域内に居住する人々の防護の最適化のためには、1~20ミリシーベルトの下方部分から選定すべき」としている。
2013-03-22 14:16:5013 下方部分とは10ミリシーベルト以下であり、さらに子どもの感受性は大人の2~3倍とされていることを踏まえれば、10ミリシーベルトの半分の5ミリシーベルトが妥当、将来的には1ミリシーベルトにすべきだと2人は提言した。
2013-03-22 14:17:1110 公表の数日前、助言チームを取りまとめる民主党の衆院議員空本誠喜氏の携帯電話が鳴った。「緊急時被ばく状況とみなして『年間20~100ミリシーベルト』の最も厳しい20ミリシーベルトを採用するので理解してほしい」。首相補佐官の細野豪志氏からだった。
2013-03-22 14:19:3111 「それは事故直後の緊急時の基準だ。子どもたちが登校する状態を緊急時の基準で扱っていいのか」。空本氏は納得がいかなかった。すぐに内閣官房参与で東大教授の小佐古敏荘氏に、官邸の意向を伝えた。
2013-03-22 14:20:1114 空本氏は文科省の公表内容を聞いて驚いた。緊急時被ばくの目安ではなく、復旧期の「1~20ミリシーベルト」の上限20ミリシーベルトを根拠にしたとすり替えられていたからだ。
2013-03-22 14:20:4515 空本氏は「官邸と文科省は『20ミリシーベルトありき』で数字遊びをしただけだ。ICRP勧告を間違って解釈したことに変わりはない」と指摘する。
2013-03-22 14:21:1616 「3.8マイクロシーベルト」を導き出した仮説は非現実的で、学校生活に即した現実的な仮定で算出すれば、20ミリシーベルトの半分以下の低い設定も可能だった。後に文科省が認めている。
2013-03-22 14:21:4517 「安全委の助言を得ながら判断した。場当たり的ではない」。校庭の利用基準をめぐり、4月30日の衆院予算委員会で首相の菅直人氏は反論した。
2013-03-22 14:22:2118 だが、内閣府原子力安全委員会が政府から助言を求められてわずか2時間後に「妥当」と回答していたことが判明し、政策決定の在り方が厳しく問われた。
2013-03-22 14:22:4919 小佐古氏と空本氏は「もうこれ以上、官邸に提言しても無駄だ」と思うようになっていた。(肩書は当時) 以上引用終了。
2013-03-22 14:23:4020 以下、感想と疑問、他。この記事の「地」の部分は、記者の意見または、福島民報社の意見として読んでよいのだろうか?
2013-03-22 14:29:0221 「しかし、『20ミリシーベルト』の根拠と理由が教育現場に十分に説明されなかったため、『年間20ミリシーベルトまでの被ばくなら問題ない』との誤解を一部に招いた。」の部分は、福島県も、福島民報社も、山下俊一氏らも誤解を流布した、ということになるのだが、そういう理解で良いのか?
2013-03-22 14:30:4022 この記事の説明は、現在の政府の説明の通りだ。学校年20ミリは、事故収束後の復旧期の「現存被ばく状況」(同1~20ミリシーベルト)の一番高い数字を採用したものだ。しかし、設定当時の県民に説明されたのは、「ICRPの基準だから」ではなく、「十分に安全な数字だから」だった。
2013-03-22 14:37:1323 同時に避難地点設定基準の年20ミリが、ICRPの規定する、原発事故直後の「緊急時被ばく状況」(年間積算放射線量20~100ミリシーベルト)の下限だという説明もされていなかった。
2013-03-22 14:45:2724 この記事では、避難地点指定の年20ミリと、学校の校庭使用基準の年20ミリは「似て非なるものだった」とある。それは確かに似て非なるものではあるのだが、そもそも、その前提となるICRP基準の運用が間違っているのだ。
2013-03-22 14:47:37